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ルカ(聖夜月ルカ)

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013 : 背信者

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俺は婆さんの言葉にだんだんと頭に血がのぼって来た。
 咄嗟に、竜の剣を構えると俺は狂ったように婆さんに向かってその剣を降りおろした。

気が付いた時、そこらは血の海になっていた。
俺はその場を立ち去ろうとし、地図がないことに気が付いた。

血の付いた手でそこらをひっかきまわしていると、小ひきだしの中からそれらしき地図をみつけた。

俺はそれを懐に押し込むと、竜の剣を手に婆さんの家を飛び出した。

後ろから黒いローブの男がついてくるのを感じながら、俺は息が切れるまで走り続けた。

月明かりに浮かぶ血まみれの己の姿に俺は絶叫した。
身体がガタガタと震え、何度も吐きもどした。



「どうしたのだ…具合いでも悪いのか?」

「お…俺は、婆さんを…」

「それがどうした?
剣も地図も手に入ったではないか。
どうせ、あの婆さんはそんなに長く生きるわけではないのだ。
気にすることはない…」

黒いローブの男のその言葉を聞いて、俺は取り返しのつかないことをしてしまったことに気が付いた。
引き受けるべきではなかった。
これは、俺が思っていたよりもずっと怖ろしい仕事だったのだ。

しかし、今となっては逃れる術はない…
もう引き返すことは出来ないのだ…



俺は地図に書いてあった場所に向かった。
そこには、確かに見たこともないおかしな草が生えていた。

(これが『竜の眠り草』なのか?)

俺はそれを取り、袋に入れた。



そこから、二つか三つの町を通り過ぎただろうか?

ある町で俺はついに竜の住む滝の話を聞いたのだ!

そこは小さな町だった。
 宿屋もない。
 俺が酒場でちびりちびりやってると一人の男が声をかけてきた。
いかにも善良そうな男だった。
俺は旅の商人で、これから商品の買い付けに行く所だと嘘を吐いた。
すると男は、この町には宿屋がないからうちに泊まれと言ってくれた。

男の家はけっこう立派な家だったが、それとは対照的に家の中は暗く沈みこんだ雰囲気をしていた。
話を聞いてみると、なんでも娘が竜の生贄に捧げられることになったのだという。
そのため、家族は悲しみにくれていたのだ。

竜はふだんは滝壺から姿を現すことはないが、年に一度、生贄の捧げられた時にだけ現れると言う。 
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