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第32話 お泊り会
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ガーベラを馬車で我が家へ招くと、周囲からは喝采が沸いた。
「ガーベラ様かわいい!」
「剣聖様! すてき!」
「ついに結婚するの?」
「相手はアーサー様?」
「ストライク家め、覚えておけよ!」
「かならず返り咲いてやる!」
後半は物騒なものであったが、全てセージ家の面々からで、周囲の住民からは好意的に見られているようだ。
やはり、セージ家は取り潰しの直接的な原因であるストライク家を恨んでいるようだ。
もうすぐ、一緒に暮らすのだから、その辺りは水に流してもらいたいものだ。
「セージ家のみなさん。ちょっと、落ち着きましょうか。これから一緒に暮らすことになるのですよ? いつまでもそんなこと言ってても何もかわりませんよ?」
「そうですね。すいません。取り乱してしましまいた。気を付けます」
「そうですね。サルビアとガーベラは旧知の仲とも聞いています。二人の関係にも水を差さないようにお願いしますね」
「承知しました」
使用人が板についてきたのか、お義父さんは動きがこなれてきた。
僕とガーベラを馬車から降ろす仕草も様になっている。
執事として板についてきたのだろうか。
そろそろ、制服も導入したいな。
収入がどうなってるのかさっぱりわからんけど、お金が入れば制服を作って、それっぽくしてみよう。
「さて、ガーベラ、これが我が家だよ。旧セージ家をリフォームして使ってるんだ。どうかな?」
「立派なお屋敷ですね。中を拝見しても?」
「もちろん。でもね、中は何もないから期待しないでほしいな」
「わかりました」
中に入って第一声。
「ホントになにも無いですね」
「そうなんだよ。まだ、屋敷をもらっただけで、手を付けていないんだ」
「そうでしたね。わかりました。実家の家具を少し分けてもらいましょう」
「え? いいの?」
「もちろんです。おじい様が家具を買うのが好きで、倉庫にたくさん眠っています」
「お、ラッキー。それじゃ、甘えます」
「さっそくですが、取りにいきましょう」
そして、馬車を使って荷物の運び入れが進んだ。
ライオネラはこころよく家具を分けてくれたし、使用人たちは一生懸命働いた。
ついでに、侯爵家の執事服とメイド服もかっぱらってきた。
何着も予備があったのでバレないだろう。
寸法直しはアイリスができたので、全員の制服も整った。
さすがに子供用の制服はなかったので、準備ができなかった。
サルビアの弟や妹に服を用意してやるのも主人の勤めだろう。
「晩御飯は豪華にしますね」
そう言ったのはサルビアの母ホーリィの言葉だ。
「そうですね。せっかくガーベラが泊まりに来てくれたわけですしね」
「やったぁ!」
と、喜ぶのはサルビアの弟たちと妹だ。
彼らはみんな小学生くらいなので、年相応に喜んでいるのだろう。
「バリスお義父さん、子爵の給料ってだれからどれだけもらえるんですか?」
気になっていたので聞いてみた。
「貴族は普通、国からの給料と領地からの税収があります。国からの給料は毎月金貨五枚もらえます。あとは、領地からの税収ですが、子爵は領地を持っていないので、親になる侯爵か公爵を見つけないといけません。しかし、アーサー様はガーベラ様と婚約されていますので、ストライク家の領地経営に参画できるでしょう」
なるほどね。
おおむね、予想通りだったけど、国から金貨五枚もらえるのはうれしい誤算だな。
金貨一枚で十万円くらいの価値かと思う。
「わかりました。明日、ガーベラを送り届けるときに親となってくれるか、確認してきます」
「そうですね。それがよろしいかと」
「あ、そうだ、サルビアは会えなかった時間が長かったけど、何か不安なこととかない?」
「私はありませんが、貴族ではない私が王子と結婚するなんて世間が認めてくれるでしょうか?」
あれ? そんなしゃべり方だっけ?
「ん? まぁ、なんとかなるんじゃない? お父様も認めていることだし、外野がゴチャゴチャ言えないでしょ?」
王族の強権発動だ。
「そうですかね?」
「そんなことより、話し方が少し変わったね? 前のダンジョンでしゃべったときはもっとフランクな関係だったじゃないか?」
「いえ、あれは王族の方とは知らなかったが故の無礼です。申し訳ございません」
ああ、そういえば、そうだったな。
王族だとわかったら、口調が変わってたな。
「そんなこと気にしなくていいのに。だって、もうすぐ夫婦だよ? ずっと、それでやっていくの?」
「そ、それも……そうね。夫婦の間だったら気にしてられないね」
「うん。絶対そっちの方がいいよ。これからはそんな感じでしゃべってね」
「わかった。これからもよろしくね。ガーベラもよろしく」
「そうですね。こちらこそよろしくお願いします」
「ガーベラはそれが元々の話し方だもんね」
陰キャだし。
「そうですね。家でもこんな感じです」
「よし、それじゃ、ガーベラの部屋へ案内するよ。こっち来て」
「はい」
「ガーベラの部屋は二階のこの部屋だよ。今はベッドしかないけど、引っ越しの時には、好きなものを持ってくるといいよ」
「そうですね。実家から持ってくることにします」
「みんなで運ぶから声かけてね」
「わかりました」
ガーベラ銀の髪を揺らしながらはにっこり微笑む
引っ越しはまだ半年以上先になるが、たまに遊びに来てもらおう。
サルビアとは一緒に住むのに、ガーベラだけ仲間外れにするのはよくないからね。
いや、違うな。
たくさんの美少女にちやほやされる自分に酔いたいのかな?
婚約者二人がいるとアイリスは一言も話さずにメイド業に専念している。
しかし、彼女も美少女だ。
是非とも会話に参加して、僕をちやほやしてほしい。
そのためには彼女ともっと仲良くなる必要があるな。
この前のダンジョン攻略も中途半端だったし、何かこう、達成感のあるイベントがほしいな。
「ガーベラ様かわいい!」
「剣聖様! すてき!」
「ついに結婚するの?」
「相手はアーサー様?」
「ストライク家め、覚えておけよ!」
「かならず返り咲いてやる!」
後半は物騒なものであったが、全てセージ家の面々からで、周囲の住民からは好意的に見られているようだ。
やはり、セージ家は取り潰しの直接的な原因であるストライク家を恨んでいるようだ。
もうすぐ、一緒に暮らすのだから、その辺りは水に流してもらいたいものだ。
「セージ家のみなさん。ちょっと、落ち着きましょうか。これから一緒に暮らすことになるのですよ? いつまでもそんなこと言ってても何もかわりませんよ?」
「そうですね。すいません。取り乱してしましまいた。気を付けます」
「そうですね。サルビアとガーベラは旧知の仲とも聞いています。二人の関係にも水を差さないようにお願いしますね」
「承知しました」
使用人が板についてきたのか、お義父さんは動きがこなれてきた。
僕とガーベラを馬車から降ろす仕草も様になっている。
執事として板についてきたのだろうか。
そろそろ、制服も導入したいな。
収入がどうなってるのかさっぱりわからんけど、お金が入れば制服を作って、それっぽくしてみよう。
「さて、ガーベラ、これが我が家だよ。旧セージ家をリフォームして使ってるんだ。どうかな?」
「立派なお屋敷ですね。中を拝見しても?」
「もちろん。でもね、中は何もないから期待しないでほしいな」
「わかりました」
中に入って第一声。
「ホントになにも無いですね」
「そうなんだよ。まだ、屋敷をもらっただけで、手を付けていないんだ」
「そうでしたね。わかりました。実家の家具を少し分けてもらいましょう」
「え? いいの?」
「もちろんです。おじい様が家具を買うのが好きで、倉庫にたくさん眠っています」
「お、ラッキー。それじゃ、甘えます」
「さっそくですが、取りにいきましょう」
そして、馬車を使って荷物の運び入れが進んだ。
ライオネラはこころよく家具を分けてくれたし、使用人たちは一生懸命働いた。
ついでに、侯爵家の執事服とメイド服もかっぱらってきた。
何着も予備があったのでバレないだろう。
寸法直しはアイリスができたので、全員の制服も整った。
さすがに子供用の制服はなかったので、準備ができなかった。
サルビアの弟や妹に服を用意してやるのも主人の勤めだろう。
「晩御飯は豪華にしますね」
そう言ったのはサルビアの母ホーリィの言葉だ。
「そうですね。せっかくガーベラが泊まりに来てくれたわけですしね」
「やったぁ!」
と、喜ぶのはサルビアの弟たちと妹だ。
彼らはみんな小学生くらいなので、年相応に喜んでいるのだろう。
「バリスお義父さん、子爵の給料ってだれからどれだけもらえるんですか?」
気になっていたので聞いてみた。
「貴族は普通、国からの給料と領地からの税収があります。国からの給料は毎月金貨五枚もらえます。あとは、領地からの税収ですが、子爵は領地を持っていないので、親になる侯爵か公爵を見つけないといけません。しかし、アーサー様はガーベラ様と婚約されていますので、ストライク家の領地経営に参画できるでしょう」
なるほどね。
おおむね、予想通りだったけど、国から金貨五枚もらえるのはうれしい誤算だな。
金貨一枚で十万円くらいの価値かと思う。
「わかりました。明日、ガーベラを送り届けるときに親となってくれるか、確認してきます」
「そうですね。それがよろしいかと」
「あ、そうだ、サルビアは会えなかった時間が長かったけど、何か不安なこととかない?」
「私はありませんが、貴族ではない私が王子と結婚するなんて世間が認めてくれるでしょうか?」
あれ? そんなしゃべり方だっけ?
「ん? まぁ、なんとかなるんじゃない? お父様も認めていることだし、外野がゴチャゴチャ言えないでしょ?」
王族の強権発動だ。
「そうですかね?」
「そんなことより、話し方が少し変わったね? 前のダンジョンでしゃべったときはもっとフランクな関係だったじゃないか?」
「いえ、あれは王族の方とは知らなかったが故の無礼です。申し訳ございません」
ああ、そういえば、そうだったな。
王族だとわかったら、口調が変わってたな。
「そんなこと気にしなくていいのに。だって、もうすぐ夫婦だよ? ずっと、それでやっていくの?」
「そ、それも……そうね。夫婦の間だったら気にしてられないね」
「うん。絶対そっちの方がいいよ。これからはそんな感じでしゃべってね」
「わかった。これからもよろしくね。ガーベラもよろしく」
「そうですね。こちらこそよろしくお願いします」
「ガーベラはそれが元々の話し方だもんね」
陰キャだし。
「そうですね。家でもこんな感じです」
「よし、それじゃ、ガーベラの部屋へ案内するよ。こっち来て」
「はい」
「ガーベラの部屋は二階のこの部屋だよ。今はベッドしかないけど、引っ越しの時には、好きなものを持ってくるといいよ」
「そうですね。実家から持ってくることにします」
「みんなで運ぶから声かけてね」
「わかりました」
ガーベラ銀の髪を揺らしながらはにっこり微笑む
引っ越しはまだ半年以上先になるが、たまに遊びに来てもらおう。
サルビアとは一緒に住むのに、ガーベラだけ仲間外れにするのはよくないからね。
いや、違うな。
たくさんの美少女にちやほやされる自分に酔いたいのかな?
婚約者二人がいるとアイリスは一言も話さずにメイド業に専念している。
しかし、彼女も美少女だ。
是非とも会話に参加して、僕をちやほやしてほしい。
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