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12話
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「団長、お呼びでしょうか?」
トントンと扉にノックがあり、顔を覗かせたのは綺麗な女性だった。
「非番の所悪いな、新しく秘書で入ってもらう…」
「ミナミです…」
「ミナミだ。が、仕事をするのに服などが無いから当面の物を揃えたいが、俺だけだと入りづらい店も出てくるからな…手当ては払うから、今日1日付き合ってくれ」
「安くありませんよ?」
ふたりのやり取りを静かに聞いていたが、その綺麗な女性と目が合うとツカツカと部屋の中に入ってくる。
「団長、何やってるのまだ未成年じゃないの!それにこの格好!!」
「え、あの…」
じろりと頭のてっぺんから爪先までを見られて、美南は縮こまる。
こんな美人に見られたくない。
「あの、未成年は、何歳ですか?」
「16よ」
「私……23……です」
「「はぁ!?」」
あっちからもこっちからも同じように言葉が聞こえた。
「嘘でしょ!?じゃあ、何でこんなに肌艶がいいのよ!」
「良かった……未成年を抱いたのかと……」
「なっ、団長!それはどういうこと!?私に誰の世話をさせるのよ!」
掴みかからんばかりに激高した女性は腰に手を当ててぎゃいぎゃい叫ぶ。
「悪かった悪かった……ただ、こんなことを頼めるのがお前しかいなくてな……」
「そりゃあ、そうでしょうよ!騎士団長が未成年と致したなんて、醜聞だわ!
で、ミナミ合意だったの!?無理矢理だとは思いたくはないわ!」
「あ、はい……」
たぶん……と、言う言葉は飲み込んだ。
「じゃあ、しかたないわね……兄さん、責任は取りなさいよ!」
「えっ!?」
「だから、嫁に来てくれと言ったのだが……断られた」
拗ねた顔をしたベルゴッドに、女性は呆れ顔。
それより何より聞こえた単語に首を傾げた。
「兄さん?」
「えぇ、そうよ……私は騎士団長の妹で小隊長のシルヴィアよ?」
「似てない……」
「良く言われるわ」
団長は、ワイルド系なのにシルヴィアは見た目は儚げな女性なのだ。
だが、小隊長をしているくらいだから気は強いのだろう。
ふたりの顔を交互に見ながら美南は苦笑を浮かべたのだった。
トントンと扉にノックがあり、顔を覗かせたのは綺麗な女性だった。
「非番の所悪いな、新しく秘書で入ってもらう…」
「ミナミです…」
「ミナミだ。が、仕事をするのに服などが無いから当面の物を揃えたいが、俺だけだと入りづらい店も出てくるからな…手当ては払うから、今日1日付き合ってくれ」
「安くありませんよ?」
ふたりのやり取りを静かに聞いていたが、その綺麗な女性と目が合うとツカツカと部屋の中に入ってくる。
「団長、何やってるのまだ未成年じゃないの!それにこの格好!!」
「え、あの…」
じろりと頭のてっぺんから爪先までを見られて、美南は縮こまる。
こんな美人に見られたくない。
「あの、未成年は、何歳ですか?」
「16よ」
「私……23……です」
「「はぁ!?」」
あっちからもこっちからも同じように言葉が聞こえた。
「嘘でしょ!?じゃあ、何でこんなに肌艶がいいのよ!」
「良かった……未成年を抱いたのかと……」
「なっ、団長!それはどういうこと!?私に誰の世話をさせるのよ!」
掴みかからんばかりに激高した女性は腰に手を当ててぎゃいぎゃい叫ぶ。
「悪かった悪かった……ただ、こんなことを頼めるのがお前しかいなくてな……」
「そりゃあ、そうでしょうよ!騎士団長が未成年と致したなんて、醜聞だわ!
で、ミナミ合意だったの!?無理矢理だとは思いたくはないわ!」
「あ、はい……」
たぶん……と、言う言葉は飲み込んだ。
「じゃあ、しかたないわね……兄さん、責任は取りなさいよ!」
「えっ!?」
「だから、嫁に来てくれと言ったのだが……断られた」
拗ねた顔をしたベルゴッドに、女性は呆れ顔。
それより何より聞こえた単語に首を傾げた。
「兄さん?」
「えぇ、そうよ……私は騎士団長の妹で小隊長のシルヴィアよ?」
「似てない……」
「良く言われるわ」
団長は、ワイルド系なのにシルヴィアは見た目は儚げな女性なのだ。
だが、小隊長をしているくらいだから気は強いのだろう。
ふたりの顔を交互に見ながら美南は苦笑を浮かべたのだった。
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