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二章

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恥ずかしくて頭が熱くて、くらくらして、目が回る。
「やっ、ぁッ……あああああっ!」
 ぢゅう、と溢れた蜜液を舐め取られて、すいあげられて。
意図せぬ愛悦に少女の体がはねる。
腰がびくりびくりと動いて、でもしっかりと太ももを抑えられているから動くことは出来ない。
肩から上だけがぐねぐねと動いた。
「あっ、あっ、………やだ、やだぁっ………!」
「んっ………嫌、じゃない。少なくともきみのここは悦んでる。ほら、こんなに溢れて」
「そっ………そういうことば、いうの、っぁ、も、や、ぁああッひ………~~~~~~ッ。あっ、あっ、やだ、やめ、はなっ………んッ………ッッ………!!」
 ちょん、と彼が舌を尖らせて、蜜部の上にある神経の塊を舐める。
ミレイユはその刺激に甘い悲鳴を上げて、腰を跳ねさせた。
泣きたいくらいに気持ちが良い。
しかしその快楽を恐れてミレイユはシーツを蹴って彼の愛撫から逃れようとする。
「……だめだよ」
ルロークレは彼女の腰をしっかりとつかんで、引き寄せた。
ミレイユの泣き声は甘く、強請るようだ。
彼女の好む場所を舌でくるくると弄ぶと、ルロークレが顔を上げる。
涙でぼやけた視界の中、彼と目が合って、ミレイユはたまらなく恥ずかしくなる。
 ミレイユと目が合うと、ルロークレは彼女の太ももに口付けを落とす。
そして、口を開けて。
「あっ………やっ……痛………っ」
「んっ………は、もし。僕が吸血鬼だったのなら、きっときみの血を全部飲んでいたと、そう思うよ」
 彼の指先が中に入りこみ、確かめるように指を動かす。
中を動く指の感覚をありありと感じて、腰が逃げる。
ルロークレは噛み付いたミレイユの太ももを舐めては吸って、を繰り返していたが、やがてまた太ももの合間に顔を埋めた。
 信じられない。そう思って咄嗟に止めさせようとして身体を起こす。
いや、起こしかけた。
だけど、その時、ぢゅぅぅっと快楽に弱い芽をひといきに吸われて声もなく達した。
「────ーッ……!」
「ん、ふ、………」
「っ、あ、やっ……ぁあ、あっ…………ぁ」
 頭がチカチカする。
すぎた快楽のせいで、体に上手く力が入らない。
ずっと体に甘い痺れが走っていて、とろんとしてしまう。
だめだ。だめなのに。
ヴィルヘルムの舌がそれに絡みつき、ちゅう、と吸われる度に腰が抜ける。
何とか彼の頭に触れたはいいが、力がぜんぜん入らない。
そのせいで、彼の髪にただ触れているだけになる。
 やだやだとうわ言のように言いつつ、快楽に溺れるミレイユはどうしようもなく女なのだろう。
止めることの出来ない悦楽に翻弄させるさまは、あまりにも動物的で、本能的だ。
「う、ぅあっ………ぁ、や、ぁアッ!」
「は、暑い、な。汗が………」
 言いながら、ヴィルヘルムは顔を上げて、ミレイユの服をひといきに脱がせてしまった。彼の指がなかに入り込み、ぐにゅぐにゅと中を翻弄する。
腰が内側から溶けてしまいそうな快楽にミレイユは彼の肩を押す。
 しかし、それはとても弱いものになってしまった。
「あっ、ァ、はっ………ァあ! あ、あ」
 もはや"あ"しか言えないミレイユの服を脱がせると、下着も取り払い、ヴィルヘルムはミレイユの胸元に口付ける
ちゅ、ちゅ、という可愛らしい口付けはやがてぢゅう、という強い音となり、その感覚でまた体が揺れる。
 生理的な涙がボロボロと零れて、ミレイユはヴィルヘルムに縋るしかなかった。
嵐のような快楽に、悦楽に、頭がとけていく。
「………ぁッ! ……っ!?」
 その時、覚えのある、じくじくとした快楽を感じて思わず腰がはねる。
それを見て、ルロークレが胸元に舌をはわせながら言った。
「ここだね。ここが、きみの良いところ?」
「や、ぁンッ! やぁっ! やっ………ぁあああッ、ぁっ………はぁっ、ふッ……――ッ!」
「すごい。……わかる? こんなに絡みついて、僕の指に………ほら、熱いよ。ミレイユのなかは。ああ、ミレイユ、なんだっけ今は。どちらでも構わない。僕にとって大切なのは、きみが、きみであることだけだ。ね、聞こえてる……?」
「やっ、指、とめなッ………や、ぁ、ぁ、あああああッ…………!」
 重点的にそこを擦られて、内側から押し上げられて、咄嗟にルロークレに縋りながらもミレイユは達してしまった。
達したあとに呼吸が荒くなり、はぁ、はぁ、と少女の荒い息が部屋に響く。
 ルロークレの指は中に入ったままで、動かされるとミレイユは少しつらい。
(気持ちよすぎて、感じすぎてしまって、つらい……)
それと同じくらいヴィルヘルムルが好きで苦しかった。
 ミレイユは鼻がつんとして、目頭が熱くなった。
瞳に涙の膜がはって、堪える間もなくぽろりとしずくは零れていく。
「……辛い?」
 ヴィルヘルムが彼女の蜜部から指を抜きながら尋ねた。
 抜かれるその感触までもがミレイユの背筋に悦楽を走らせて、引き抜かれる異物を引き留めようと彼女の媚肉がけなげにも収縮する、
「つらく、ない」
「泣いてる」
 ヴィルヘルムの指先がそっとミレイユの目元を拭う。
 その優しい手つきに、その静かな声に、ルロークレに心配をかけさせてしまっていると悟る。ミレイユはつい咄嗟に顔を上げた。
「違、これは嬉しくて……」
「嬉しい?」
「っ………」
「言って。嬉しいって、何が?」
「それは」
沈黙するミレイユに、ルロークレが優しい手つきで彼女の頭を撫でた。
優しく撫でられる感触に、だんだんとミレイユの荒い呼吸が落ち着いてくる。
「ねぇ。もし、きみが僕に申し訳ないとか、見せる顔がないとか、罰を受けるべきだとか、そう考えているのなら」
「………」
「その罰は、僕が決めるよ。だから、きみは素直に言って。きみの本心を聞かせて。余計なことは不要だ。そうだ。きみの本心を言うこと。それが、僕がきみに与える罰だよ」
ミレイユは思わぬ言葉に瞳を揺らした。
ルロークレの目はどこまでも優しく、ミレイユを急かさない。 
「言って。ミレイユ。僕に申し訳ないとか、悪い事をしたという思いがあるのなら、本心を」
「私は」
 ミレイユはわずかに逡巡した。
さんざん熱に浮かされて、目元が熱を持ったせいで、少し頭がくらくらした。
それでも、緊張に体はこわばった。
ルロークレは彼女の反応に気づいているようだった。
ミレイユはぎゅ、とシーツを掴む。
そして、泣きながら彼に愛を乞うた。
「すき………。愛してる。私はあなたを愛してる。ずっと、ずっと……!」
「ミレイユ」
「ごめんなさい。ヴィルヘルム……ルロークレ様。ごめんなさい……!」
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