【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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年末イチャイチャ 編

彼の家

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「俺だって周りが見えなくなる事はある。でもその時はお前が俺を引き戻してくれると信じてる。……だろ?」

「はい!」

「信じてる」と言われるのが、こんなにも嬉しいと思わなかった。

 いつも私が一方的に尊さんに甘やかされ、引っ張ってもらっている気がしたけれど、彼もまた私を頼ってくれていると思えたからだ。

「あの人と決着つける時、俺は多少なりとも感情的になり、取り乱すと思う。……そん時は援護頼んだぞ」

「背中は任せてください」

 頼られたのが嬉しくて胸を張って言ったけれど、彼が茶化してきた。

「頼むから背中を撃つなよ。お前は凡ミスしそうだ」

「だ~か~ら~……。ちょいちょい〝部長〟出してくるのやめてください」

 うなるように言うと、尊さんは肩を揺らして笑った。



**



 彼のマンションは港区三田にある。

 周囲の情報を簡単に説明すると、麻布や白金高輪、芝に囲まれた土地で、慶應義塾大学や駐日イタリア大使館、在日オーストラリア大使館などもある所だ。

 尊さんが住んでいるのは低層マンションの最上階で、ワンフロアに二戸しかないゴージャスな造りだ。

 私たちはコンシェルジュさんに挨拶をしてエレベーターに乗る。

 部屋に入ると、別世界が待っていた。

「すごぉ……」

 まぁ、玄関からして広い。ダークブラウンのドアの奥にはシューズクローゼットがあり、チラッと見せてもらうとピカピカの靴やスニーカーが並んでいた。

 リビングダイニングは四十畳ぐらいあるそうで、広々とした空間に黒いレザーのソファと、大理石のテーブルがあった。

 壁に設置されたテレビはバカでかく、その下にある木製の収納に、ブルーレイデッキや色んな物が収納されてるっぽかった。

 リビングルームには、どっしりとしたグランドピアノがある。

 彼がピアノを弾くのは意外だったけれど、クリスマスデートの時に音楽に詳しいような事を言っていたから、好きなんだろう。

 十畳近くあるアイランドキッチンの近くには、六人掛けのダイニングテーブルがあった。

「こんばんは」

 ダークカラーで統一されたキッチンでは家政婦さんが忙しく働いていて、私を見ると感じよく挨拶してくれた。

「こんばんは。お手伝いしますか?」

「あっ、いいんですよ。もうおいとまする時間ですし、あとは片づけだけなんです」

 四十代半ばの感じのいい女性は、そう言ってにこやかに笑った。

「朱里」

「はい」

 尊さんに呼ばれて返事をすると、手招きされた。

「部屋、案内する」

 彼は一度リビングダイニングの外に出て、廊下を進んだ。

「この階段は? 上にも部屋があるんですか?」

 途中に上に向かう階段があったので尋ねると、彼は何でもない事のように言う。

「屋上に出る階段だよ。洗濯物を干すのはバルコニーで事足りるし、ほぼ使ってないな」

「バルコニーあるんですか?」

「ああ、結構広いよ。今はカーテン閉めてたから気づかなかったか。夏場は外に置いてある椅子に座って酒飲んだりとか。ハーブ類とかも育ててる」

「おっしゃれ~! あとで見せてくださいね」

 会話している間、尊さんは玄関横にあるトイレの場所を私に教えてくれ、すぐ近くの部屋のドアを開けた。

「ここ、客室。まぁ、寝るだけなら困らないと思うから、好きに使ってくれ」

「広い!」

 客室と言っても八畳はありそうで、シンプルながら作りのいいベッドがあり、デスクやチェストなどもあってホテルみたいだ。

 その部屋に小さめのスーツケースを置かせてもらうと、尊さんがまた手招きして隣の部屋のドアを開けた。

「ここは俺の書斎」

「ほう……」

 言葉の通り、部屋にはデスクやパソコンがあり、あとは本棚に本がびっしり詰められてあった。

 その奥に十五畳ほどのマスターベッドルームがあり、どでかいベッドとゆったり座れる長ソファ、こちらにも液晶テレビがある。

 隣接しているウォークインクローゼットはお店みたいになっていて、スーツや私服、小物などが整頓されて並んでいた。

 その向かいにもう一つのトイレ、そして洗面ボウルが二つある大理石の洗面台、洗濯機に脱衣所、奥に広いバスルームがあった。

「これで全部。質問は?」

「……一人で寂しくないです?」

 心から疑問に思って言ったけれど、嫌そうな顔をされて終わってしまった。

 そのあと、ポンと頭に手を乗せられる。

「これからお前と住むんだろ」

「…………はい!」

 そう言われては、顔のにやつきを止める事ができなかった。
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