再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛~

松本ユミ

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愛を確かめ合う

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私が斉藤さんを見かけてから二週間が過ぎていた。
その間、「会ったらどうしよう」とか考えながらも、普通に生活していた。
テツはことあるごとに「大丈夫か?」と気遣ってくれていた。

そして先週、私は何年かぶりに体調を崩して熱を出してしまった。
一日で下がったので、精神的な疲れが出たんだと思う。
新しい職場環境で気を張っていた上、斉藤さんのこともあり、いろいろなことが重なっていたからだろうと自分で分析している。

今はもう復活して、元気になった。
仕事を終え、『ベリルスター』という十八階建てのホテルに来ていた。
『ベリルスター』はこの辺りでは有名なホテルで、宿泊施設だけではなく、レストランやバーやカフェ、スカイラウンジ、宴会場などがある。

昨日の夜、テツがいきなりスカイラウンジで食事をしようと言ってきた。
本当は土日のどちらかに予約をしようと思っていたみたいだけど。

平日にスカイラウンジで食事をしようと言ってきたので、どうしたのかと聞いたら日頃料理を作ってくれている私にお礼も兼ねてとのことだった。
多分だけど、違う理由もある気がした。

私がずっと斉藤さんのことを気にしていたのをテツは気づいていた。
しかも先週、体調を崩したこともあり、気分転換をしてくれようとしたのかなと勝手に思っている。

十九時半から予約を取っているらしく、仕事を終えた私は一足先にホテルについていた。
テツは寄るところがあるみたいで、現地集合という形になった。

テツからホテルに着いたら一階ロビーの奥にある『ラッシュ』という店に行ってと言われていたので、そこを目指す。
そこは十九時で閉まるらしく、出来れば早めに行ってほしいと言われた。
だから私は、仕事が終わって速攻で向かったので十八時過ぎにはホテルに着いた。

『ラッシュ』の店内を見ると、洋服やアクセサリー、バッグや靴など置かれていた。
ここで何をするのか分からず、恐る恐る店に足を踏み入れた。
店員に名前を名乗るように言われていたので私は声をかけた。

「すみません、夏木と言いますけど」

「夏木様ですね。鳴海様からお話はうかがっています。こちらへどうぞ」

私は店員に試着室入るように促された。
アンクルストラップのサンダルを脱ぎ、試着室の中へ入る。

「鳴海様より、こちらを着てもらうようにとうかがっています。試着出来ましたら教えてください」

そう言って渡されたのは、ミントグリーンのシフォン素材のワンピースだった。

「失礼ですけど、夏木様の足のサイズはおいくつでしょうか?」

「二十四センチですけど」

「二十四センチですね。かしこまりました。それでは失礼します」

そっと試着室のドアを閉められた。

どういうこと?
とりあえず、これを着ればいいってことだよね。
頭にハテナマークを浮かべながらも、自分の着ていた服を脱いでワンピースに袖を通した。

フリル袖のふんわりとしたひざ丈のシフォンワンピースで、動くたびに裾がふわりと揺れる。
めちゃくちゃ可愛くて私好みのワンピースだ。
これをテツが選んでくれたの?
ドアを開けて顔を覗かせると、店員がやってきた。
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