39 / 63
第39話 ブリーフィング
しおりを挟む
「集まったようだな」
お父様はそう言うと、周囲を見回した。
集まったメンバーは、僕、お父様、お母様、フランソワ、アイリス、サイト、宰相、あと、あのイカツイおっさんは近衛騎士隊長かな?
確実な見方という意味ではこれくらいしか呼べないのだろう。
ガーベラは最悪のことを想定して外で待機している。
最悪とは、ガーベラの謀反だ。
無いとは信じたいけど、一応、敵対派閥の旗頭を入れるわけにはいかない。
同じ理由でショコラも入れていない。
ショコラは今頃いつも通り『鑑定』作業をしているはずだ。
「さて、今回は複数の情報スジから城内でのクーデターに関する情報が手に入った。そこで、私が最も信頼している者だけをここに集めた」
おお、なんか選ばれし勇者感がすごいな。
アイリスは僕のメイドだからギリOKとしても、ストライク家が召喚したサイトはギリアウトな気がするけどいいのかな?
「そのクーデターの決行日が今夜ではないかと考えている。それで、みなには、その対処法を考えて、行動に移してほしい。何か案が有る者はいるか?」
近衛騎士隊長らしき人が、手を挙げる。
「うむ、ラーハルト。話してみよ」
「はっ。お初のお方もおられます。わたくしは、ラーハルト・ヒッケラーと申します。近衛騎士隊長を務めております。以後、お見知りおきを」
終わりかよ!
作戦ではなく、自己紹介?
コイツ、空気読めないやつだな?
すると、サイトが手を挙げた。
イヤな予感がする。
「ヘーイ!レディースエーンジェントルメェーン、アイム、サイト!」
ついに日本語消えた。
これで通じるのか?
「え? れでぃーす?」
お母様がいつものツッコミをいれる。
「あ、すいません。私はサイトです」
だれもツッコまないけど、こいつの本名は斎藤だからね。
サイトは聞き間違いで、斎藤一さんです!
しかも、一番重要な『勇者』という情報が抜けてるし。
「もう、自己紹介したいものはおらんか?」
お父様があきれている。
そりゃ、あきれるよね。
フランソワも手を挙げる。
まさか……?
「私はフランソワ・ポーターと申します」
近衛騎士団長だけがドキリとしている。
ほかは皆知ってるからね。
「私の祖父が皆様に大変ご迷惑をおかけいたしましたが、私はこのように陛下のご温情に甘えている次第です。今回は私もポーターの名前を持つものとして命を狙われると伺っています。しかし、緊急時には、私の命など、捨て置いてください。私は陛下の安全が第一だと考えています。よろしくお願いします」
フランソワは肩まで伸びた茶髪を揺らしながら深々とお辞儀をした。
「フランソワ、それはもっともです。陛下の安全が第一義です。しかし、あなたの命も粗末にする気はありません。命を軽んじるようなことは口にすべきではありません」
ぴしゃり、と言い切ったのはお母様だった。
かっこいい。
ちょっと惚れそう。
マザコンだ。
「そうだな、イザベラの言う通り、自分の身も自分で守れ。もちろん、お前にはサイト殿もいるだろう? 自分だけの体だと思ってはいけないぞ?」
え?
自分だけの体ではない?
「はい。承知しました」
フランソワはおなかをさすりながら答えた。
あれ?
妊娠した?
妊婦を戦場に連れてきちゃだめでしょ?
いや、向こうから襲ってくるから、フランソワがいるところが戦場になるもんな。
当初の計画と同じだ。
保護対象である、お父様とフランソワを近くに集めて同時に守る。
何も変更はない。
問題ない。
全員がそれぞれ意見を述べるが、結局は同じだった。
二人を王の私室に閉じ込めて周囲を夜通し警戒する。
念のため、一階の警護にはガーベラを配置し、堂々と攻めてこようものなら剣聖の刀の錆にすると言うものだった。
具体的には、城全体を近衛騎士五百人で夜通し警備、それ以外の五百人は城壁内の巡視、お母様はお父様と同室で、ほかの非戦闘員の方々はお父様の私室の近くの空き部屋に。
僕とサイトはお父様の私室の前で待機、ほかに、近衛騎士からも数名が選抜されて私室前に集まるらしい。
アイリスは僕から離れたくないらしく、横にいる。
宰相と、近衛騎士隊長は三階から全体を見下ろして、指示を出すらしい。
会議終了後、食事をとり、それぞれの持ち場につく。
そのころには、日は落ちて、あたりは完全に闇の中だった。
中でも、王の私室前の廊下は少しの月の光さえ入らない真っ暗闇だ。
暗いのはイヤなので、すぐに蝋燭に火をつけた。
蝋燭もたっぷり予備を持ってきた。
異世界転生して不便なことナンバーワンがコレだな。
夜の間に何もできない。
暗いから寝るしかない。
季節感は日本と同じような感じなのにで冬場は日が短い。
今は夏の終わり頃なので、まだ日は長いが、それでも、夜になると何もできないので、退屈だ。
まあ、その分、美少女を眺めたり、美女で妄想したりと、おいしい思いもしているので、どっちがいいと聞かれたらコッチを選ぶ。
そう思いながら、アイリスのおしりを眺めていた。
お父様はそう言うと、周囲を見回した。
集まったメンバーは、僕、お父様、お母様、フランソワ、アイリス、サイト、宰相、あと、あのイカツイおっさんは近衛騎士隊長かな?
確実な見方という意味ではこれくらいしか呼べないのだろう。
ガーベラは最悪のことを想定して外で待機している。
最悪とは、ガーベラの謀反だ。
無いとは信じたいけど、一応、敵対派閥の旗頭を入れるわけにはいかない。
同じ理由でショコラも入れていない。
ショコラは今頃いつも通り『鑑定』作業をしているはずだ。
「さて、今回は複数の情報スジから城内でのクーデターに関する情報が手に入った。そこで、私が最も信頼している者だけをここに集めた」
おお、なんか選ばれし勇者感がすごいな。
アイリスは僕のメイドだからギリOKとしても、ストライク家が召喚したサイトはギリアウトな気がするけどいいのかな?
「そのクーデターの決行日が今夜ではないかと考えている。それで、みなには、その対処法を考えて、行動に移してほしい。何か案が有る者はいるか?」
近衛騎士隊長らしき人が、手を挙げる。
「うむ、ラーハルト。話してみよ」
「はっ。お初のお方もおられます。わたくしは、ラーハルト・ヒッケラーと申します。近衛騎士隊長を務めております。以後、お見知りおきを」
終わりかよ!
作戦ではなく、自己紹介?
コイツ、空気読めないやつだな?
すると、サイトが手を挙げた。
イヤな予感がする。
「ヘーイ!レディースエーンジェントルメェーン、アイム、サイト!」
ついに日本語消えた。
これで通じるのか?
「え? れでぃーす?」
お母様がいつものツッコミをいれる。
「あ、すいません。私はサイトです」
だれもツッコまないけど、こいつの本名は斎藤だからね。
サイトは聞き間違いで、斎藤一さんです!
しかも、一番重要な『勇者』という情報が抜けてるし。
「もう、自己紹介したいものはおらんか?」
お父様があきれている。
そりゃ、あきれるよね。
フランソワも手を挙げる。
まさか……?
「私はフランソワ・ポーターと申します」
近衛騎士団長だけがドキリとしている。
ほかは皆知ってるからね。
「私の祖父が皆様に大変ご迷惑をおかけいたしましたが、私はこのように陛下のご温情に甘えている次第です。今回は私もポーターの名前を持つものとして命を狙われると伺っています。しかし、緊急時には、私の命など、捨て置いてください。私は陛下の安全が第一だと考えています。よろしくお願いします」
フランソワは肩まで伸びた茶髪を揺らしながら深々とお辞儀をした。
「フランソワ、それはもっともです。陛下の安全が第一義です。しかし、あなたの命も粗末にする気はありません。命を軽んじるようなことは口にすべきではありません」
ぴしゃり、と言い切ったのはお母様だった。
かっこいい。
ちょっと惚れそう。
マザコンだ。
「そうだな、イザベラの言う通り、自分の身も自分で守れ。もちろん、お前にはサイト殿もいるだろう? 自分だけの体だと思ってはいけないぞ?」
え?
自分だけの体ではない?
「はい。承知しました」
フランソワはおなかをさすりながら答えた。
あれ?
妊娠した?
妊婦を戦場に連れてきちゃだめでしょ?
いや、向こうから襲ってくるから、フランソワがいるところが戦場になるもんな。
当初の計画と同じだ。
保護対象である、お父様とフランソワを近くに集めて同時に守る。
何も変更はない。
問題ない。
全員がそれぞれ意見を述べるが、結局は同じだった。
二人を王の私室に閉じ込めて周囲を夜通し警戒する。
念のため、一階の警護にはガーベラを配置し、堂々と攻めてこようものなら剣聖の刀の錆にすると言うものだった。
具体的には、城全体を近衛騎士五百人で夜通し警備、それ以外の五百人は城壁内の巡視、お母様はお父様と同室で、ほかの非戦闘員の方々はお父様の私室の近くの空き部屋に。
僕とサイトはお父様の私室の前で待機、ほかに、近衛騎士からも数名が選抜されて私室前に集まるらしい。
アイリスは僕から離れたくないらしく、横にいる。
宰相と、近衛騎士隊長は三階から全体を見下ろして、指示を出すらしい。
会議終了後、食事をとり、それぞれの持ち場につく。
そのころには、日は落ちて、あたりは完全に闇の中だった。
中でも、王の私室前の廊下は少しの月の光さえ入らない真っ暗闇だ。
暗いのはイヤなので、すぐに蝋燭に火をつけた。
蝋燭もたっぷり予備を持ってきた。
異世界転生して不便なことナンバーワンがコレだな。
夜の間に何もできない。
暗いから寝るしかない。
季節感は日本と同じような感じなのにで冬場は日が短い。
今は夏の終わり頃なので、まだ日は長いが、それでも、夜になると何もできないので、退屈だ。
まあ、その分、美少女を眺めたり、美女で妄想したりと、おいしい思いもしているので、どっちがいいと聞かれたらコッチを選ぶ。
そう思いながら、アイリスのおしりを眺めていた。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる