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運命の出会い

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「ジェローム様、毎度ありがとうございます。
今日は特別素晴らしい宝石をお持ち致しました。」

シャンプティエが、最高の笑顔を浮かべてジェロームに挨拶をする。



「そうか、それは楽しみだな。
それと、シャンプティエ…少しこの者を借りても構わぬか?」

顎先で示されたロクシーは、何事かと不安げな顔をしてジェロームをみつめる。



「ベルナールが、町で買いたいものがあるらしいのだ。
一人で行かせるのも心配だし、かといってうちの使用人達は…
私がベルナールだけに買い物を許したとなると、嫉妬する者もいるのでな。
それで、ベルナールを使いに出すということにしようと思うのだが、その者に付き添ってやってほしいのだ。」

「そんなことならお安いご用です。
ロクシー、ベルナール様をしっかりお守りするのだぞ!」

「は、はい、かしこまりました!」

「頼んだぞ。
ベルナールに何事かあったら、その時は……」

ジェロームの鋭い視線が、ロクシーを突き刺す。



「は、は、はいっ!大丈夫です!
ベ、ベルナール様は、わ、私が命に代えてもお守り致します!」

ロクシーはしろどもどろになりながら、やっとそれだけを言いきった。



「では、ベルナール…
遅くならないうちに戻るのだぞ。」

「はい、ジェローム様。」

ジェロームはベルナールと絡みつくような長い口付けを交わし、名残惜しそうに唇を離した。








「アレクシス様と契約したんだな。
まるでおまえが悪魔みたいに、悪魔の気配がぷんぷんしてるぜ。
それより、俺はてっきり、おまえはもうそこには戻らないのかと…」

「…しっ!」

「どうしたんだ?」

「御者にそんな話を聞かれたらどうするんです。
そんな話は後にして下さい。」

「あ…すまなかった…」

用を済ませてくると言って人気のない場所に馬車を停め、ロクシーとベルナールはアレクシスの屋敷を訪ねた。



「なるほど…
買い物だと偽ってアレクシス様と密会か…
……もう、アレクシス様には可愛がられたんだろう?」

ロクシーがいやらしい目つきでベルナールをみつめたのと同時に、ベルナールの手の平がロクシーの頬を激しく打った。



「な、何しやがる!!」

「黙って、入れ!」

ベルナールに突き飛ばされるように部屋に入ったロクシーは、言葉にならない声を上げ、その場にへなへなと座り込んだ。
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