召し使い様の分際で

月齢

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第7章 薬草研究の賜物

寒月

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 押しひらかれていた両脚が、優しくそっと戻されて、下半身がちゃぷりと湯に浸かった。
 らくな姿勢になってホッと息を吐いたのも束の間、すぐに青月に抱え上げられ、手近な岩の上に座らされた。

「何……?」

 息を整えながら問うと、突然、またもグイッと開脚させられてしまった。

「ギャーッ! 何するんだよ、いきなりーっ!」
「大丈夫だから休んでろ。念のため、傷ついてないか見るだけだから」
「休めるかあっ! 見なくていい、平気だ!」

 何が大丈夫だ! ぱっかり晒されたお尻の穴を至近距離で覗かれてるのに、大丈夫なわけあるか!
 その上、必死でジタバタ抵抗していたら、寒月まで一緒になって「どれ」と脚のあいだに入ってきた!

「傷は無さそうだな」
「当然だ。俺がアーネストを傷つけるわけがない」
「見るなバカ双子ーっ!」

 恥ずかしさのあまり涙目でポカポカ二人の肩を叩くと、急に寒月が

「いや、待て」

 と眉根を寄せた。
 僕のへなちょこなこぶしも、ビクッと止まる。
 な、何だろう。
 常に無いことをしたゆえの違和感はあれど、痛みは無いのだが……もしや気づかないだけで、本当に傷ができている、とか?
 心配でごくりと唾を飲み込んだら、寒月はじっくりと僕の股間を見つめながら、真剣な顔で言った。
 
「めっちゃ桃尻のめっちゃ桃色のアナルが、持ち主が大声出すたびに、キュウッとすぼまってエロ可愛いことを発見した」

 スパーンと金髪越しにおでこを叩いた。
「あたっ!」と声が上がったが、このくらいは許されると思う。

 真面目な顔で「確かに」とうなずいている青月にも仕置きをしたかったが、手が届かないので諦め、とりあえず顔を火照らせながら二人を睨んだ。
 しかし、叩かれたくせに笑顔全開の寒月が、急に僕を抱きしめてきた。

「あー。恥ずかしがりなとこも可愛い。何もかも可愛い。可愛くてたまらん」

 逞しい胸に抱き寄せられ、髪に、額に、頬に、唇にキスが降る。
 チュッ、チュッ、とついばむようだったキスは、やがて唇を食み、歯列を割り、舌を絡ませ合う深い口づけに変わった。

「は……あ」

 我ながら、二人には弱い……。
 たった今まで怒ってたくせに、とろけそうなほど優しい目で見つめられて、髪を撫でられて、また口づけられると……気持ちよくて、心地よくて。下腹にキュウッと力が入る。

 本当に、今夜の僕はどうしちゃったんだろう。
 もう二度もイっているのに、また反応している。
 寒月の、青月と同じくらい大きなものも、怖いほど漲っていて……。
 キスしながら僕のものに押しつけ、擦り合わせられて。卑猥さに煽られ、思わず腰が揺れた。

 おもむろに唇を離した寒月が、無念そうに眉尻を下げる。

「このまま座位で顔を見てたいんだが、うっかり全部挿っちまいそうだからダメだよな」

 どうしてきみはそういうことを、いちいち口にするのだ。
 そういうとこだぞ!
 思わずその体位を想像してしまい、顔を熱くしている僕も僕だけど。

 一方、青月は冷静に、「ああ、やめとけ」と言いながら僕の隣に来た。さっき僕が巻きつけていた毛布を持って。

 なぜ毛布? と思ったけれど、寒月はすぐにその意図を察したらしい。
「かなり悔しいが」と言いながら僕の腕をとり、青月の肩にかけさせた。
 僕は頭に「?」を浮かべたまま、膝立ちで青月と正面から向き合う格好になる。
 と、青月が僕ごと後ろへ倒れた。

「わっ」

 青月を下敷きにして重なり、驚いて起き上がる前に、寒月が上から覆いかぶさってくる。
 尻のはざまに、ぐりっと硬いものが当たった。
 その感触にドキリとしながら振り返ると、寒月は「ん」と手にしたマルム茸を僕に見せた。 

「アーネスト。もう限界だ」

 大きな手が、マルムをギュッと握ると。
 その手の中からとろとろと流れ落ちた液体が、反り返った寒月の怒張をしとどに濡らした。
 彼はハアと息をついて金髪をかき上げ、挑戦的にぺろりと唇を舐める。
 猛々しい欲望と壮絶な色気が、怖いほど匂い立った。

「あ……」

 反射的に逃げようとしたけれど、四つん這いになった腰は寒月に片手で捕らわれ、後孔にとろりと液体をかけられた。

「ひゃっ、あっ!」

 間を置かず、ぐりっと指を入れられ、中をこねくり回される。

「あっ、やっ、んっ」

 青月との行為でほぐされている上に、マルムの分泌液が優秀すぎて……
 三本に増やされた指が内部を広げるように蠢く頃には、僕のものはすっかり先走りで濡れそぼっていた。

「あ……あ……」

 たまらない感覚に脚が震えて、そのときようやく、ちょうど膝をつく位置に毛布が敷かれていることに気がついた。
 あの毛布の用途はこれか……きみたち、手際よすぎだろう。
 
「はあ……挿れるぞ、アーネスト」
「う」

 びくっと身がまえてしまい、声がかすれた。
「大丈夫だ」と、青月が乳首を愛撫してくる。
 その刺激に気を取られた瞬間、寒月に腰をつかまれて、ずぶっと剛直を挿し込まれた。

「ひああ! はっ、あ……あーっ!」

 マルムのぬめりが、一番大きく張り出した部分の侵入を許す。
 あとはずぶずぶと、太い茎の部分も潜り込んでくるのを止められない。
 一度目は受け入れることに必死だったけど、今は内に含んだもののかたちまで意識してしまって。
 ビクビクッと腰が震えて、寒月から「大丈夫か」と興奮に上擦る声で訊かれても、言葉にならず、ただ首を振った。

 寒月はすこしのあいだ、亀頭だけを残して抜いては浅く突いてくる動きを繰り返した。
 でもそれは、着実に僕の感じる部分を探り当てる動きで。
 そこを突かれるたび、僕はポロポロ涙をこぼして懇願した。

「やっ、そこ、もういやだぁ」
「泣かなくていい。大丈夫だから」

 あやすような青月の声。うなじや背中に優しくキスされる。
 反対に寒月の動きは段々と深く大きくなり、揺さぶられて仰け反った首筋を、青月に強く吸われた。
 たまらず喘いで青月に抱きつくと、抗議するように、寒月が強く腰を突き入れてきた。

「ひゃうっ! あーっ、あーっ、やっ、あー……!」
「はあ……すげえ。最高だ、アーネスト」

 腰を引きつけられ、奥を押し広げるように、ぐっ、ぐっといっそう深く挿入される。
 激しくなる律動も、躰がどうかしてしまったのではというくらい気持ちよくて。感じる部分を刺激されるたび、自分のものとは思えない嬌声が奔放に飛び出した。

「あっ、あっ、はあ……っ」
「アーネスト。感じる?」

 キスをしてきた青月に問われて、僕はコクコクと夢中でうなずいた。

「か、感じる……っ」
「俺もだアーネスト。よすぎて血管切れそう」

 どこか誇らしげな寒月の声に煽られ、抽挿に合わせて自分から腰を揺らした。

「あっ、イイ……ああ、ああっ、もう……もうダメ、イ……く」

 こんな淫らな姿を双子に晒しているのかと思ったら、さすがに羞恥心が舞い戻ってきて、ドッと汗が浮かんだけど……
 ググッと、さらに奥までこじあけた怒張が入り込んできた瞬間、思考が真っ白になった。

「ひうっ! あぁーっ! ……あー……」

 律動に合わせて揺れていた僕のものから、ポタポタと精液がこぼれる。
 もうだいぶ薄くなっているかも……。
 それでも悦楽は強烈な余韻を残し、後孔がひくひくと寒月のものを締めつけた。

 その動きを味わうように抜き挿しされていた剛直が、やがてゆっくりと引き抜かれると。
 尻に熱いものが吐精され、とろとろと内腿を伝った。
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