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第31話 スキルも金しだい
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ストライク家へ来た。
ストライク家はアーサー邸から少し離れているので馬車で30分ほどかかった。
もちろん、前日にお邪魔する旨を書いた手紙を送っているので、問題なく迎えてくれた。
目の前にはストライク家当主のライオネラがいる。
いや、ライオネラお義父さんだ。
僕がなにを言いたいのか、結論から言おう、どうやらスキルは金で買えるらしい。
実際にはスキルは買えないが、持っているかのように、振る舞うことはできるということだ。
そう、この目の前のおっさんは『剣聖』スキルを持っていないと、僕の『鑑定』が教えてくれた。
僕は『鑑定』レベルが1なので1日1回しかできない。
だから、あまり使ってこなかったが、何気なく使ってみたのだ。
そしたら、このおっさんに『剣聖』がないことが発覚した。
「お義父さんは、『剣聖』スキルを持っているのですよね?」
いきなりブッこんでみた。
「もちろん、持っているとも持っていなければストライク家の当主はできないからな」
「でも、剣聖の位にはつかなかったんですよね?」
「それは、父が剣聖を長く務めたからだ」
目が泳いでいる。
コイツ嘘がヘタだな。
こんなんで貴族できているのか?
おそらく、鑑定屋に金を握らせてスキルがあるかのように振る舞っているのだろう。
この国の鑑定屋が腐っているのはショコラで十分理解した。
自分の鑑定で見たものしか信用できないというわけだな。
勉強になったな。
まあ、いいや。
本題に移ろう。
「唐突にすいませんでした。本日はガーベラ嬢に新居のご案内をしようと思い、参りました」
「おお、もう屋敷を購入されたのか。それはすごいな。てっきり私が用意しなければならないと思っていたぞ」
威厳たっぷりに恩を着せようとしてくる。
侯爵マウントが取りたいのか?
「いえ、叙爵の祝いとして陛下より下賜されましたので、それを新居といたします」
こう言えば、どんなボロ家でも文句は言えまい。
アーサー邸はボロくはないが、内装がショボい。
家具をほぼすべて持っていかれたので、今はベッドだけある。
テーブル類すらないので、その辺の木の箱をテーブルにしている。
あ、金出す気あるんなら、内装頼もうかな。
「そうかそうか。さすがだな。私が見込んだだけのことはある。必ず王になってもらうからな」
「は、はぁ」
テキトーに流す。
「あ、それより、今、家具が一切無いんですよ、ベッドだけは持ち金で何とかそろいましたけど、そちらの準備をお願いしてもいいですか?」
「もちろんだとも。未来の王の家だ。立派にしてやろう。住所はどこだ?」
「元セージ邸を下賜してもらいました」
「あぁ……」
露骨にイヤそうな顔をしたな。
舌打ちされそうだ。
「そうか、セージ家もいるんだな。ガーベラに何かあればいくらアーサーでも許さんからな」
いつの間にか敬称が外されている。
距離の詰め方がウザい。
僕はお前の財産には興味があるが、お前自身には興味がないんだよ。
さて、愛しのガーベラちゃんと再開しますかね。
「して、ガーベラ嬢はどちらに?」
「ああ、さっきからそこにいるだろ?」
「え?」
あ、また、庭からこちらを覗いている。
中には入って来られないんだな。
やっぱ陰キャだな。
こんなんでよく剣聖ができてるよな。
あ、でも、剣を握ると性格変わるから大丈夫か。
「ガーベラ! 入っておいでよ!」
呼んでみたら、ダッシュで入ってきた。
実は入りたかったのか。
呼ばれ待ちだったわけだ。
「やあ、今日は新居へ連れて行こうと思って迎えにきたよ」
「新居ですか? もう用意されたのですね。さすがは、アーサー」
何にさすがなのかはわからない。
「用意したというか、祝いに下賜されただけだから、見学に来てよ」
「もちろん行きます。それでは着替えてきますね」
「え、もう、その恰好でいいんじゃないの?」
「いえ、初めての訪問です、美しいドレスを着たいです」
「いやいや、我が家に来るだけだよ?」
極端だな。
陰キャの特性だな。
TPOがわからないんだろう。
「そうですね。それでは、案内していただけますか?」
「ええ、もちろん、お嬢様」
そう言うと、手を取っていた。
なんか、ガーベラって落ち着くんだよな。
緊張せずに話せるというか。
同じ陰キャなのが落ち着くのかもしれない。
「それではお義父さん、行ってきます」
「今日は泊まりか?」
「ぶっ!」
吹き出してしまった。
「はい! 泊まってきます」
代わりにガーベラが話を進めていた。
この時代だとこれくらいの貞操観念なのかもしれないね。
「まぁ、ウチの状態を見て泊まれそうなら泊まってください」
「そうですね。晩御飯までは確実にお邪魔しましょう」
「そうだな。見てから決めてこい。早く世継ぎを作ってもいいんだぞ?」
おいおい。
娘にそんなことを言うなよ。
「は、ぃ……」
ガーベラは恥ずかしそうに下を向いた。
かわいいな。
襲っちまうかもしれないな。
しかし、ライオネラは王の世継ぎを早く見たいんだろうな。
僕が王になる前提で話を進めている。
こいつも困ったちゃんだ。
まぁ、勝手に期待する分には構わんけど、迷惑かけるなよ?
こうして、ガーベラを迎えに来ただけなのに、長話をしてしまった。
今度こそ連れて帰ろう。
ストライク家はアーサー邸から少し離れているので馬車で30分ほどかかった。
もちろん、前日にお邪魔する旨を書いた手紙を送っているので、問題なく迎えてくれた。
目の前にはストライク家当主のライオネラがいる。
いや、ライオネラお義父さんだ。
僕がなにを言いたいのか、結論から言おう、どうやらスキルは金で買えるらしい。
実際にはスキルは買えないが、持っているかのように、振る舞うことはできるということだ。
そう、この目の前のおっさんは『剣聖』スキルを持っていないと、僕の『鑑定』が教えてくれた。
僕は『鑑定』レベルが1なので1日1回しかできない。
だから、あまり使ってこなかったが、何気なく使ってみたのだ。
そしたら、このおっさんに『剣聖』がないことが発覚した。
「お義父さんは、『剣聖』スキルを持っているのですよね?」
いきなりブッこんでみた。
「もちろん、持っているとも持っていなければストライク家の当主はできないからな」
「でも、剣聖の位にはつかなかったんですよね?」
「それは、父が剣聖を長く務めたからだ」
目が泳いでいる。
コイツ嘘がヘタだな。
こんなんで貴族できているのか?
おそらく、鑑定屋に金を握らせてスキルがあるかのように振る舞っているのだろう。
この国の鑑定屋が腐っているのはショコラで十分理解した。
自分の鑑定で見たものしか信用できないというわけだな。
勉強になったな。
まあ、いいや。
本題に移ろう。
「唐突にすいませんでした。本日はガーベラ嬢に新居のご案内をしようと思い、参りました」
「おお、もう屋敷を購入されたのか。それはすごいな。てっきり私が用意しなければならないと思っていたぞ」
威厳たっぷりに恩を着せようとしてくる。
侯爵マウントが取りたいのか?
「いえ、叙爵の祝いとして陛下より下賜されましたので、それを新居といたします」
こう言えば、どんなボロ家でも文句は言えまい。
アーサー邸はボロくはないが、内装がショボい。
家具をほぼすべて持っていかれたので、今はベッドだけある。
テーブル類すらないので、その辺の木の箱をテーブルにしている。
あ、金出す気あるんなら、内装頼もうかな。
「そうかそうか。さすがだな。私が見込んだだけのことはある。必ず王になってもらうからな」
「は、はぁ」
テキトーに流す。
「あ、それより、今、家具が一切無いんですよ、ベッドだけは持ち金で何とかそろいましたけど、そちらの準備をお願いしてもいいですか?」
「もちろんだとも。未来の王の家だ。立派にしてやろう。住所はどこだ?」
「元セージ邸を下賜してもらいました」
「あぁ……」
露骨にイヤそうな顔をしたな。
舌打ちされそうだ。
「そうか、セージ家もいるんだな。ガーベラに何かあればいくらアーサーでも許さんからな」
いつの間にか敬称が外されている。
距離の詰め方がウザい。
僕はお前の財産には興味があるが、お前自身には興味がないんだよ。
さて、愛しのガーベラちゃんと再開しますかね。
「して、ガーベラ嬢はどちらに?」
「ああ、さっきからそこにいるだろ?」
「え?」
あ、また、庭からこちらを覗いている。
中には入って来られないんだな。
やっぱ陰キャだな。
こんなんでよく剣聖ができてるよな。
あ、でも、剣を握ると性格変わるから大丈夫か。
「ガーベラ! 入っておいでよ!」
呼んでみたら、ダッシュで入ってきた。
実は入りたかったのか。
呼ばれ待ちだったわけだ。
「やあ、今日は新居へ連れて行こうと思って迎えにきたよ」
「新居ですか? もう用意されたのですね。さすがは、アーサー」
何にさすがなのかはわからない。
「用意したというか、祝いに下賜されただけだから、見学に来てよ」
「もちろん行きます。それでは着替えてきますね」
「え、もう、その恰好でいいんじゃないの?」
「いえ、初めての訪問です、美しいドレスを着たいです」
「いやいや、我が家に来るだけだよ?」
極端だな。
陰キャの特性だな。
TPOがわからないんだろう。
「そうですね。それでは、案内していただけますか?」
「ええ、もちろん、お嬢様」
そう言うと、手を取っていた。
なんか、ガーベラって落ち着くんだよな。
緊張せずに話せるというか。
同じ陰キャなのが落ち着くのかもしれない。
「それではお義父さん、行ってきます」
「今日は泊まりか?」
「ぶっ!」
吹き出してしまった。
「はい! 泊まってきます」
代わりにガーベラが話を進めていた。
この時代だとこれくらいの貞操観念なのかもしれないね。
「まぁ、ウチの状態を見て泊まれそうなら泊まってください」
「そうですね。晩御飯までは確実にお邪魔しましょう」
「そうだな。見てから決めてこい。早く世継ぎを作ってもいいんだぞ?」
おいおい。
娘にそんなことを言うなよ。
「は、ぃ……」
ガーベラは恥ずかしそうに下を向いた。
かわいいな。
襲っちまうかもしれないな。
しかし、ライオネラは王の世継ぎを早く見たいんだろうな。
僕が王になる前提で話を進めている。
こいつも困ったちゃんだ。
まぁ、勝手に期待する分には構わんけど、迷惑かけるなよ?
こうして、ガーベラを迎えに来ただけなのに、長話をしてしまった。
今度こそ連れて帰ろう。
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