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新島真乃(一人称・夢の中で触手攻め・寸止め焦らし)
新島真乃⑥
しおりを挟むあの後、私は教室に戻って、うずうずする体を持て余したまま、午後の授業を耐え続けた。それは地獄のような時間だった。クリや乳首をいじったせいで、体は物凄く敏感になっていたから、絶対に変な声を出さないように、常に気を張っていなければならなかった。下手に体を動かすと、下着の布が敏感なところに擦れて感じてしまうし、シャツやスカート、髪の毛の先が肌に触れているだけでも、意識してしまうような状態だった。
私たち三年生はもう部活を引退しているので、ホームルームが終わると、すぐに帰ることができる。幸いなことに今日は掃除当番もない。
「真乃(まの)、大丈夫?」「なんかすっごく体調悪そうだけど。熱あるんじゃない?」「一人で帰れる? 送っていこうか?」
仲のいい友だちが私を心配して、何度も声をかけてくれた。
その度に私は、顔を俯かせたまま首を振り、「一人で大丈夫。ありがとう」と言うのが精いっぱいだった。一刻も早く家に帰らなきゃならない。
昇降口でローファーを出して履くために、手を伸ばしたりかがんだりしたとき、服や下着が肌と擦れて、変な声を出しそうになった。だけど、ギリギリで我慢して、ぎこちない足取りで校舎を出た。
次の難関は、自転車だった。歩いて帰ると遠くて時間がかかりすぎるし、とにかく早く家に着くには自転車を使うしかない。サドルに跨(またが)って座る位置を調整するとき、敏感なところの近くがサドルの細くなった部分に当たってしまい、私はイキそうになった。
「ん゛うっ……♡」
だけどやっぱりイケなくて、じーんとする下腹部に力を入れ、その半端な快楽が引いてくれるのを待ってから、私は自転車を漕ぎ出した。漕いでいる間も、敏感なところの周りが下着とたびたび擦れて、気持ち良くなってしまう。今すぐショーツの布の上から指で触ったら、どんなに気持ちいいだろう? だけど外で、そんなことをしたら変態になってしまうから、風になびくスカートを押さえるか整える振りをして、スカート越しにちょっと触れるくらいしかできなかった。だけどそれくらいじゃ、疼きはおさまらない。
ニ十分ほどかけて家にたどり着き、「ただいま」も言わずに自分の部屋に滑り込んでカギをかけた。体の奥のほうが熱くて、肌はじんじんしていて、もう我慢できなくてベッドに倒れ込み、陰部に手を伸ばす。
「んあっ♡ あっ♡! あぅうっ♡ ああっ♡!」
ようやく声を出せるようになったので、私は枕に顔を押し付けて喘いだ。膝を突き、お尻を突き出した格好で、片手はクリをショーツの上から撫で、もう片手はシャツをはだけさせて乳首を直接コリコリする。
「イキたい……♡ もう一度、イキたいのに……♡」
あの日、夢の中で味わった、人生でたった一度だけの絶頂が忘れられない。
私はその日、夕食やお風呂の時間以外は、ほとんどずっと自分の体を慰めていた。自分で触っている間は、切ない疼きが少しだけ満たされて楽になるのだけど、触るのをやめてしばらくすると、また体が快楽を求め始めるのだ。
夜は悶々(もんもん)としてなかなか寝付けなかった。できるだけ何も考えないようにしたけれど、無意識のうちに手は敏感なところをまさぐっている。結局、ちゃんと寝られないまま、翌日の朝を迎えてしまった。
寝不足の体を引きずって登校し、椅子に正しい姿勢で着席したまま、疼きをやり過ごす。昼休みには、いけないことだと分かっていたけど、校舎の五階の隅の生徒たちが一番寄り付かないトイレで、自慰にふけってしまった。授業が全て終わる頃には、身も心もくたくたに疲れ果てていて、家に帰ってくると、崩れるようにベッドに倒れ込んだ。それでまた次の朝がやってくるまで、イケないと分かっていながら火照った体を自分で慰める。次第に布越しに触るのではもどかしくなり、パンツの中に手を入れて、直接クリを触るようになった。
週末がやってきた。
私は退魔師としての登録を更新するために、退魔師協会の支部に行くことになっていた。協会の支部は電車で二駅のところにある。やることはIDの確認や書類の提出で、すぐに終わる簡単な用事だ。
高校一年のときから、一人で電車を使って支部へ行き、手続きをするようにしている。高校三年生になってまで、いちいち親に頼るのはカッコ悪い。でも今は体がこんな状態だから、どうしようか迷う。
支部に電話して、手続きを延期してもらう? お母さんに今回だけ車で連れていってもらう? どちらにしても、「どうして?」と聞かれたときのことを考えると、説明は面倒だし、億劫に感じた。何より私はここ数日、寝不足で、あまり頭が回らないのだ。
結局、何も考えずに、いつも通りのやり方――つまり自分で直接支部へ行って、手続きを終わらせてしまうことにした。
大丈夫。すぐに終わるから。このくらいの時間だったら、体がちょっと疼いても我慢できそう。
動きやすさ重視で、Tシャツと膝丈のスカートを着て、駅に向かった。嬉しいことに土曜の電車は空いている。協会支部のある町は私が住んでいるところより都会だけど、あまり人出は多くなかった。手続きもあっという間に終わって、ほっとした気持ちで、私は駅に戻る。
すると、多くの人が駅に向かって歩いているのが見えた。どうやら近くで何かのイベントがあったみたい。駅のホームも行きとは比べ物にならないほど混んでいた。
どうしよう。こんなに人がいるのは不安だけど、できれば早く家に着きたいし、今日はあまり体も疼いていないし……。
電車が来て、たくさんの人がドアから吸い込まれていく。満員電車とまではいかないけれど、かなり立つ人も多い。私は迷ったけれど、ちょっとの時間だからと思って電車に乗った。
ここを頑張って乗り切れば、あとはずっと自分の部屋にこもっていられる。明日は日曜日だから、どこへも行く必要がないし。
電車が動き出す。私は手すりをつかんで、気を紛らわすために、じっと窓の外の景色を見ていた。
一駅目が過ぎた頃、私は違和感を覚えた。最初は下半身の敏感なところが疼き始めたのかと思ったけど、どうやら違う。お尻の辺りに、何か硬いものが当たっている……?
車内の窓に映っているのは、私の顔。後ろに中年のおじさんが立っている。やけに私に近い?
それにこの感触……今度はお尻を撫でられてる!?
こいつ、絶対に痴漢だ! 最悪! もうすぐ降りる駅に着くっていうところなのに!
妖魔は人間にとっての敵だけど、痴漢も女の子にとっての敵に違いない。だから許せない! 駅員さんに突き出してやる!
だけどそこで、私はふと思った。このおじさんを痴漢の現行犯として駅員さんに突き出したとして、その後、どうなるか。私は被害者として警察に被害や状況などを説明しないといけないのでは? そうなれば、すぐには帰ることができない。……それは困る。
私はそんなことを考えているうちに、ちょっと変な気分になってきてしまった。体が火照り始めたのだ。
本当に最悪だ……。これじゃ、まるで、私がおじさんにお尻を触られて興奮しているみたい……。
あと少しだけ、ほんの数分だけ我慢すれば、電車が駅に着くから、おじさんの魔の手から逃げられる。おじさんに罰を与えることはできないし、悔しいけれど、何もしないほうが、私は早くうちへ帰れる。もう体が疼き始めてしまった以上、一刻も早くうちへ帰らないといけない。
だから不承不承に、無抵抗を決め込んだ。
……私に感謝しなさいよ! こんな状況じゃなければ、あんたは駅員さんに突き出されて、社会的に死んでるんだからね!
私のお尻を触るおじさんは、そんなことは露(つゆ)知らず、調子に乗って私のお尻をもっと大胆に揉みしだく。……最低! 今すぐ振り向きざまに、顔面パンチを食らわせてやりたい。だけどそんなことをすれば騒ぎになって、すぐには家に帰れなくなってしまうから、我慢するしかない。
「次は、月夜原(つきよはら)~。月夜原(つきよはら)~」
車内アナウンスが流れる。もうすぐだ!
私がアナウンスに気を取られていたとき、おじさんがスカートをまくり上げて、私の一番敏感なところに指を這わせた。
「んぁあっ♡!?」
ピリッという快楽が私の脳を震わせ、驚いてハレンチな声をあげてしまった。周りの乗客たちが、何かに気付いてチラチラとこちらを見る。私は耳まで顔を赤くして、俯くしかなかった。
最悪! 最低! ありえない! なんなのよ、もう!
電車の中でそんなところまで触ってくるなんて、この人、正気なの!?
「ひっ!?」
またもや声を漏らしてしまったのは、一旦引いたと思ったおじさんの指が、また陰部をスリスリしてきたからだ。このおじさん、全然遠慮する気配がなく、スリスリだけでなくグイグイ、グリグリと的確に私の感じるところを狙ってくる。どうして電車の中で、こんなに大胆なことができるの?
おじさんの指遣いに翻弄されていた私は、ハッとして周りを見た。気づかないうちに電車は止まっていて、今、ゆっくりと月夜原駅を出発するところだった。
つまり私は乗り越してしまったのだ……。
「そんな……」
ショックで思わず呟いた。これじゃあ、逃げられない。
軽いパニックになっている私を、おじさんは容赦なく執拗に攻め立ててくる。
「んっ♡ ……っ♡ フゥ♡」
体がビクッと動いて、脚が震える。太ももを閉じておじさんの手が入れないようにしたかったけれど、太ももの間におじさんの膝がぐいっと入ってきて、閉じられなくされてしまう。
太い指は私のクリの位置を完璧に知っていて、ときに乱暴に、ときにリズミカルに刺激してくる。あんなおじさん、好きでも何でもない――むしろ気持ち悪いとしか思わないのに、私の体はすごく喜んで、おじさんの指一本に支配されてしまった。
しかも、今、大きな声を出してしまったら、たくさんの乗客に変態だと思われてしまう。もしかしたら、声を出さなくても、変態なことをしているとばれてしまうかもしれない。すでに、ばれているかもしれない。そんなことを考えたら、お腹の下の辺りがさらに熱くなって、快楽が余計に高まるのを感じた。
おじさんの指で触られているところが、気持ち良くて溶けてしまいそうで、立っているのも辛い。おじさんの指の動きが、小刻みに速くなる。私が達しそうなのを知っているからだ。
ああもうっ♡ だめなのに♡ イッちゃう♡ こんなところで、知らない人たちに見られながら、イッちゃう……♡♡!!
「…………っ♡♡♡!!」
私はひときわ大きく、ビクンッ、ビクンッと痙攣したけれど、絶頂未満の痙攣だった。
ダメだ、やっぱりイケない……。もうイヤだ……。こんな状態が続いたら、本当にいつかおかしくなってしまう。
おじさんも、私がイッたようでイケてないことにすぐ気づいたらしい。それで意地でも私をイカせたいのか、太い指がパンツの中にまで潜り込んできた。
「……っ♡!?」
あんた、どこまでやるつもり!?
おじさんの指がクリを直接グリグリする。
ダメ! 刺激が強すぎる! 声が出ちゃう! 周りの人にばれちゃう!
私は片手で手すりを持って体を支え、もう片方の手で自分の口を押さえて、必死に声をこらえた。
ああっ♡ そんなにグリグリされたら、気持ち良すぎて、またすぐにイッちゃう……♡ ダメだもうっ♡ またくる♡ イクッ――――♡♡♡!!!
「ん゛ん゛ッッッ……♡♡!」
でも当然イケなくて、快楽の波が引いてしまう。このどうしようもないもどかしさで、胸が苦しい。私はもう立っていられなくて、膝から床に崩れ落ちた。おじさんと、周りの人たちが、驚いて私から離れる。
「大丈夫ですか!?」
誰かが声をかけてくれたけど、私はすぐには返事ができなかった。
ふと周りを見ると、電車は駅で止まっていて、ドアが開いていた。
「降りたい……」
私はとっさにそれだけ答えた。すると、親切な女性が私を抱き起して、一緒にホームに降りてくれた。ついに痴漢おじさんから解放されたのだ。
その後、私は、助けてくれた女性にお礼を言って、敏感になった体で家まで歩いて帰った。
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