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閑話6・夏のバイト-15-
しおりを挟む「さ、産婆さん・・・赤ちゃんは・・・」
フォンリヒテル家では一人の赤子が産声を上げていた。
「元気な男の子ですよ、奥様」
レオルナードもだが産まれたばかりの坊ちゃんもレイモンドが赤ん坊だった頃にそっくりだと、昔にレイモンドを取り上げた産婆が、疲れ切っているが元気な声で泣いているのが聞こえて嬉しそうな笑みを浮かべながらベッドに身体を横たえている母親に告げる。
「あ、赤ちゃん・・・赤ちゃんを・・・私に・・・」
一刻も早く赤ん坊に会いたいという紗雪の思いを汲んだ産婆さんが赤子を母親に渡す。
「初めまして、赤ちゃん・・・」
やっと、あなたに会えた・・・
夫と同じ色の髪を持って産まれた赤子が、自力で見つけた己の乳を含んでいる姿に、力強さと小さな命の温もりを感じている紗雪は幸せに包まれていた。
※もし茉莉花が生きていてエドワードと一緒になって子供が出来たとしても彼女は産まれたばかりの赤ちゃんを見てこういいます。
『何!?この皺くちゃな物体!?気持ち悪っ!猿やエイリアンじゃないの!!!』
で、自分は何もしないで乳母に任せっきり。自分を着飾ったり贅沢したり男と楽しむ事にのみ全力を注ぎます。
紗雪の子供達と比べたら茉莉花が産んだ子供は顔面偏差値も低けりゃ性格も悪い。しかも何の努力もしないし、王族として学ぶべきものは何も学ばない。放蕩三昧の日々を送る。
近づいて来る女は男爵令嬢とかで彼女達は王子に惚れたではなく地位と金が目当てというね。
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