お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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061 : 君を探して

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「そう、それは良かったわ。
私達も、カトリーヌさんらしき人がここへ来たという話は聞いたんだけど、それからどこに向かったのかはわからなかったのよ。」

「まさか、同じ宿に泊まっていたとはな。
でも、本当に良かったよ。」

その晩の夕食は、五人で賑やかに食べた。
だが、私とリュックは、内心では暗い気持ちにもなっていた。
おそらく、近いうちにカトリーヌはみつかるだろう。
しかし、それはマーフィにとっては悲しい再会になることだろう。
その時のことを思うと、気持ちが塞がる。



「それにしても、カトリーヌさんはどうしてユルドに向かったんでしょうね?」

「それは、ここの主人も聞いてないみたいだ。
港でも、それらしい話は聞けなかった。」

「僕達の方でも、そんな情報は聞けませんでした。」

「とにかく、ユルドに行ってみれば、きっと何かわかりますよ。
これもすべては皆さんのおかげです。
本当にどうもありがとうございました。」

マーフィは、とても感じの良い青年だ。
だからこそ、力になってやりたいと思うのだが、先のことを考えると、辛くなる。
リュックもおそらく同じ気持ちだろう。







「リュック、あれからカトリーヌさんの夢は見ないのか?」

私はまた口実を設けて、リュックを外へ連れ出した。



「あぁ、今のところは、な。」

「木の風景は覚えてるのか?」

「しっかりと覚えてる。
きっと、実在の場所だ。」

「そこへ行ったら、わかるんだな?」

「あぁ、わかると思う。」

リュックが夢で見た大きな木というのは、ユルドにあるのではないだろうか?
根拠はないが、なぜだかそんな気がした。
そして、その木がみつかれば、きっと、カトリーヌの手がかりも掴めるのではないかと思う。



「とにかく、まずはユルドだな。」

「……ユルドで、みつかるんじゃないかな。」

不思議なことに、リュックも私と同じように考えているようだった。



それが正しいかどうかは、もう少しすればわかるのだ。
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