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069 : 至福の喜び
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「マルタン、ちょっと一緒に来てくれ。」
数日後、私は仕事を口実にドニスに呼び出された。
連れて行かれた先は、店の裏側の倉庫のような所だった。
「ここで何を?」
「いや、実は仕事じゃないんだ…
ちょっと聞きたいことがあってな。
あんたは、リュックとずっと一緒に旅をしてるってことだったよな?」
「ええ…そうです。」
「奴には、家族はいるのか?
まさか、結婚歴なんてないよな?」
「彼には、家族はいません。
もちろん、結婚歴もありません。」
「そうか…
それで、奴は女癖の方はどうだ?
一緒にいたら、たいがいのことはわかるだろう?」
ドニスの質問はなかなか終わらない。
「私の知り得る限りでは、女性との関わりはほとんどなにも…
彼は…女性とはつきあったことがないと言ってましたよ。」
「なに~っっ!?
あの年で何もだと…?
それはそれで、情けねぇ気もするが…まぁ、女癖が悪いよりはマシだな。
…で、あんたから見てあいつはどうだ?
良い奴か、良くない奴か?」
「それは、良い奴だと言えますよ。
彼は、あの通り、嘘の吐けない性格です。
時にはそれで誤解を招くこともあるかもしれませんが、信用出来る男だと思ってます。」
「そうか…」
ドニスは満足げな笑みを浮かべた。
「もしや、ナディアさんとのことですか…?」
「やっぱり、あんたは気付いていたか…
……実はそうなんだ。
ナディアは間違いなくリュックを気にしてる。
あいつの態度を見てりゃあ、そんなことはすぐにわかる。
リュックも同じ気持ちだ。
奴は、仕事もきっちりこなす。
俺がみてないからって手を抜くようなことはない。
信用出来る奴だと俺も思ってるんだ。
奴になら…ナディアを任せても大丈夫かもしれない…」
「本当ですか、ドニスさん!」
「あぁ、本当だとも…!
だが、今はまだこのことは言うんじゃないぞ。
いくら俺がこんなことを考えてても、結局は二人の気持ちだからな。
まだ、お互いの気持ちをしっかりと知ってるわけじゃないんだろう?
これからどうなるかは、あくまでも二人次第だ。
ただ、俺は、二人がそうなった時に反対はしない…と、まぁ、そういうことなんだ。」
あのドニスの言葉とは思えないかった。
娘を溺愛してるとばかり思っていたのだが、その実、そうではなかったようだ。
娘の幸せを考え、彼は本当に信頼出来る相手を探していたのだろう。
数日後、私は仕事を口実にドニスに呼び出された。
連れて行かれた先は、店の裏側の倉庫のような所だった。
「ここで何を?」
「いや、実は仕事じゃないんだ…
ちょっと聞きたいことがあってな。
あんたは、リュックとずっと一緒に旅をしてるってことだったよな?」
「ええ…そうです。」
「奴には、家族はいるのか?
まさか、結婚歴なんてないよな?」
「彼には、家族はいません。
もちろん、結婚歴もありません。」
「そうか…
それで、奴は女癖の方はどうだ?
一緒にいたら、たいがいのことはわかるだろう?」
ドニスの質問はなかなか終わらない。
「私の知り得る限りでは、女性との関わりはほとんどなにも…
彼は…女性とはつきあったことがないと言ってましたよ。」
「なに~っっ!?
あの年で何もだと…?
それはそれで、情けねぇ気もするが…まぁ、女癖が悪いよりはマシだな。
…で、あんたから見てあいつはどうだ?
良い奴か、良くない奴か?」
「それは、良い奴だと言えますよ。
彼は、あの通り、嘘の吐けない性格です。
時にはそれで誤解を招くこともあるかもしれませんが、信用出来る男だと思ってます。」
「そうか…」
ドニスは満足げな笑みを浮かべた。
「もしや、ナディアさんとのことですか…?」
「やっぱり、あんたは気付いていたか…
……実はそうなんだ。
ナディアは間違いなくリュックを気にしてる。
あいつの態度を見てりゃあ、そんなことはすぐにわかる。
リュックも同じ気持ちだ。
奴は、仕事もきっちりこなす。
俺がみてないからって手を抜くようなことはない。
信用出来る奴だと俺も思ってるんだ。
奴になら…ナディアを任せても大丈夫かもしれない…」
「本当ですか、ドニスさん!」
「あぁ、本当だとも…!
だが、今はまだこのことは言うんじゃないぞ。
いくら俺がこんなことを考えてても、結局は二人の気持ちだからな。
まだ、お互いの気持ちをしっかりと知ってるわけじゃないんだろう?
これからどうなるかは、あくまでも二人次第だ。
ただ、俺は、二人がそうなった時に反対はしない…と、まぁ、そういうことなんだ。」
あのドニスの言葉とは思えないかった。
娘を溺愛してるとばかり思っていたのだが、その実、そうではなかったようだ。
娘の幸せを考え、彼は本当に信頼出来る相手を探していたのだろう。
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