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第一章 異世界転移編
第4話 レッドアイズホワイトビースト
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どうしよう。
俺は少し途方にくれていた。
せっかく火魔法を覚えたのに、肝心の経験値供給源(スライム)を倒しても、経験値をもらえなくなってしまった。
俺は、少し、強くなりすぎてしまったのかもしれない……。
レベル3で言っていいセリフではない気がする。
とりあえず、移動してみよう。
スライム以外の獲物を探すのだ。
ゲームとかだと、ダンジョンの奥に行けば行くほど、強い敵が出てくるのだ。
まあ、ダンジョンじゃないし、どっちが奥なのかわかりませんけどね!
俺はアテもなく、荒野をさまよう。
荒野はどこまで行っても、景色が変わらない。
見渡す限りの土の平原。
たまに枯れている木が生えてたりする。
空を見上げれば、太陽はちょうど頭上のあたりにあった。
今は正午くらいなのだろうか。
そういえば、時計もスマホも職場のデスクに置きっぱなしで、時間を確認する術がない。
まあ、時間を気にする必要はないけど。
そう思うと少し新鮮だった。
時間を気にしなくて良いなんて、ここ10年くらいなかった気がする。
毎日、時間に追われる悲惨な生活を送っていた。
なにせ、悲哀なる社畜だからね!
俺は黙々と荒野を歩き続ける。
途中、スライムを見つけた時は、とりあえず、《水生成》と《火生成》を掛けて倒した。
経験値は貰えないが、魔法スキルのレベルが上がるかもしれないと考えたからだ。
スライムはもともと弱い上に、《水生成》で水をかけると大人しくなるので、スライムから受けたダメージは殆ど無い。
案外、《水生成》も役に立っているのかもしれない。
スライムごとき大人しくても、荒々しくてもあんまし変わらない気もするが。
歩きながら結構なスライムを狩ったが、魔法スキルは上がらない。
熟練度方式ではないのだろうか。
それとも、スライムが弱すぎて、熟練度が上がらないのだろうか。
まだまだわからないことだらけである。
とりあえず、目につくスライムはすべて倒そう。
《水生成》と《火生成》を連続でかけても、MPの消費は合わせて2くらいだし。
それくらいなら、歩いているうちに回復した。
そういえば、スライムがたまに落とす、謎のべちゃべちゃを、あれからもう2つ拾った。
とりあえず、ポケットに入れてある。
他には何も持っていない。
財布もタバコも、職場のデスクに置きっぱなしだった。
今、俺が持っているのは謎のべちゃべちゃだけである。
なんだろう、不安感がハンパない。
そんなこんなで暫く歩いていると
ウサギに出会った。
額に小さな角が2つ生えているが、それ以外は昔、小学生の頃に学校で飼育されていたアイツである。
ウサギは鼻をひくひくさせながら、小さな赤い瞳でこちらを見つめていた。
あら、かわいい。
柄にもなく、少しときめいた。
ウサギはぴょこぴょこと愛らしく跳ねながら、こちらに近づいてくる。
目の前まで来て、俺を見ながら首を傾げるウサギ。
俺は撫でようと、手を差し出す。
ウサギの仕草はイチイチ可愛いかった。
がぶっ!
その時、差し出した手から不思議な音がした。そしてちょっと痛い。
それもそのはず、ウサギが思い切り俺の手に噛み付いていたのだ。
かわいらしく前に飛び出た2つの前歯が、手の甲に食い込んでいる。
声もなくウサギを見つめてみると、ウサギは再び小首をかしげた。
かしげた際に、ウサギの歯が更に食い込んで手からミシミシと音がする。
それでも、かわいらしいウサギにこれがギャップ萌えというやつかと感心し――。
「って、なにすんだゴラァ!」
俺は思い切りウサギを蹴り飛ばした。
足の爪先が、ウサギのやわらかい腹に食い込む生々しい感触がした。
残念な事に、俺は風の谷生まれではないので、小動物に噛まれても、「くっ! ……大丈夫、怖くないから」なんて言えない。
ただ反撃するのみである。
蹴飛ばされたウサギはヨロヨロと体を起こすと、俺を睨みつけ、毛を逆立てて威嚇してくる。
その顔には、かわいさなんて欠片もなく、凶悪な狩人のものだった。
そうかい、この俺とやり合おうってか。
「上等だ! この低経産動物が!」
俺は、ウサギに向かって拳を握りしめた。
ウサギが俺をめがけて突撃してくる。
俺は、そんなウサギの体当たりを華麗に避け――るのに失敗して、思い切り腹に食らってしまう。
キレイに鳩尾に入って、俺はお腹を抑えて蹲った。
若返ったとはいえ、腹筋も割れていない俺の腹は防御力ゼロである。
そんな俺を見下すように、ウサギは邪悪な笑みを浮かべている。
さっきのカリはかえしたぜ……! ぺっ!(ツバを吐く音)
そんなセリフが脳内補完される。
「う○こ食うしか取り柄のないくせにナマイキな!」
俺はずーんと、重い痛みを発する腹を抑えながら、ゆっくりと立ち上がる。
こうなったらアレを使うしかない。
数多のスライムを消滅せし、禁断の魔術。
「消しずみになるがいい! イグナイトぉ!」
右手をつき出すようにして、《火生成》を発動させた。
ボヒュッ! という音がしてウサギの鼻先に拳大の火球が発生する。
驚いたように顔を背けるウサギ。
火球は真っ赤な火の粉を振り撒き、そして消えた。
「……」
辺りを沈黙が支配する。
突然の火に驚いたウサギは、しかし、顔を真っ赤にしてブチ切れていた。
ダメージはゼロのようである。
額に生えた角と合わさって、オニの様な表情だ。
いやいや、おかしいおかしい。
だって、スライムさんはボーボー燃えてたじゃないですか。
最強の魔法だったじゃないですかー。
あれ、もしかして、まさかのスライム可燃性物質説が正解だったの……。
だだだっと勢い良くウサギが突進してくる。
「あ、ちょ! まっ! タンマ、タンマだって!」
情けなく身を縮めながら、手を開いてウサギに、待って☆のポーズ。
そんな事はお構いなしに、ウサギの頭突きが脇腹に突き刺さる。
「げほっ!」
鈍い痛みに身体がくの字折れ曲がると、ウサギは信じられないくらい高く跳び上がる。
そのまま、小さなアンヨで俺の頬を強打。
「あうっ!」
ウサギのラッシュは止まらない。
小さなおテテで掌打。角つきの額で頭突き。鋭い前歯で噛み付き。
俺はボロ雑巾のように翻弄された。
「ちょ! マジで! やめてって、ウサギ……ウサギさん!」
バキバキと連打を食らいながら、ついにはこの愛玩動物をさん付けしてしまう。
それでも、ウサギさんは止まらない!
ラッシュ! ラッシュ! ひたすらラッシュ!
「ひぎッ! あヒィ! ぶふぁ!」
もうやめたげてよ! このままじゃこわれたうお!
霞む視界で、辛うじてHPを確認すると、凄い勢いでガクンっと……減っていない。
『HP:1102/1228』
10分の1も減ってないじゃないか。
そりゃ今までで一番減ってはいるけれども。
あれ、ウサギさんの顔が怖いのと、音が凄いから、めちゃくちゃ痛いのかと思っていたけど。
よく考えたら、痛くないかも!
ウサギさんの右フック!
「痛ッ!」
思わず、痛いって言っちゃったけど。
むしろ、ホントに痛いんだけど。
痛くないわけはないが、死ぬほどではない。
注意深くHPを見ていると、一撃で3~5ポイントずつくらい減っていく。
え、全然弱いじゃん。
結構痛いけど。
全然、弱いじゃん!
改めて見てみると、ウサギさん、いや、ウサギのクソ野郎は、攻め疲れたのか、ぜえぜえと息が上がっている。
これは、チャンスなのではないだろうか。
かなり危なかった。
タンマなんて言葉使ったの20年ぶりくらいだった。
ひぎッ! に至っては、リアルで言ってる人初めて見たわってレベルだ。
まあ、言ったの私ですが。
ホントに危ないところだった。
あと少しで、もうらめーとか言っちゃいそうだった。
そうだ、もうらめ状態は回避できたのだ。
ギリギリ人間の尊厳的にはセーフなはずだ。
ウサギは、目の前で肩を揺らしながら息をついている。
あれだけ激しかったラッシュは、今や見る影もない。
完全に動きが止まる時さえある。
俺はその時、勝機を悟った。今しかないと。
「喰らえ、奥義――!」
疲れ果てたウサギの頭部を鷲掴む。
そのまま、天高く頭上に掲げた。
「――垂直落下式ブレインバスター!!!」
技名を決めながら、高く後方に飛ぶ。
天に掲げたウサギを振り下ろし、そのまま全体重を掛けて、地面に押しつぶす。
ぐしゃり。
何かが潰れる音がした。
それは、俺の勝利を祝福するファンファーレに聞こえたんだ。
『4ポイントの経験値を獲得しました。』
俺が往年のプロレス技をパクってカッコつけていると、そんなログが表示された。
やはり、このウサギはモンスターだったのだ。
経験値が入ったというのはそういうことだろう。
おかしいと思ったのだ。
この俺がただのウサギにあんなに追い詰められるわけがないからね。
かわいい外見で敵を油断させた上で、隠し、研ぎ澄まされた牙を剥く。
恐ろしい魔物もいたものである。
きっと誰が戦っても苦戦したに違いない。いや、命を落とす者もいるだろう。
渋谷で聞きました街角100人アンケート的な事をやってみたら100人中80人くらいは勝てないと思うんだ。いや、まじで。
なんだかなー。
なんかウサギに苦戦したって思うと、どうも俺が弱いような印象を受ける気がする。
まあ、ウサギじゃないしね。モンスターだからね。
これからはヤツの事を、レッドアイズホワイトビーストと呼ぶことにした。
俺は少し途方にくれていた。
せっかく火魔法を覚えたのに、肝心の経験値供給源(スライム)を倒しても、経験値をもらえなくなってしまった。
俺は、少し、強くなりすぎてしまったのかもしれない……。
レベル3で言っていいセリフではない気がする。
とりあえず、移動してみよう。
スライム以外の獲物を探すのだ。
ゲームとかだと、ダンジョンの奥に行けば行くほど、強い敵が出てくるのだ。
まあ、ダンジョンじゃないし、どっちが奥なのかわかりませんけどね!
俺はアテもなく、荒野をさまよう。
荒野はどこまで行っても、景色が変わらない。
見渡す限りの土の平原。
たまに枯れている木が生えてたりする。
空を見上げれば、太陽はちょうど頭上のあたりにあった。
今は正午くらいなのだろうか。
そういえば、時計もスマホも職場のデスクに置きっぱなしで、時間を確認する術がない。
まあ、時間を気にする必要はないけど。
そう思うと少し新鮮だった。
時間を気にしなくて良いなんて、ここ10年くらいなかった気がする。
毎日、時間に追われる悲惨な生活を送っていた。
なにせ、悲哀なる社畜だからね!
俺は黙々と荒野を歩き続ける。
途中、スライムを見つけた時は、とりあえず、《水生成》と《火生成》を掛けて倒した。
経験値は貰えないが、魔法スキルのレベルが上がるかもしれないと考えたからだ。
スライムはもともと弱い上に、《水生成》で水をかけると大人しくなるので、スライムから受けたダメージは殆ど無い。
案外、《水生成》も役に立っているのかもしれない。
スライムごとき大人しくても、荒々しくてもあんまし変わらない気もするが。
歩きながら結構なスライムを狩ったが、魔法スキルは上がらない。
熟練度方式ではないのだろうか。
それとも、スライムが弱すぎて、熟練度が上がらないのだろうか。
まだまだわからないことだらけである。
とりあえず、目につくスライムはすべて倒そう。
《水生成》と《火生成》を連続でかけても、MPの消費は合わせて2くらいだし。
それくらいなら、歩いているうちに回復した。
そういえば、スライムがたまに落とす、謎のべちゃべちゃを、あれからもう2つ拾った。
とりあえず、ポケットに入れてある。
他には何も持っていない。
財布もタバコも、職場のデスクに置きっぱなしだった。
今、俺が持っているのは謎のべちゃべちゃだけである。
なんだろう、不安感がハンパない。
そんなこんなで暫く歩いていると
ウサギに出会った。
額に小さな角が2つ生えているが、それ以外は昔、小学生の頃に学校で飼育されていたアイツである。
ウサギは鼻をひくひくさせながら、小さな赤い瞳でこちらを見つめていた。
あら、かわいい。
柄にもなく、少しときめいた。
ウサギはぴょこぴょこと愛らしく跳ねながら、こちらに近づいてくる。
目の前まで来て、俺を見ながら首を傾げるウサギ。
俺は撫でようと、手を差し出す。
ウサギの仕草はイチイチ可愛いかった。
がぶっ!
その時、差し出した手から不思議な音がした。そしてちょっと痛い。
それもそのはず、ウサギが思い切り俺の手に噛み付いていたのだ。
かわいらしく前に飛び出た2つの前歯が、手の甲に食い込んでいる。
声もなくウサギを見つめてみると、ウサギは再び小首をかしげた。
かしげた際に、ウサギの歯が更に食い込んで手からミシミシと音がする。
それでも、かわいらしいウサギにこれがギャップ萌えというやつかと感心し――。
「って、なにすんだゴラァ!」
俺は思い切りウサギを蹴り飛ばした。
足の爪先が、ウサギのやわらかい腹に食い込む生々しい感触がした。
残念な事に、俺は風の谷生まれではないので、小動物に噛まれても、「くっ! ……大丈夫、怖くないから」なんて言えない。
ただ反撃するのみである。
蹴飛ばされたウサギはヨロヨロと体を起こすと、俺を睨みつけ、毛を逆立てて威嚇してくる。
その顔には、かわいさなんて欠片もなく、凶悪な狩人のものだった。
そうかい、この俺とやり合おうってか。
「上等だ! この低経産動物が!」
俺は、ウサギに向かって拳を握りしめた。
ウサギが俺をめがけて突撃してくる。
俺は、そんなウサギの体当たりを華麗に避け――るのに失敗して、思い切り腹に食らってしまう。
キレイに鳩尾に入って、俺はお腹を抑えて蹲った。
若返ったとはいえ、腹筋も割れていない俺の腹は防御力ゼロである。
そんな俺を見下すように、ウサギは邪悪な笑みを浮かべている。
さっきのカリはかえしたぜ……! ぺっ!(ツバを吐く音)
そんなセリフが脳内補完される。
「う○こ食うしか取り柄のないくせにナマイキな!」
俺はずーんと、重い痛みを発する腹を抑えながら、ゆっくりと立ち上がる。
こうなったらアレを使うしかない。
数多のスライムを消滅せし、禁断の魔術。
「消しずみになるがいい! イグナイトぉ!」
右手をつき出すようにして、《火生成》を発動させた。
ボヒュッ! という音がしてウサギの鼻先に拳大の火球が発生する。
驚いたように顔を背けるウサギ。
火球は真っ赤な火の粉を振り撒き、そして消えた。
「……」
辺りを沈黙が支配する。
突然の火に驚いたウサギは、しかし、顔を真っ赤にしてブチ切れていた。
ダメージはゼロのようである。
額に生えた角と合わさって、オニの様な表情だ。
いやいや、おかしいおかしい。
だって、スライムさんはボーボー燃えてたじゃないですか。
最強の魔法だったじゃないですかー。
あれ、もしかして、まさかのスライム可燃性物質説が正解だったの……。
だだだっと勢い良くウサギが突進してくる。
「あ、ちょ! まっ! タンマ、タンマだって!」
情けなく身を縮めながら、手を開いてウサギに、待って☆のポーズ。
そんな事はお構いなしに、ウサギの頭突きが脇腹に突き刺さる。
「げほっ!」
鈍い痛みに身体がくの字折れ曲がると、ウサギは信じられないくらい高く跳び上がる。
そのまま、小さなアンヨで俺の頬を強打。
「あうっ!」
ウサギのラッシュは止まらない。
小さなおテテで掌打。角つきの額で頭突き。鋭い前歯で噛み付き。
俺はボロ雑巾のように翻弄された。
「ちょ! マジで! やめてって、ウサギ……ウサギさん!」
バキバキと連打を食らいながら、ついにはこの愛玩動物をさん付けしてしまう。
それでも、ウサギさんは止まらない!
ラッシュ! ラッシュ! ひたすらラッシュ!
「ひぎッ! あヒィ! ぶふぁ!」
もうやめたげてよ! このままじゃこわれたうお!
霞む視界で、辛うじてHPを確認すると、凄い勢いでガクンっと……減っていない。
『HP:1102/1228』
10分の1も減ってないじゃないか。
そりゃ今までで一番減ってはいるけれども。
あれ、ウサギさんの顔が怖いのと、音が凄いから、めちゃくちゃ痛いのかと思っていたけど。
よく考えたら、痛くないかも!
ウサギさんの右フック!
「痛ッ!」
思わず、痛いって言っちゃったけど。
むしろ、ホントに痛いんだけど。
痛くないわけはないが、死ぬほどではない。
注意深くHPを見ていると、一撃で3~5ポイントずつくらい減っていく。
え、全然弱いじゃん。
結構痛いけど。
全然、弱いじゃん!
改めて見てみると、ウサギさん、いや、ウサギのクソ野郎は、攻め疲れたのか、ぜえぜえと息が上がっている。
これは、チャンスなのではないだろうか。
かなり危なかった。
タンマなんて言葉使ったの20年ぶりくらいだった。
ひぎッ! に至っては、リアルで言ってる人初めて見たわってレベルだ。
まあ、言ったの私ですが。
ホントに危ないところだった。
あと少しで、もうらめーとか言っちゃいそうだった。
そうだ、もうらめ状態は回避できたのだ。
ギリギリ人間の尊厳的にはセーフなはずだ。
ウサギは、目の前で肩を揺らしながら息をついている。
あれだけ激しかったラッシュは、今や見る影もない。
完全に動きが止まる時さえある。
俺はその時、勝機を悟った。今しかないと。
「喰らえ、奥義――!」
疲れ果てたウサギの頭部を鷲掴む。
そのまま、天高く頭上に掲げた。
「――垂直落下式ブレインバスター!!!」
技名を決めながら、高く後方に飛ぶ。
天に掲げたウサギを振り下ろし、そのまま全体重を掛けて、地面に押しつぶす。
ぐしゃり。
何かが潰れる音がした。
それは、俺の勝利を祝福するファンファーレに聞こえたんだ。
『4ポイントの経験値を獲得しました。』
俺が往年のプロレス技をパクってカッコつけていると、そんなログが表示された。
やはり、このウサギはモンスターだったのだ。
経験値が入ったというのはそういうことだろう。
おかしいと思ったのだ。
この俺がただのウサギにあんなに追い詰められるわけがないからね。
かわいい外見で敵を油断させた上で、隠し、研ぎ澄まされた牙を剥く。
恐ろしい魔物もいたものである。
きっと誰が戦っても苦戦したに違いない。いや、命を落とす者もいるだろう。
渋谷で聞きました街角100人アンケート的な事をやってみたら100人中80人くらいは勝てないと思うんだ。いや、まじで。
なんだかなー。
なんかウサギに苦戦したって思うと、どうも俺が弱いような印象を受ける気がする。
まあ、ウサギじゃないしね。モンスターだからね。
これからはヤツの事を、レッドアイズホワイトビーストと呼ぶことにした。
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