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決意

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「あなたも知っている通り、おじいちゃんが子供の頃から火には厳しかったから、料理の時にもランプを使う時にもとても注意してたわ。
なのに、どうしてあんな火事が起こったのか、全くわからないの…」

 「……サマンサ、その頃、村に見知らぬ者がいたことはないか?
たとえば、ものすごい美男子とか…」

 「誰もいないわ。
 美男子って…誰かあてでもあるの?」

 「……い、いや、そうじゃないんだ。
じゃあ、何かおかしなことはなかったか?
どんな些細なことでも良い。」

 「おかしなことなんて何も……あ……」

 「どうした?
 何かあったのか!?」

ルークは身を乗り出してサマンサの肩を掴み、その瞬間サマンサの顔が強張った。



 「……すまない。
どんなことでも良いから話してくれ。」

 「……実は…私……
前から、どうしてローリーが屋根裏になんか上がったのかって気にはなってたの。
あの子が屋根裏にいくことなんてない…それに、あの後から、ローリーは少しおかしくなってしまったの。
だから…もしかしたらローリーが火遊びをして、そのせいで火事になったのかって考えたこともあったわ。
……でも、そのローリーが、父さんが怪我をしてしばらくしてから急に変わったの。
 元に戻ったって言えば良いかしら?
それで……ある日、ローリーがおかしなことを言ったのよ。
 父さんには誰にも言っちゃだめだって口止めされてたけど、お姉ちゃんにだけ特別に教えてあげるって。
ローリーが言うには、家に火をつけたのは小人さんなんですって。
だから、悪い小人さんねって私が言ったら、ローリーは意外なことを言ったの。
 小人さんは悪くないって。
……あなたのせいで小人さんの家族が死んだから、それで小人さんはうちに火をつけたんですって。」

 「そ、そんな…それじゃあ、あ、あの火事は……!」

ルークの顔から一瞬にして血の気が失せ、唇はただ微かに動くだけで、それ以上、言葉にならなかった。



 「ルーク…どうしたの!?
ねぇ、ルーク!」

 「うるさいっ!」

ルークはサマンサの手を振り払い、サマンサに背中を向け、膝を抱える。



 (やっぱり、オルジェスの言うとおりだった…
ベルナールがやったんじゃなかった。
なんてことだ、あのリュタンがし返しに…
僕のせいだ!僕のせいで、コージーは…!)

 火事の真相を知り、罪の意識に押し潰されそうになるルークの瞳から、熱いものが込みあげた。
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