413 / 469
第四章 新天地
398話 防衛網の先に
しおりを挟む
「目的地まで私が手綱を握ります。お客様は私に捕まって頂ければ……」
「そんなの危険すぎますよ、道中には魔物もいて、その先には何があるか」
そう、危険すぎる。世界が恐怖する存在、魔王が待ち構えているはずなのだから。
「前に、ファーマを助けて頂いた彼女を助けに行かれるのですよね? でしたら尚更、私にも行かせてください。あの時のお詫び……この機会を逃したら出来そうにありませんから」
そうか、この人はあの時の事を気にして……。
だからと言って、流石に連れて行ってもらう訳には──。
「お願いします、送らせてください! 息子の憧れである貴方達に協力出来をしたいのです。それに、怯えて手をこまねいているだけでは、カドモス様にも顔向けができません……」
彼は悔しそうに、今は亡きカドモスさんを見つめる。
血が滲む程強く握られた手からは、強い意思が見てとれた。
「……言っても聞いてくれそうにないですね? 分かりました、お願いします。でも、何かあったら俺を下ろして直ぐに逃げてください。貴方が居ないと、ファーマが悲しみます」
息子の名前を出すと彼は何処か遠い目をし、手の力は緩む。
血が繋がっていないとは言え親子と言う事だ、心配なのだろう。
「……ファーマ、あの子が無事だといいのですが」
やっぱり……。
「大丈夫ですよ、来る途中で大陸外に脱出つしたと聞いてます。きっと無事ですよ」
「──そうですか! よかった……本当に無事でよかった」
どうやら安心させることが出来たらしい。
俺もいい加減、トゥナを助けないとな……皆が首を長くして待ってる!
「では、行きましょうか。後、今は客じゃ無いのでカナデって読んでもらえば」
「はい、行きましょうカナデさん!」
俺達は聖母様に挨拶を済ませ、馬のいる厩舎へと向かった──。
◇ ◇
「──カナデさん乗れましたか? では、しっかり捕まって下さい」
「はい、それではお願いします」
ムチを打つ音と共に、俺達がまたがった馬は甲高い声を上げ教会の庭を駆け出した。
人が見当たらない中央の通りを抜け、真っ直ぐと出口に向かい突っ走る。
「──そりゃさっきの今だ、まだ塞がれてるよな……」
今だ、出入り口では生きる為の攻防が繰り広げている。
通り道の魔物だけでも蹴散らさねば、外に出ることも叶わない……。
ここで魔力を使うのは勿体ない気もするが今は急ぎ。仕方がない、後の事は未来の俺に考えさせようか──!
「ミコ、行くぞ! 逆丁子を使う!」
『分かったカナ! とびっきり大きなのをおみまいすシ‼』
いや、あまり大きいのは止めてくれ。灯心の中でも、コイツは格段に燃費が悪い……。
収束して刃の様に放つ直線範囲、高威力の直刃。
それに対し威力は落ちてしまうものの、さらに広範囲で複数の相手に放つ──それが逆丁子だ。
「馬が通る──道を開けてくれ!!」
俺は大声で、マーカス率いる防衛組に大声で指示を出した。
「勇者様が通るぞ、道を作れ!!」
盾をもった騎士を最前線に、皆がスクラムを組む様に通路を押し広げていく。
なんとあれだけ巨大な魔物相手達に、強引にだ‼
「今だ──灯心、逆丁子!!」
彼等の奮起により、出入り口に馬が通れるほどの隙間が出来る。
鞘から抜かれ、前方に向けられた無銘から幅の狭い扇状に光が放たれた──。
光は複数の魔物を包み、飲み込まれた魔物は体を焦がし、目を押さえ悶絶する。
「このまま突破を──!」
俺達を乗せた馬は防衛網の先に進み、のたうち回る魔物達の間を抜け、フィーデスの外へと走り去っていくのだった……。
「そんなの危険すぎますよ、道中には魔物もいて、その先には何があるか」
そう、危険すぎる。世界が恐怖する存在、魔王が待ち構えているはずなのだから。
「前に、ファーマを助けて頂いた彼女を助けに行かれるのですよね? でしたら尚更、私にも行かせてください。あの時のお詫び……この機会を逃したら出来そうにありませんから」
そうか、この人はあの時の事を気にして……。
だからと言って、流石に連れて行ってもらう訳には──。
「お願いします、送らせてください! 息子の憧れである貴方達に協力出来をしたいのです。それに、怯えて手をこまねいているだけでは、カドモス様にも顔向けができません……」
彼は悔しそうに、今は亡きカドモスさんを見つめる。
血が滲む程強く握られた手からは、強い意思が見てとれた。
「……言っても聞いてくれそうにないですね? 分かりました、お願いします。でも、何かあったら俺を下ろして直ぐに逃げてください。貴方が居ないと、ファーマが悲しみます」
息子の名前を出すと彼は何処か遠い目をし、手の力は緩む。
血が繋がっていないとは言え親子と言う事だ、心配なのだろう。
「……ファーマ、あの子が無事だといいのですが」
やっぱり……。
「大丈夫ですよ、来る途中で大陸外に脱出つしたと聞いてます。きっと無事ですよ」
「──そうですか! よかった……本当に無事でよかった」
どうやら安心させることが出来たらしい。
俺もいい加減、トゥナを助けないとな……皆が首を長くして待ってる!
「では、行きましょうか。後、今は客じゃ無いのでカナデって読んでもらえば」
「はい、行きましょうカナデさん!」
俺達は聖母様に挨拶を済ませ、馬のいる厩舎へと向かった──。
◇ ◇
「──カナデさん乗れましたか? では、しっかり捕まって下さい」
「はい、それではお願いします」
ムチを打つ音と共に、俺達がまたがった馬は甲高い声を上げ教会の庭を駆け出した。
人が見当たらない中央の通りを抜け、真っ直ぐと出口に向かい突っ走る。
「──そりゃさっきの今だ、まだ塞がれてるよな……」
今だ、出入り口では生きる為の攻防が繰り広げている。
通り道の魔物だけでも蹴散らさねば、外に出ることも叶わない……。
ここで魔力を使うのは勿体ない気もするが今は急ぎ。仕方がない、後の事は未来の俺に考えさせようか──!
「ミコ、行くぞ! 逆丁子を使う!」
『分かったカナ! とびっきり大きなのをおみまいすシ‼』
いや、あまり大きいのは止めてくれ。灯心の中でも、コイツは格段に燃費が悪い……。
収束して刃の様に放つ直線範囲、高威力の直刃。
それに対し威力は落ちてしまうものの、さらに広範囲で複数の相手に放つ──それが逆丁子だ。
「馬が通る──道を開けてくれ!!」
俺は大声で、マーカス率いる防衛組に大声で指示を出した。
「勇者様が通るぞ、道を作れ!!」
盾をもった騎士を最前線に、皆がスクラムを組む様に通路を押し広げていく。
なんとあれだけ巨大な魔物相手達に、強引にだ‼
「今だ──灯心、逆丁子!!」
彼等の奮起により、出入り口に馬が通れるほどの隙間が出来る。
鞘から抜かれ、前方に向けられた無銘から幅の狭い扇状に光が放たれた──。
光は複数の魔物を包み、飲み込まれた魔物は体を焦がし、目を押さえ悶絶する。
「このまま突破を──!」
俺達を乗せた馬は防衛網の先に進み、のたうち回る魔物達の間を抜け、フィーデスの外へと走り去っていくのだった……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる