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第40話 砲撃
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蝋燭に火つけ、アイリスのおしりを眺めていると、二人の人物が現れた。
さっと立ち上がり、警戒する。
「待ってください。私は近衛騎士です。鎧を見てください」
あ、ホントだ。
「私は、近衛騎士隊の中でも白虎組の組長をしています、ロウリッヒ・ザバスと申します。こちらが副官のキャベン・カルメです。アーサー様、サイト様、よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしく、近衛騎士からは二人だけですか?」
「ええ、こちらの通路は一本道なので、たくさんいても剣が振れませんので、この人数にしました」
確かに、5mもないような幅の廊下だ。
ナイフならまだしも、長剣だと振りにくいな。
「そうでしたか。わざわざありがとうございます」
「いえ、それが自分の使命であります」
副長のキャベンがしゃべったが、堅いな。
「副長さん、もっと肩の力抜いてくださいね」
優しいフリだけしとくか。
今晩だけの付き合いだし。
あとは、黙って時間がすぎるのを待っていよう。
どうせ、敵襲があったとしても、ガーベラがバッサバッサとやっつけて終わるだろう。
それに、サルビアも王城を攻めるなんてしたら、破滅することはわかってるだろうし、やるわけないだろう。
うん。
なんとかなるさ。
・・・・・・。
うーん。
世間話するのはイヤだし、アイリスのおしりを眺めるのも飽きてきたな。
サイトは殻にこもって、じっとしてるし。
アイツもひょっとしたらダメ系陰キャだったのか?
さっきのロウリッヒとのやりとりも一切入ってこなかったしな。
っていうか、サイトは人から話を振られないと入ってこないよな?
まあ、あのノリで常に話しかけられたら、すぐに『催眠術』で一生しゃべられない体にしてやるところだけどね。
ロウリッヒとキャベンの二人は少し離れたところで二人でしゃべってるしな。
退屈だな。
護衛任務中に退屈なのはいいことなんだろうけど。
何か刺激がほしいな。
どぉぉぉおおおおおーーーん!
ああ、そっちの方向の刺激ですか。
もう、間に合ってます。
真っ暗だから、全く見えないけど、音と振動から考えると、城へ大砲のようなものを打ち込んできたんだな。
派手にやりすぎだろ。
完全にテロというかクーデターじゃないか。
国家転覆を本気で狙っている攻撃だ。
周りが全て石の壁だから全く見えないけど、かすかに叫び声が聞こえた気がした。
「来ましたね」
アイリスが盾を構えている。
こんなことなら『盾』スキルをもっと上げておけばよかった。
だって、レベル1だよ?
本当に守れるのかな?
すると、一人誰かがやってきた。
そいつは「伝令!」と叫んでいる。
「キャベンさん、間違いないですか?」
「はい、コイツは白虎組のメンバーです」
それなら流石に見間違いはしないだろう。
どぉぉぉおおおおおーーーん!
油断していると第二弾が撃ち込まれた。
音から察するに、砲撃は同じ場所を狙っている。
砲台自体が一台なのかもしれないな。
「伝令です。陛下へお伝えください」
「わかった、言ってみろ」
ちょっと、隊長っぽく言ってみる。
少し憧れてたんだよね。
「はっ。敵本隊より巨大魔術で砲撃されています。発射元はサルビア・セージ、賢者です」
「え?」
「ですから、発射元はサルビア・セージ、賢者です!」
聞こえてるよ!
内容に驚いてるだけだ。
バカな。
いくらバカなサルビアでもこんなことはしないと思ってた。
城に攻撃したら打ち首は確定だ。
なんてことだ。
きっと、何か弱みを握られているのかもしれない。
敵の本隊をつぶしに行こう。
違う。
「敵の本隊とは誰のことだ?」
「はっ、アウグスト公爵です」
「謀反ということだな?」
「そういうことです」
「わかった、このことは誰が知っている?」
「三階にいる宰相閣下と近衛騎士隊長です」
「わかった。もう下がれ」
「はっ」
お父様にこのことは伏せておこう。
最悪でも『催眠術』で知っているやつの記憶を改ざんしてもいい。
サルビアのことだけは伏せておくか。
「キャベン、僕が言ってくるよ」
「はい、わかりました」
ドアをノックすると「入れ」と言われた。
重厚な扉を開けると、中には下着姿のお母様がいた。
え?
なにしてんの?
いや、ナニしてんの?
バカじゃない?
まじめにやるのがアホらしくなってきた。
テキトーにしよう。
「お父様、お忙しいところすみません」
イヤミから入ろう。
「大丈夫だ。なんだ?」
僕は大丈夫じゃない。
そして、フランソワが不憫だ。
まあ、メイドならこれくらいは仕事のウチなのかな?
「はい、伝令がまいりました。先ほどの音は謀反による攻撃です。謀反を起こしたのはアウグスト公爵です。戦闘準備をしてください」
「わかった。被害の状況は?」
「いえ、現在確認中です」
知らんけど、テキトーに言っとこ。
「今から三階へ行く、アーサーとサイト殿は一階の増援へ。白虎組の二人は私の警護だ。フランソワ、準備を急げ」
いや、お前が脱がせたから着せるの大変なんだろがい。
なぜかわからないけど、僕とサイトは最前線へ行かされた。
さっと立ち上がり、警戒する。
「待ってください。私は近衛騎士です。鎧を見てください」
あ、ホントだ。
「私は、近衛騎士隊の中でも白虎組の組長をしています、ロウリッヒ・ザバスと申します。こちらが副官のキャベン・カルメです。アーサー様、サイト様、よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしく、近衛騎士からは二人だけですか?」
「ええ、こちらの通路は一本道なので、たくさんいても剣が振れませんので、この人数にしました」
確かに、5mもないような幅の廊下だ。
ナイフならまだしも、長剣だと振りにくいな。
「そうでしたか。わざわざありがとうございます」
「いえ、それが自分の使命であります」
副長のキャベンがしゃべったが、堅いな。
「副長さん、もっと肩の力抜いてくださいね」
優しいフリだけしとくか。
今晩だけの付き合いだし。
あとは、黙って時間がすぎるのを待っていよう。
どうせ、敵襲があったとしても、ガーベラがバッサバッサとやっつけて終わるだろう。
それに、サルビアも王城を攻めるなんてしたら、破滅することはわかってるだろうし、やるわけないだろう。
うん。
なんとかなるさ。
・・・・・・。
うーん。
世間話するのはイヤだし、アイリスのおしりを眺めるのも飽きてきたな。
サイトは殻にこもって、じっとしてるし。
アイツもひょっとしたらダメ系陰キャだったのか?
さっきのロウリッヒとのやりとりも一切入ってこなかったしな。
っていうか、サイトは人から話を振られないと入ってこないよな?
まあ、あのノリで常に話しかけられたら、すぐに『催眠術』で一生しゃべられない体にしてやるところだけどね。
ロウリッヒとキャベンの二人は少し離れたところで二人でしゃべってるしな。
退屈だな。
護衛任務中に退屈なのはいいことなんだろうけど。
何か刺激がほしいな。
どぉぉぉおおおおおーーーん!
ああ、そっちの方向の刺激ですか。
もう、間に合ってます。
真っ暗だから、全く見えないけど、音と振動から考えると、城へ大砲のようなものを打ち込んできたんだな。
派手にやりすぎだろ。
完全にテロというかクーデターじゃないか。
国家転覆を本気で狙っている攻撃だ。
周りが全て石の壁だから全く見えないけど、かすかに叫び声が聞こえた気がした。
「来ましたね」
アイリスが盾を構えている。
こんなことなら『盾』スキルをもっと上げておけばよかった。
だって、レベル1だよ?
本当に守れるのかな?
すると、一人誰かがやってきた。
そいつは「伝令!」と叫んでいる。
「キャベンさん、間違いないですか?」
「はい、コイツは白虎組のメンバーです」
それなら流石に見間違いはしないだろう。
どぉぉぉおおおおおーーーん!
油断していると第二弾が撃ち込まれた。
音から察するに、砲撃は同じ場所を狙っている。
砲台自体が一台なのかもしれないな。
「伝令です。陛下へお伝えください」
「わかった、言ってみろ」
ちょっと、隊長っぽく言ってみる。
少し憧れてたんだよね。
「はっ。敵本隊より巨大魔術で砲撃されています。発射元はサルビア・セージ、賢者です」
「え?」
「ですから、発射元はサルビア・セージ、賢者です!」
聞こえてるよ!
内容に驚いてるだけだ。
バカな。
いくらバカなサルビアでもこんなことはしないと思ってた。
城に攻撃したら打ち首は確定だ。
なんてことだ。
きっと、何か弱みを握られているのかもしれない。
敵の本隊をつぶしに行こう。
違う。
「敵の本隊とは誰のことだ?」
「はっ、アウグスト公爵です」
「謀反ということだな?」
「そういうことです」
「わかった、このことは誰が知っている?」
「三階にいる宰相閣下と近衛騎士隊長です」
「わかった。もう下がれ」
「はっ」
お父様にこのことは伏せておこう。
最悪でも『催眠術』で知っているやつの記憶を改ざんしてもいい。
サルビアのことだけは伏せておくか。
「キャベン、僕が言ってくるよ」
「はい、わかりました」
ドアをノックすると「入れ」と言われた。
重厚な扉を開けると、中には下着姿のお母様がいた。
え?
なにしてんの?
いや、ナニしてんの?
バカじゃない?
まじめにやるのがアホらしくなってきた。
テキトーにしよう。
「お父様、お忙しいところすみません」
イヤミから入ろう。
「大丈夫だ。なんだ?」
僕は大丈夫じゃない。
そして、フランソワが不憫だ。
まあ、メイドならこれくらいは仕事のウチなのかな?
「はい、伝令がまいりました。先ほどの音は謀反による攻撃です。謀反を起こしたのはアウグスト公爵です。戦闘準備をしてください」
「わかった。被害の状況は?」
「いえ、現在確認中です」
知らんけど、テキトーに言っとこ。
「今から三階へ行く、アーサーとサイト殿は一階の増援へ。白虎組の二人は私の警護だ。フランソワ、準備を急げ」
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