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ルカ(聖夜月ルカ)

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094 : 名声と恋

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「マルタン、見てみなよ。
けっこうお似合いのカップルじゃないか?」

「そうだな…」

「クロワさんが、このままあのドクターと結婚しちまったらどうする?」

「どうするって…クロワさんがいなくなっても、私は君と海底神殿を探す旅を続けるつもりだが…」

「そうか…それを聞いて安心したぜ。
でも、ちょっと寂しくなるよな。
今までずっと三人で旅してたからな。」

そう言いながら、リュックはクロワ達の乗るボートをじっとみつめていた。



「それは、仕方ないさ。
クロワさんが幸せになるなら、それで良いじゃないか。」

「そりゃあ、まぁ、そうだけどな。
そういえば、ドクターの家は金持ちだって言ってたよな?
どのくらいの金持ちなんだろうな?」

「さぁ、それはわからないが…診療所も立派だし、そこそこ金持ちなんじゃないか?」

「そういう奴は、相手のことも金持ちかどうかで判断したりすることが多いよな。
奴の両親は、クロワさんのこと、どう思ってんのかな?」

「さぁ、どうなんだろうなぁ…」

「クロワさんもこんなことは初めてだろうし、いやな想いをしなきゃ良いが…」

リュックは意外と心配性だ。
すでに様々なことを心配している。



「それは大丈夫なんじゃないか?
もう二度もドクターの実家に行かれてるようだから…」

「そんなことじゃわからないぞ。
あのドクターが、クロワさんのことをどんな風に言ってるかわからないからな。」



その日は、湖の近くで軽い運動をしたり、あたりを散策しながら穏やかな時間を楽しんだ。
夕方近くになり、そろそろ戻ろうかと話している時に、リュックが突然思いがけないことを言い出した。



「先生!先生の家はここからは遠いのか?」

「いえ、そう遠くはないですよ。」

「じゃあ、夕飯は先生のお宅でご馳走してくれないかな?」

「リュック、そんなこと、ご迷惑よ!
夕飯なら、いつも通り、町で食べましょうよ!
なんなら、私が作っても良いわよ。」

「いえ、僕なら全然かまいませんよ。
皆さんが来て下さったら、両親も喜ぶと思いますし、ぜひ、そうしましょう!」

「本当か、そいつは嬉しいな!」

「先生、そんなこと…」

「良いんですよ、クロワさん。
今からだとちょうど夕食の頃に家に着きますよ。」

 
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