【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

314話

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「じゃあ行ってきます」

玄関先でチュッとレヴィにキスをすると、リルに軽々と抱き上げられた。
お財布とか色々持ったから大丈夫かな。
リルを見上げると、リルにもキスをされる。

「さ、行くぞ?」

リルが玄関を出て、ゆったりした早さで歩いていく。
それでも、流れる景色が早いのはいつも俺に合わせて歩いてくれているのか、足の長さなのだろう。
どちらも俺に気をつかってくれているのだ。

「ギルド、混んでないといいね」
「そうだな、混んでたら長くリクトとデートができる」

そう言って笑ったリル。

「疲れたら歩くからね?」

その為に靴を履いている足をぷらぷらと揺らす。

「おう、そのときは頼むな?」

お姫様抱っこなんて、されるのは滅茶苦茶恥ずかしいけれど、リルもレヴィもこうして俺を運ぶのが嬉しいらしい。
肉食獸は元々が執着が強いらしく四六時中一緒にいたいらしい。

それは、なんとなくわかる。
俺にも執着心あるから。

「リル、果物美味しそうだね。帰りに買っていこうか」

山に積まれたオレンジや、リンゴ。
たまにはフルーツも食べたいと思う。
何となくデザートにフルーツは出していなかったなと思って提案した。

「酸っぱいのはあんまり好きじゃねぇんだよ」
「うん。リンゴのコンポート作ってアップルパイとかカスタードに角切りしたのを混ぜてクリームパンとか……時間があったらパンの手作りとかしたいなぁ」
「リクトは本当に何でもできるんだな。楽しみにしてる」

なんて会話をしながら暫くすると、ギルドが見えてきた。

「そういえば、あの花を卸すって言ってたけど……」
「あぁ、俺らが持っていても仕方ないし必要にしているところに譲ってやるのが一番だろ?」

ギルドの扉を入ると、空いている椅子に俺を下ろすと受付に向かう。
チラチラとこちらを見てくる獸人達。
それに居心地の悪さを感じながら俺は静かに待っていた。
冒険者ギルドの為か、居る獸人は肉食獸ばかりなのだ。

「悪いリクト、待たせた。ケツァルコアトルの件もあるからちょっと一緒に来てくれ」

リルに抱き上げられてホッとすると、俺はギュッとリルに抱き付く。
きっと、リルに抱かれて来た俺を珍しくて見ていたのだろう。
居心地が悪い思いをしながら俺は周囲から視線を背けてリルに抱かれて別の部屋に行くのだった。
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