お題小説

ルカ(聖夜月ルカ)

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094 : 名声と恋

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「こいつはすげぇ!」

屋敷に着いたリュックは、クロードの屋敷の見事さに目を丸くしていた。



(マルタン、こいつは思ってたよりずっと金持ちだ。
ここに嫁ぐことが出来たら、クロワさんはたいした玉の輿だな。)

リュックの言葉に私も思わず頷いた。
クロードの屋敷は、私達の想像を遥かに超えたものだった。
それに対して、中から出て来た中年の夫妻は意外な程気さくだった。
私達が突然訪ねたことにもいやな顔一つせず温かく出迎えてくれたのだから。



「ちょうど良かったわ!
今、夕食を食べようと思ってた所だったのよ。
すぐに用意しますから、待ってて下さいね!」

夫人は、うきうきとした表情で、台所に向かった。
主人の方はというと、ただ黙って食卓についている。


「父さん、こちらはマルタンさんとリュックさん。
クロワさんと旅をされてるお友達なんです。」

「それはどうも…」

それだけしか話さなかったが、そこには特にいやな印象は感じなかった。

すぐに夫人も戻り、食前酒が用意された。



「お料理の方、もう少しだけ待って下さいね!
今、シェフが腕を奮ってくれてますから。」

「シェフ!?そいつはすごいな!
どんな料理が出て来るのか、楽しみだ!」

「それまで、お酒でも召しあがって下さいね。」

「おぉっ、それはありがたい!」



リュックは、酒が入って来ると、いつもの饒舌ぶりを発揮し始めた。
自分の仕事の話や、これまでの旅の話、さらには町の噂話までを止まらない勢いで話し続けていた。
リュックのそんな話に、クロードの両親は楽しそうに耳を傾けていた。
特に、夫人の方は、リュックが違う話題を話す度に質問をしたり感想を述べたりと興味深げな様子だ。



「しかし、なんだな。
金持ちっていうのは、けっこうお高く留まってるもんだと思ってたけど、あんたたちはそうじゃないんだな。」

「この人はもともとのお金持ちですが、私はそうじゃないですからね。
だから、私がこの人と結婚するって決まった時は、両方の親から反対されたものですよ。
この人の両親はもっと良い所の娘をもらえば良いのにって感じだったし、うちの両親は、そんな堅苦しい家に嫁いだら何かと大変だってことでね。」


 
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