お題小説2

ルカ(聖夜月ルカ)

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061 : 君を探して

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「まぁ、そうなの?」

「すみません。僕のせいで……」

「いいえ、構わないのよ。特に行き先の決まった旅じゃないから。」

次の日の朝、私達はクロワとクロードに、マーフィを紹介した。
それと共に、マーフィの人探しを手伝いたいと思ってることも話した。
クロワは、快く承知してくれた。
クロードは、多少疎ましく感じているようだったが、反対まではしなかった。



「それじゃあ、これからまずパドスという町に向かうのね。」

「どれどれ……」

クロードがテーブルの上に地図を広げた。



「あ、あったぞ。
けっこう近いですね。」

リュックも地図をのぞきこんだ。



「ここなら、二、三日で着くんじゃないか?」







リュックの予想通り、パドスには三日目に着いた。
賑やかな港町だった。



「それじゃあ、手分けして探そう。」

私達は、カトリーヌの父親、アラミス・ガッシュを探すため、二手に別れた。



聞いた話によれば、昔、アラミスはこの町の港で働いていたらしい。
リュックは、手当たり次第に港にいる者に声をかけていく。



「アラミスは知らないが、少し前にアラミスを探しに来た若い女がいたぜ。」

私達は思わず顔を見合わせた。



やはり、カトリーヌはここに来たのだ。
カトリーヌが来たのは、二、三週間前のことだという。



「それで、その女はどこに行くって言ってたんだ?」

「そこまでは聞いちゃいないな。
でも、しょげた様子だったから、めぼしい情報は得られなかったんじゃないか?」

「そうか。ありがとうな。」



その後も何人かに声をかけたが、カトリーヌらしき女がアラミスを探していたという話は他でも聞かれた。
ただ、その後、カトリーヌがどこに行ったかについては、誰も知らなかった。



「クロワさんの方はどうだろうな?」

「とりあえず、宿に戻ってみよう。」

私達は、あらかじめ決めていた宿に戻った。



「そうだ、リュック…
宿でもカトリーヌさんのことを訊いてみたらどうだ?」

「そうだな。もしかしたら、同じ宿に泊まってたかもしれないもんな。」

早速、宿で話を訊いてみると、思いがけない話が聞けた。



「その人ならここに泊まってたよ。
ユルドに向かうようなことを言ってたな。」

地図を見てみると、ユルドはここから、徒歩で1週間くらいかかる山間の小さな町だった。
なぜ、カトリーヌがそこへ向かったのかはわからなかったが、とにかく、私達の次の行き先はユルドに決まった。


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