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第一夜
013.青の君との初夜(三)
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「そうか、僕は足でしかイケない体質だったんだね」
体質じゃなくて、癖だと思うよ。オーウェンの巨根は体型の問題かな。
セルゲイは、わたしの太腿に頭を乗せ、ずっと脛を撫でている。何が面白いのかさっぱりわからないけれど、笑みを浮かべたままだ。
膝枕って言うけど、太腿に頭乗せるなら膝枕じゃないよなぁ、太腿枕だよなぁ、わたしが知らないだけでもしかしたら太腿も膝の一部なんだろうか、なんてくだらないことを考えるくらい、ぼうっとしている。
だって、めっちゃセックスしたいのに、二晩続けてできなかった。明日こそは! 明日こそは、セックスしたい! だってキスだけじゃ物足りないんだもの!!
「ねぇ、イズ。きみの足は芸術品のようだね。美しく、滑らかで、非の打ち所がない。彫刻にして飾っておきたいくらいだよ」
「彫刻はおかずになるのかな」
「おかず? ふふ、彫刻は食べられないよ。面白いことを言うね、イズは」
あぁ、ベッド脇に置いたランプの明かりが消えていく。蓄光石の効力がなくなりかけている。仕方ない。もう寝ないと。……セルゲイはこのまま膝枕で眠りたいだろうけど、わたしは普通に眠りたいなぁ。寝惚けて蹴ってしまいそうだし。
「セルゲイ、寝よ」
「そうだね」
するり、何かが解かれてどこかの締めつけがなくなる。見下ろすと、セルゲイが紐を引っ張っていた。その紐は……ショーツの?
「んんっ」
セルゲイがいきなり太腿に吸い付いてきた。足の付け根に近いところに。めっちゃ痛いから、たぶんキスマークをつけているんだろう。所有痕を残すなんて、意外と執着心があるのかな。
「イズ、ごめんね、待たせて」
「……ん?」
「要望通り、イカせてあげるからね」
要望通り? あぁ、そういえば、「舐めて、イカせて」とは言った気がする。興奮していて覚えていないけど。
首を傾げた次の瞬間、ヌルリと秘所を這う熱い舌の感触に、わたしは「ひゃあ」とあられもない声を上げていた。いきなりだったから、心の準備ができていなかったのだ。
セルゲイはわたしの膝を立て、太腿を持ち上げる。熱く濡れた舌は、いとも簡単に花芽を見つけ出す。何しろ、彼は娼館経営者の息子だ。女を気持ち良くさせる方法など熟知しているだろう。
さっきの素股で多少は潤っていたらしいわたしの蜜口は、陰核をいじめられてさらに濡れ、セルゲイの指を難なく飲み込む。夫の細く長い指が、ゆっくりと膣内を這う。
「イズ、足を僕の肩にかけて」
セルゲイの言葉に頷き、開脚していた足を彼の肩に置く。あぁ、なるほど、セルゲイは自分も気持ち良くなりたいわけね。太腿が顔に当たるから。ほんと、変態。
ピチャピチャとわざと音を立て、セルゲイは肉芽を舐める。舌で転がし、吸い、緩急をつけて舐めている。指はいつの間にか二本に増やされており、その圧迫感が気持ち良い。ゾクゾクする。堪らなく気持ちいい場所は、すぐに夫の知るところとなった。
「っ、あ、んんっ」
銀色の長い髪を、くしゃりと撫でる。明かりがほとんどないベッドの上、恥態を見られなくてすむのはありがたいことだけれど、麗しい夫の恍惚とした表情をまじまじと見られないのは残念だ。現実世界で過ごしていたままでは絶対に知り合えなかったであろう美しい男が、わたしの足に興奮し、いやらしい蜜を舐め取っているだなんて――あぁ、もう、本当に暗闇が憎い! 薄明かりじゃなくて、もっと明るいところで見たいのに!
「太腿、柔らかいね」
太腿に力を入れてセルゲイの頭を強く挟む。夫は「あぁ」と嬉しそうな声を出す。喜ぶな、変態。
陰核を舐められるのは、実はあまり慣れていない。何しろ、歴代彼氏は前戯もそこそこに突っ込んでくるバカばかりだったから。わたしの体は戸惑い、けれど確実に快感を覚えていく。
「あっ、ん、セルゲ、いいっ」
「ココ、すごく反応がいいよ。気持ちいいみたいだね」
「うん、っ、気持ち、い」
あー、喋らないで、舐めて。昂ぶっていたものが少し落ち着いてしまう。それに気づいたのか、セルゲイはそれから一言も発さなくなった。うん、いい子。
長い中指が膣内の真ん中あたりを擦る。わたしの腰はすぐにビクビクとはしたなく揺れてしまう。過剰に反応してしまうそこに気づいたのは、おそらく、セルゲイが最初。夫はじわじわとわたしを追い詰めてくる。
「あっ、あ、ダメ、イッちゃ、あぁっ」
秘所から伝い落ちるものがわたしの愛液なのか、セルゲイの唾液なのか、わからない。
セルゲイは何度も指を押し当てて膣壁を擦りながら、芽を吸い、舐める。いいところを攻めてくるから、達するのも一瞬だ。
ビクン、と腰が大きく跳ねて、セルゲイの指を締め付ける。膣内が何度か収縮したあと、体が一気に弛緩する。申し訳ないけど、太腿にも力が入らない。
セルゲイはわたしが荒い息をしているのを確認したあと、指を引き抜きベッドから降りて、熱く濡らしたタオルを持ってくる。ぐったりとしたまま、処理をしてくれるセルゲイをぼんやりと見つめる。
「気持ち良かったね」
「ん、そだね」
お互いに、ね。
処理を終えたセルゲイはやっぱり全裸のまま、わたしの隣に潜り込んだ。何度かキスをして、足を絡め合う。セルゲイはそれをいたく気に入り、「このまま眠ろう」と笑顔で言うものだから、わたしは苦笑しながらも応ずることにした。
わたしの欲求不満は少しは解消されたけれど、やっぱり、硬いモノを突っ込んで、ぐしゃぐしゃにかき回してもらいたいんだよなぁ。多少痛くても構わないから、抱き潰してもらいたい。そんな都合のいい夫、七人の中にいるものかしら?
「おやすみ、イズ」
「おやすみ、セルゲイ。いい夢を」
セルゲイの腕の中、わたしはそっと目を閉じる。明日こそは、普通のセックスができますように。そんなふうに、願いながら。
体質じゃなくて、癖だと思うよ。オーウェンの巨根は体型の問題かな。
セルゲイは、わたしの太腿に頭を乗せ、ずっと脛を撫でている。何が面白いのかさっぱりわからないけれど、笑みを浮かべたままだ。
膝枕って言うけど、太腿に頭乗せるなら膝枕じゃないよなぁ、太腿枕だよなぁ、わたしが知らないだけでもしかしたら太腿も膝の一部なんだろうか、なんてくだらないことを考えるくらい、ぼうっとしている。
だって、めっちゃセックスしたいのに、二晩続けてできなかった。明日こそは! 明日こそは、セックスしたい! だってキスだけじゃ物足りないんだもの!!
「ねぇ、イズ。きみの足は芸術品のようだね。美しく、滑らかで、非の打ち所がない。彫刻にして飾っておきたいくらいだよ」
「彫刻はおかずになるのかな」
「おかず? ふふ、彫刻は食べられないよ。面白いことを言うね、イズは」
あぁ、ベッド脇に置いたランプの明かりが消えていく。蓄光石の効力がなくなりかけている。仕方ない。もう寝ないと。……セルゲイはこのまま膝枕で眠りたいだろうけど、わたしは普通に眠りたいなぁ。寝惚けて蹴ってしまいそうだし。
「セルゲイ、寝よ」
「そうだね」
するり、何かが解かれてどこかの締めつけがなくなる。見下ろすと、セルゲイが紐を引っ張っていた。その紐は……ショーツの?
「んんっ」
セルゲイがいきなり太腿に吸い付いてきた。足の付け根に近いところに。めっちゃ痛いから、たぶんキスマークをつけているんだろう。所有痕を残すなんて、意外と執着心があるのかな。
「イズ、ごめんね、待たせて」
「……ん?」
「要望通り、イカせてあげるからね」
要望通り? あぁ、そういえば、「舐めて、イカせて」とは言った気がする。興奮していて覚えていないけど。
首を傾げた次の瞬間、ヌルリと秘所を這う熱い舌の感触に、わたしは「ひゃあ」とあられもない声を上げていた。いきなりだったから、心の準備ができていなかったのだ。
セルゲイはわたしの膝を立て、太腿を持ち上げる。熱く濡れた舌は、いとも簡単に花芽を見つけ出す。何しろ、彼は娼館経営者の息子だ。女を気持ち良くさせる方法など熟知しているだろう。
さっきの素股で多少は潤っていたらしいわたしの蜜口は、陰核をいじめられてさらに濡れ、セルゲイの指を難なく飲み込む。夫の細く長い指が、ゆっくりと膣内を這う。
「イズ、足を僕の肩にかけて」
セルゲイの言葉に頷き、開脚していた足を彼の肩に置く。あぁ、なるほど、セルゲイは自分も気持ち良くなりたいわけね。太腿が顔に当たるから。ほんと、変態。
ピチャピチャとわざと音を立て、セルゲイは肉芽を舐める。舌で転がし、吸い、緩急をつけて舐めている。指はいつの間にか二本に増やされており、その圧迫感が気持ち良い。ゾクゾクする。堪らなく気持ちいい場所は、すぐに夫の知るところとなった。
「っ、あ、んんっ」
銀色の長い髪を、くしゃりと撫でる。明かりがほとんどないベッドの上、恥態を見られなくてすむのはありがたいことだけれど、麗しい夫の恍惚とした表情をまじまじと見られないのは残念だ。現実世界で過ごしていたままでは絶対に知り合えなかったであろう美しい男が、わたしの足に興奮し、いやらしい蜜を舐め取っているだなんて――あぁ、もう、本当に暗闇が憎い! 薄明かりじゃなくて、もっと明るいところで見たいのに!
「太腿、柔らかいね」
太腿に力を入れてセルゲイの頭を強く挟む。夫は「あぁ」と嬉しそうな声を出す。喜ぶな、変態。
陰核を舐められるのは、実はあまり慣れていない。何しろ、歴代彼氏は前戯もそこそこに突っ込んでくるバカばかりだったから。わたしの体は戸惑い、けれど確実に快感を覚えていく。
「あっ、ん、セルゲ、いいっ」
「ココ、すごく反応がいいよ。気持ちいいみたいだね」
「うん、っ、気持ち、い」
あー、喋らないで、舐めて。昂ぶっていたものが少し落ち着いてしまう。それに気づいたのか、セルゲイはそれから一言も発さなくなった。うん、いい子。
長い中指が膣内の真ん中あたりを擦る。わたしの腰はすぐにビクビクとはしたなく揺れてしまう。過剰に反応してしまうそこに気づいたのは、おそらく、セルゲイが最初。夫はじわじわとわたしを追い詰めてくる。
「あっ、あ、ダメ、イッちゃ、あぁっ」
秘所から伝い落ちるものがわたしの愛液なのか、セルゲイの唾液なのか、わからない。
セルゲイは何度も指を押し当てて膣壁を擦りながら、芽を吸い、舐める。いいところを攻めてくるから、達するのも一瞬だ。
ビクン、と腰が大きく跳ねて、セルゲイの指を締め付ける。膣内が何度か収縮したあと、体が一気に弛緩する。申し訳ないけど、太腿にも力が入らない。
セルゲイはわたしが荒い息をしているのを確認したあと、指を引き抜きベッドから降りて、熱く濡らしたタオルを持ってくる。ぐったりとしたまま、処理をしてくれるセルゲイをぼんやりと見つめる。
「気持ち良かったね」
「ん、そだね」
お互いに、ね。
処理を終えたセルゲイはやっぱり全裸のまま、わたしの隣に潜り込んだ。何度かキスをして、足を絡め合う。セルゲイはそれをいたく気に入り、「このまま眠ろう」と笑顔で言うものだから、わたしは苦笑しながらも応ずることにした。
わたしの欲求不満は少しは解消されたけれど、やっぱり、硬いモノを突っ込んで、ぐしゃぐしゃにかき回してもらいたいんだよなぁ。多少痛くても構わないから、抱き潰してもらいたい。そんな都合のいい夫、七人の中にいるものかしら?
「おやすみ、イズ」
「おやすみ、セルゲイ。いい夢を」
セルゲイの腕の中、わたしはそっと目を閉じる。明日こそは、普通のセックスができますように。そんなふうに、願いながら。
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