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91 日向の電探射撃
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「敵艦に命中二を確認!」
見張り員の歓喜の声が、日向夜戦艦橋に響く。
陸奥の後方を進んでいる第二戦隊第一小隊は、敵二番艦に対して砲撃を繰り返していた。
陸奥と同じように敵艦が針路を固定するまでは空振りを繰り返していたが、伊勢は第七射にて、日向は第六射にて命中弾を出していた。
日向には海軍技術研究所の技術者が乗り込んで電探の整備・操作に当たっており、松田千秋艦長は彼らに電探による測距を命じていたのである。
試み程度のものではあるが、電探を援用した射撃を行おうとしたわけである。
戦後は発明家として数々の特許を取得することになる松田らしい、柔軟な発想であった。彼は日向乗組の海軍技研の技術者たちから、距離に比例して測距精度が落ちる光学照準に比べ、電探は距離によって探知精度が変わらないことを知らされていた。
ならば、光学照準の補助として使えることに気付いたのである。
その結果かどうかは判らないが、日向は伊勢よりも先に命中弾を叩き出すことに成功していた。
そして第七射から十門すべてによる斉射を実施し、先ほどの第八射までに五発の命中弾を得ていた。
伊勢は第七射で一発、第八射で二発の命中弾を得ていたから、これで敵二番艦には八発の三十六センチ砲弾が命中したことになる。
「敵艦、なおも発砲!」
「やはり、伊勢型では限界があるか……」
その報告に、松田は溜息交じりに呟いた。
帝国海軍の想定では、六発から八発の命中で敵艦の戦闘力を喪失させられ、十二発から十六発の命中で航行不能ないし撃沈に追い込めるとしていた。
しかし、それはこちらの砲弾の威力が相手の装甲を貫通出来る限りにおいてである。
敵新鋭戦艦は十六インチ砲搭載艦。当然、防御も対十六インチを想定しているだろう。三十六センチ砲搭載艦である伊勢型には、いささか荷が重い相手である。
近藤中将率いる第四戦隊が敵戦艦の直衛艦の妨害を突破して、上手く魚雷を命中させてくれることを祈るしかない。
ほどなくして、伊勢の周囲に弾着があった。
未だ敵二番艦からの命中弾はなかったが、一発でも命中すれば大損害は免れないだろう。伊勢型は所詮、三十六センチ砲搭載戦艦でしかないのだ。
「第九射、射撃用意よし!」
「てっー!」
砲術長・安藤憲栄中佐の号令を聞きながら、松田は伊勢が無事な内に第四戦隊による雷撃が成功することを祈らざるを得なかった。
見張り員の歓喜の声が、日向夜戦艦橋に響く。
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陸奥と同じように敵艦が針路を固定するまでは空振りを繰り返していたが、伊勢は第七射にて、日向は第六射にて命中弾を出していた。
日向には海軍技術研究所の技術者が乗り込んで電探の整備・操作に当たっており、松田千秋艦長は彼らに電探による測距を命じていたのである。
試み程度のものではあるが、電探を援用した射撃を行おうとしたわけである。
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ならば、光学照準の補助として使えることに気付いたのである。
その結果かどうかは判らないが、日向は伊勢よりも先に命中弾を叩き出すことに成功していた。
そして第七射から十門すべてによる斉射を実施し、先ほどの第八射までに五発の命中弾を得ていた。
伊勢は第七射で一発、第八射で二発の命中弾を得ていたから、これで敵二番艦には八発の三十六センチ砲弾が命中したことになる。
「敵艦、なおも発砲!」
「やはり、伊勢型では限界があるか……」
その報告に、松田は溜息交じりに呟いた。
帝国海軍の想定では、六発から八発の命中で敵艦の戦闘力を喪失させられ、十二発から十六発の命中で航行不能ないし撃沈に追い込めるとしていた。
しかし、それはこちらの砲弾の威力が相手の装甲を貫通出来る限りにおいてである。
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近藤中将率いる第四戦隊が敵戦艦の直衛艦の妨害を突破して、上手く魚雷を命中させてくれることを祈るしかない。
ほどなくして、伊勢の周囲に弾着があった。
未だ敵二番艦からの命中弾はなかったが、一発でも命中すれば大損害は免れないだろう。伊勢型は所詮、三十六センチ砲搭載戦艦でしかないのだ。
「第九射、射撃用意よし!」
「てっー!」
砲術長・安藤憲栄中佐の号令を聞きながら、松田は伊勢が無事な内に第四戦隊による雷撃が成功することを祈らざるを得なかった。
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