79 / 294
78話 空の……(1)
しおりを挟む
「セディから聞いてはいたけどさ……ほんと、よく食うね」
その後、予定通り昼食を共にするレオン様とルーイ先生。俺は給仕をしながらその様子を見守っていた。おふたりは、ぽつぽつと雑談をしながら料理を口に運んでいる。先生はレオン様の食べっぷりを実際に目の当たりにして、驚きを隠せないようだ。大量に用意していたサンドウィッチは、もう半分近く無くなっている。その大半はレオン様が食された。毎度の事ながら、その体のどこに入っていくのだろうと不思議になる。
「レオンって結構豪放だよね。そんないかにもお上品ですって感じのなりしてるくせに」
「すみません、不快でしたか?」
「いんや、ちょっと驚いただけだよ。俺も堅苦しいのは嫌いだから、むしろ歓迎。育ち盛りのお子様は、食べれる時に好きなだけ食べたらいいさ」
決してレオン様のマナーが悪いとか、食べ方が汚いとかではない。けれど、サンドウィッチを手掴みで大口を開けて頬張る主の姿は、食べる量の多さも輪をかけてインパクトがある。もし店内に客がいたら、おふたりが座っているテーブルは注目の的だっただろうな。
「それで、俺に話って何? 言っとくけど、クレハの惚気なら聞かねーぞ」
ご自身とクレハ様の関係を突かれるのは、本当にうんざりしてるんだな。先生は先手を打った。
「違いますよ、至って真面目な話です。セドリックも一緒に聞いておいてくれるか?」
「はい」
レオン様は俺にも会話に参加するよう命じると、懐に手を差し入れた。そこから取り出されたのは、折り畳まれたハンカチだ。それを手の平に乗せ、慎重に開いていく。
「これについて……先生にご意見を賜りたく存じます」
「何だこりゃ」
「蝶ですね……」
蝶の形に切り取られた薄くて白い紙。これだけでは何がなんだかさっぱりだけれど、レオン様は蝶の詳細を語り出した。
「クレハの警護に就かせた部下が発見しました。今でこそただの紙切れですが、発見当時は黄色の光を纏いながら、まるで本物の蝶のように空中を浮遊していたそうです。王宮内で見つかったのはこの1匹だけで、具体的に何かあったという事は無いのですが、少々不気味でして……先生なら正体をご存知ではないかと」
「ふーん……ちょっと見せて」
「どうぞ」
先生は蝶を受け取ると、それを指で摘み上げ自身の目の高さまで持っていく。至近距離で凝視しながらひっくり返したり、質感を確かめるように指で擦ったりしている。
「ちなみにレオン君の見解は?」
「俺が最初に思ったのは、クレハの魔法です。蝶がいたのも彼女の近くだったので。しかし、本人に直接確認しましたところ、あっさりと否定されてしまいました。それに……光の色が違う」
「今のあいつなら、この蝶を浮かせるくらい簡単だろうね。でも、クレハの魔力光は白……蝶が黄色く発光していたのならクレハの力ではないな。あっ! 見せてやれなくて残念だけど、俺は緑色だよ」
ディセンシア家の人間はメーアレクト様から力を受け継いでいる。そこは同じなのに、発する光の色は個々に違う。レオン様が雷や水を扱うのに長けているのに対して、クレハ様は風を操る……そんな所にも個人差が出るのは面白い。
「そして、次に関係あるのではと思ったのは、ルーイ先生……あなたです」
「えぇっ!? 俺?」
「先生というか、先生のお知り合いの方ではないかと。あなたの上司だという神が王宮に現れたのは、10日ほど前のことです。警戒するのは当然でしょう?」
「……絶対に無いとは言い切れんけど、可能性は低いよ。お上はそこまでアクティブじゃない。それに、何か事を起こすなら、真っ先に俺のとこだろう」
先生は悲愴感の漂う暗い顔で俯いた。上司って何だ……まだ上がいるのか。しかし、先生の表情からして、手放しで歓迎できる方ではないようだ。後でレオン様から詳しく聞こう。
「最後に、クレハや神々の仕業でないのなら……後は」
「外部の……他国の人間によるものですね」
「そう。俺が知る限り、うちの血縁で紙の蝶を空中で自在に操るような力を保持しているのは、クレハだけだからな。そうなると、外から来た人間の関与を疑わざるを得ない」
指先で蝶をいじりながら、先生は話を聞いている。レオン様は、この不思議な蝶の正体を明らかにする為に、先生を訪ねて来られたのだな。
「どうでしょうか、ルーイ先生。色々な可能性を考えてはみたのですが、俺の乏しい知識では答えを導き出すに至っていません。先生のお力を拝借したいのです。その蝶の出どころ……俺に教えて頂けませんか?」
「そうねぇ……残念だけど、今の俺には蝶の持ち主を特定することは難しいね」
先生は蝶をレオン様に返すと、ティーカップに手を伸ばした。カップの中の紅茶を一口啜る。
「でも、ある程度当たりをつけてやる事はできる。お前達には世話になってるし……ひとつ協力してやろうじゃないか」
『先生らしくな』と彼はにこやかに微笑んだ。そして、カップを持っている手とは反対側の手で、天井付近にある明り取りの窓を指差した。
「まず、その蝶だけどさ……それ紙じゃないよ。『フラウム』っていう木の葉っぱだ。光に翳して透かしてみな。薄く葉脈が見えるはずだ」
レオン様は弾かれたように、手元の蝶を天井に向けた。俺も側に駆け寄り、一緒に下から覗き込む。すると、蝶の表面に網目状に張り巡った、いくつもの筋が確認できた。
「全く気付かなかった……ただの白い紙だとばかり」
「元の葉は可愛いハート形で、大人の手の平くらいのサイズなんだけどね。お前達が分からないのも無理ないよ。コスタビューテに『フラウム』はないしね。この木があるのは、世界に一か所だけだ」
「一か所……どこなんですか? それは……」
「ニュアージュの『ジェナシティ』だよ」
「ニュアージュって……」
「メーアレクト様と同じ……三神がひとり、天空の支配者『シエルレクト』が住まう土地ですね」
レオン様はやはりというか、どこか納得したような顔で呟いた。
その後、予定通り昼食を共にするレオン様とルーイ先生。俺は給仕をしながらその様子を見守っていた。おふたりは、ぽつぽつと雑談をしながら料理を口に運んでいる。先生はレオン様の食べっぷりを実際に目の当たりにして、驚きを隠せないようだ。大量に用意していたサンドウィッチは、もう半分近く無くなっている。その大半はレオン様が食された。毎度の事ながら、その体のどこに入っていくのだろうと不思議になる。
「レオンって結構豪放だよね。そんないかにもお上品ですって感じのなりしてるくせに」
「すみません、不快でしたか?」
「いんや、ちょっと驚いただけだよ。俺も堅苦しいのは嫌いだから、むしろ歓迎。育ち盛りのお子様は、食べれる時に好きなだけ食べたらいいさ」
決してレオン様のマナーが悪いとか、食べ方が汚いとかではない。けれど、サンドウィッチを手掴みで大口を開けて頬張る主の姿は、食べる量の多さも輪をかけてインパクトがある。もし店内に客がいたら、おふたりが座っているテーブルは注目の的だっただろうな。
「それで、俺に話って何? 言っとくけど、クレハの惚気なら聞かねーぞ」
ご自身とクレハ様の関係を突かれるのは、本当にうんざりしてるんだな。先生は先手を打った。
「違いますよ、至って真面目な話です。セドリックも一緒に聞いておいてくれるか?」
「はい」
レオン様は俺にも会話に参加するよう命じると、懐に手を差し入れた。そこから取り出されたのは、折り畳まれたハンカチだ。それを手の平に乗せ、慎重に開いていく。
「これについて……先生にご意見を賜りたく存じます」
「何だこりゃ」
「蝶ですね……」
蝶の形に切り取られた薄くて白い紙。これだけでは何がなんだかさっぱりだけれど、レオン様は蝶の詳細を語り出した。
「クレハの警護に就かせた部下が発見しました。今でこそただの紙切れですが、発見当時は黄色の光を纏いながら、まるで本物の蝶のように空中を浮遊していたそうです。王宮内で見つかったのはこの1匹だけで、具体的に何かあったという事は無いのですが、少々不気味でして……先生なら正体をご存知ではないかと」
「ふーん……ちょっと見せて」
「どうぞ」
先生は蝶を受け取ると、それを指で摘み上げ自身の目の高さまで持っていく。至近距離で凝視しながらひっくり返したり、質感を確かめるように指で擦ったりしている。
「ちなみにレオン君の見解は?」
「俺が最初に思ったのは、クレハの魔法です。蝶がいたのも彼女の近くだったので。しかし、本人に直接確認しましたところ、あっさりと否定されてしまいました。それに……光の色が違う」
「今のあいつなら、この蝶を浮かせるくらい簡単だろうね。でも、クレハの魔力光は白……蝶が黄色く発光していたのならクレハの力ではないな。あっ! 見せてやれなくて残念だけど、俺は緑色だよ」
ディセンシア家の人間はメーアレクト様から力を受け継いでいる。そこは同じなのに、発する光の色は個々に違う。レオン様が雷や水を扱うのに長けているのに対して、クレハ様は風を操る……そんな所にも個人差が出るのは面白い。
「そして、次に関係あるのではと思ったのは、ルーイ先生……あなたです」
「えぇっ!? 俺?」
「先生というか、先生のお知り合いの方ではないかと。あなたの上司だという神が王宮に現れたのは、10日ほど前のことです。警戒するのは当然でしょう?」
「……絶対に無いとは言い切れんけど、可能性は低いよ。お上はそこまでアクティブじゃない。それに、何か事を起こすなら、真っ先に俺のとこだろう」
先生は悲愴感の漂う暗い顔で俯いた。上司って何だ……まだ上がいるのか。しかし、先生の表情からして、手放しで歓迎できる方ではないようだ。後でレオン様から詳しく聞こう。
「最後に、クレハや神々の仕業でないのなら……後は」
「外部の……他国の人間によるものですね」
「そう。俺が知る限り、うちの血縁で紙の蝶を空中で自在に操るような力を保持しているのは、クレハだけだからな。そうなると、外から来た人間の関与を疑わざるを得ない」
指先で蝶をいじりながら、先生は話を聞いている。レオン様は、この不思議な蝶の正体を明らかにする為に、先生を訪ねて来られたのだな。
「どうでしょうか、ルーイ先生。色々な可能性を考えてはみたのですが、俺の乏しい知識では答えを導き出すに至っていません。先生のお力を拝借したいのです。その蝶の出どころ……俺に教えて頂けませんか?」
「そうねぇ……残念だけど、今の俺には蝶の持ち主を特定することは難しいね」
先生は蝶をレオン様に返すと、ティーカップに手を伸ばした。カップの中の紅茶を一口啜る。
「でも、ある程度当たりをつけてやる事はできる。お前達には世話になってるし……ひとつ協力してやろうじゃないか」
『先生らしくな』と彼はにこやかに微笑んだ。そして、カップを持っている手とは反対側の手で、天井付近にある明り取りの窓を指差した。
「まず、その蝶だけどさ……それ紙じゃないよ。『フラウム』っていう木の葉っぱだ。光に翳して透かしてみな。薄く葉脈が見えるはずだ」
レオン様は弾かれたように、手元の蝶を天井に向けた。俺も側に駆け寄り、一緒に下から覗き込む。すると、蝶の表面に網目状に張り巡った、いくつもの筋が確認できた。
「全く気付かなかった……ただの白い紙だとばかり」
「元の葉は可愛いハート形で、大人の手の平くらいのサイズなんだけどね。お前達が分からないのも無理ないよ。コスタビューテに『フラウム』はないしね。この木があるのは、世界に一か所だけだ」
「一か所……どこなんですか? それは……」
「ニュアージュの『ジェナシティ』だよ」
「ニュアージュって……」
「メーアレクト様と同じ……三神がひとり、天空の支配者『シエルレクト』が住まう土地ですね」
レオン様はやはりというか、どこか納得したような顔で呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
お転婆令嬢は、大好きな騎士様に本性を隠し通す
湊一桜
恋愛
侯爵令嬢クロエは、二度も婚約破棄をされた。彼女の男勝りで豪快な性格のせいである。
それに懲りたクロエは、普段は令嬢らしく振る舞い、夜には”白薔薇”という偽名のもと大暴れして、憂さ晴らしをしていた。
そんな彼女のもとに、兄が一人の騎士を連れてきた。
彼の名はルーク、別名”孤高の黒薔薇”。その冷たい振る舞いからそう呼ばれている。
だが実は、彼は女性が苦手であり、女性に話しかけられるとフリーズするため勘違いされていたのだ。
兄は、クロエとルークのこじらせっぷりに辟易し、二人に”恋愛の特訓”を持ちかける。
特訓を重ねるうちに、二人の距離は少しずつ近付いていく。だがクロエは、ルークに”好きな人”がいることを知ってしまった……
恋愛なんてこりごりなのに、恋をしてしまったお転婆令嬢と、実は優しくて一途な騎士が、思い悩んで幸せになっていくお話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】断頭台で処刑された悪役王妃の生き直し
有栖多于佳
恋愛
近代ヨーロッパの、ようなある大陸のある帝国王女の物語。
30才で断頭台にかけられた王妃が、次の瞬間3才の自分に戻った。
1度目の世界では盲目的に母を立派な女帝だと思っていたが、よくよく思い起こせば、兄妹間で格差をつけて、お気に入りの子だけ依怙贔屓する毒親だと気づいた。
だいたい帝国は男子継承と決まっていたのをねじ曲げて強欲にも女帝になり、初恋の父との恋も成就させた結果、継承戦争起こし帝国は二つに割ってしまう。王配になった父は人の良いだけで頼りなく、全く人を見る目のないので軍の幹部に登用した者は役に立たない。
そんな両親と早い段階で決別し今度こそ幸せな人生を過ごすのだと、決意を胸に生き直すマリアンナ。
史実に良く似た出来事もあるかもしれませんが、この物語はフィクションです。
世界史の人物と同名が出てきますが、別人です。
全くのフィクションですので、歴史考察はありません。
*あくまでも異世界ヒューマンドラマであり、恋愛あり、残業ありの娯楽小説です。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる