482 / 952
聖獣王国ベーマス、暗雲を食む巨獣の王編
10.衝動買いは8割後悔する
しおりを挟む◆
まだ詳しく知らない種族が暮らす、南国の市場……となるともちろん、俺が知らない素敵な食べ物がワンサカあるわけで。
特にこのベーマスは、生食が出来るモノがとにかく多かった。
丸いバナナみたいな褪せた赤色の果物(これがマルムーサというらしい)に、星形が特徴的なスターフルーツ……かと思ったら中身は無い、焼いて食べるタマネギのような味の果物。水に浸す事で苦みを調整して食べる、黄土色のバナナっぽい形の……えーと……恐らくは、瓜。
いかにも砂漠や荒野の植物っぽいサボテンのような果物は、切り開いてみたら中が硬めのゼリーみたいなぷるぷるが入っていて、食べさせて貰うと砂糖水のような単純な甘さが嬉しい。市場に出されている取れたての果物は、まさに南国と言った感じのワクワクするようなもので満ち溢れていた。
しかし、俺は一つ気が付いた事がある。
それは…………――――
「食堂なくね……? 酒場だけ……?」
そう。
ナルラトさんと一通りバザーを回って見て分かったのだが、この街には食堂が全く存在していなかったのである。人族用の食堂は有るだろうと思ったが、それもなし。
思い返してみると、そういえば……市場には、香辛料の類も無かった。
それがあまりにも奇妙、というか俺からすれば不思議だったので、果物を買い食いしながらナルラトさんに問いかけると、こんな答えが返ってきたのである。
「そりゃ当然だ。獣人族は基本的に煮たり焼いたりってだけの簡単な食事しかしねえからな。俺みたいな獣人の料理人なんて、王宮や首領が雇うくらいなんだぜ」
「えっ、な、何故……」
「素材で既にうめーのに加工する必要ねえだろってことだな。……まあ、獣人は基本なんでも喰うし、戦いの方に比重を置くからな。美味いに越した事はないが、料理に時間を取るくらいなら、その時間で他種族を襲って肉を得る方が効率がいいと考えるモンなんだよ。だから、料理っつうとあんまり良い顔はされねえんだ」
なるほど、獣人達からすると「料理は無駄な物」という認識なのか。
確かに、好戦的で他種族の獣も襲っちゃうくらいの獰猛さだったら、料理でいろんな時間を無駄にするよりかは……と思うのも仕方がないのかも知れないな。
そもそも、果物がこんな風に生食できるほど美味しいワケだし、獣人からすれば血が滴る生肉は最高の御馳走とも言えるワケだし、そら時間を掛けて調理する理由が見つからないよな。生肉が食える体質なんだから。
いや、ここは異世界だし、曜気とかそういうモノに関する理由も有るのかも。
人族に属する俺からすればビックリな考え方だけど、獣人からすれば合理的な主義主張がある訳だし、それを頭ごなしに否定する事はしたくないな。
料理で無双……なんて一瞬考えてしまったけど、アレはお話だからみんなが満足してスッキリ楽しく読めるのであって、現実でやったらただの上から目線の文化侵略でしかない。ここの人族達もそう思って食堂を敢えてつくらなかったんだろうから、俺も「ええ~」とか思っちゃいけないのかも。うむ、ここは自重しよう。
まあそもそも、俺みたいな適当料理しか出来ない一般人が無双とか無理だし、今はブラックやクロウやロクショウ達が喜んでくれるならそれだけで充分だ。
俺が料理を作りたいと思うのだって、ブラック達が喜んでくれるからで…………ご、ゴホンゴホン。いや、うん。とにかく、郷に入っては郷に従えだ。
俺達は俺達でひっそり美味しくご飯を料理する事にしようってなワケで、俺はロクをベストのポケットに入れて、ナルラトさんと欲しかった食材を買い漁ったのだった。
……いや、こういう時に本当便利だな【リオート・リング】は。
冷蔵冷凍庫ってなわけで、肉を保存するのにうってつけだし腕輪が繋がっている氷の部屋はすっごくデカくて広いから、入れられないモノなんて滅多にないし。
これをくれた妖精王のじいちゃんには本当感謝だぜ。
果物も一応入れてみたけど、もしかしたら冷やす事でダメになっちゃうかもしれない物もあるかもだから注意しておかないとな。
南国の果物って冷やすと逆に良くないモノもあるみたいだし。
俺の世界と同じかどうかは分からないけど、そういうところはキチンとせねば。俺の可愛いロクやペコリア達、ついでにオッサン二人にダメになったものなんて食べさせたくないし。恥をかきたくないし。
ともかく、これである程度の買い出しは出来ただろう。
つい調子に乗って夕方まで街を練り歩いてしまったが、オッサン達は今頃高級宿の酒場でデロデロになっているだろうから構わないだろう。あ、でも食べ物は最低限の調理しかしてないものばっかりなんだっけ。
帰ったら何か作らされる事ぐらいは覚悟しておかなければ。
そう思いつつ、俺は夕暮れでオレンジ色に染まった街をナルラトさんと歩きながら、さきほど購入したものが入っている籠を漁っていた。
買い忘れは無いかと思ってつい集中していたのだが……そんな俺の肩を、不意にナルラトさんが掴んで足を止める。どうしたのかと顔を見上げると、相手は何故か険しい顔をして、右の方をじっと見つめていた。
「ナルラトさん?」
「……すまんツカサ。どこかの店に入って、待っとってくれるか。用事が出来た。でもすぐに戻るけん」
「は、はい……あっ、じゃあ俺最初に入った道具屋にいますよ」
そう言うと、ナルラトさんは少し申し訳なさそうな顔をすると「じゃあ、それで頼む」と言って先程見た方向へ走って行ってしまった。
「…………? どうしたんだろう……?」
「キュ~」
ロクと顔を見合わせて頭上にハテナマークを浮かべるが、答えは出てこない。
考えていても仕方がないので、俺達はすぐ先に見えている道具屋に入った。一人で出歩くのはやめろとナルラトさんが言っていたので、ここで待とうではないか。
そう思い、店内をざっと見て……――――いや、俺はブラシの所はみてない。見てなんてないぞ。最初に目が行ったりしてないんだからな。
べ、別に……あっ、いや、そうだよペコリアや藍鉄のブラシを選べばいいんだよ!
そうそう! そういう感じだからおかしくない。俺は可愛い守護獣のみんなにもっと快適になって貰いたいだけで、あっそうだ柘榴やロクのための何かも有るかもしれんワケだし、その、だからその……。
「………………」
とかなんとか言ってたのに、気が付けば俺は店員さんに話を聞いてブラシやら油を選んで貰い……数種類の体用オイルとブラシを籠……ではなく、こっそり隠せる金属の小さい箱にまとめて入れて貰い、店の前でぼーっと座っていた。
………………。
ふ、ふふ、買ってしまった。しかも日用品の安いのじゃなくて、高いやつ。
ロクや守護獣たちに対しては当然良いモノをと思っていたので後悔など微塵も無いのだが……問題は、この…………熊用の、艶出しふわふわブラシだな……。
「クロウの毛ってクマらしく固めの毛だけど、こ、これがあればふわふわ感も出るとか言われて……つい……ああっ、つい買っちゃったー! もー!! 何やってんだよ俺は、オッサンの毛梳きとか普通やんないだろー!?」
頭を抱えてしまうが、でもでもだって仕方ないじゃないか。
例え相手がブラックと同等のスケベな熊耳のオッサンでも、獣の姿の時は大きくて可愛い熊さんなワケで、そう思ったら買わないワケにはいかない。
クロウの事が嫌いなんじゃないし、普通の意味で言えば好きではあるんだ。なら、プレゼントしたいなと思っても仕方ないだろう。そもそも俺、ブラックにはチート能力がついてるバンダナをプレゼントしたけどクロウにはそういうのあげてないし、だから、ちょっとばっかり気になってたりしたわけで……。
「…………でも、ブラシって……ブラシって……!」
だけどさ、人間の姿をしてるのがフツーなオッサンにコレ買ってどうすんだよ。俺が自分から「ブラッシングしたいからケモノの姿になって」とかハートマークを付けながら言うのか? いやいやいやない、無いでしょ絶対ない、恥ずかしいからイヤだ!!
勘付かれる時点で俺はもう恥ずかしいんだよ、天元突破しちゃうんだよ!
なのになんで俺はブラシ買っちゃうかなー!
熊の姿可愛いから好きだけど、相手オッサンだから! 男だから!!
女の子におねだりするならまだしも同性はいやだ、ねだりとうない! なのになんで俺はクロウが喜ぶかなとか女々しい事を考えてこんな高級なブラシをぉおお……。
「キュ~」
「ううう……ごめんなロク、うるさいよな……」
金属の箱が入った布袋を膝に抱えつつ唸る俺に、ロクはちっちゃな可愛いトカゲのお手手で俺の頬をぺちぺちと優しく撫でてくれる。ぐうう目じゃなくて鼻から熱い何かが出そう。可愛すぎるだろう俺の相棒は。いやそうでなく慰めてくれてるんだってば、いい加減落ち着け俺……。
「キュキュッ、キュッキュー」
「え……なんでそんなに恥ずかしがるのかって? いつもしてるのに?」
ロクショウは、獣の姿と人間の姿をどちらも変わらない物だとおもっているようだ。
……まあ、そうだよな。ロクにとっては準飛竜の姿も黒いトカゲ人の姿もこの姿も、全部ロクなのだ。そこに人族みたいなめんどくさい思考など何もない。
今のこの姿も、俺と一緒に旅をしたいから一生懸命元のダハの姿に近付けたという可愛さの証……うう、涙が出て来ちまう……。
だから、俺がクロウの姿のことで恥ずかしがってるのが不思議なんだよな。
……まあ俺だって「どっちも同じじゃん」と思わないでもないんだけど……でも、いま俺がやろうとしていることは、その……なんていうか……クロウが欲しがっているとかじゃなくて、俺が買いたいからって勝手に買っちゃったモンだし。
それを、自分から「梳きたい」って言い出すってのは、その……。
…………う、うぐぐ……ブラックに対してだって恥ずかしくなるのに、なんでこう俺はこういう事をスパッと出来ないんだろう。
こんなの、普通に「手入れしてやりたいから」って言えばクロウだって優しいんだしすぐやらせてくれるのに、それが言えないんだよな……。
「やっぱ俺…………あの二人に対してだけ気持ち悪くなってるよなぁ……」
「ウキュー?」
何かしたいと思ってモジモジして悶えてる男なんて、傍目から見ても気持ちが悪いとしか言いようがないだろう。でも恥ずかしいんだから仕方ない。
なんでこう、あのオッサン二人にだけこんな風になるんだろうな……。
…………答えは解かっているような気もするけど、なんか考えたくない。
「おーい! すまんな一人にして……」
自分の何とも言えない内情に苦い顔をしていると、ナルラトさんが駆け寄ってきた。慌てて布袋をバッグにつっこんで隠し、俺は立ち上がる。
こちらの慌てた様子にナルラトさんは不思議そうな顔をしていたが、何も言わずに「宿に帰ろう」と言ってくれた。うう、すみません奇行しまくって。
「ツカサ、申し訳ないが……ちょっと用事が出来て、俺は明日から別行動をとらにゃならなくなった。王都へ行くための繋ぎはしっかりするからよ、何日ここに滞在するかは手紙の到着次第だが……宿にもそう言い含めとくから」
「そうですか……。あの、じゃあもう合流とか出来ないんですか」
ちょっと寂しくなって言うと、相手は苦笑して俺の肩をポンと軽く叩く。
「まあ……アルクーダに居れば会うこともあるさ。…………正直、仕事としては会いたくねえけどな……」
「え……」
し、仕事ってなんですか。
いやでも聞かない方が良いんだろうな……。
「ともかく、宿までは送る。明日改めて挨拶するから、お前はもう外に出るなよ。夜はこの街でも危ねえんだ。攫われたくなけりゃオッサン達と一緒にいるんだぞ」
「う、うん……」
危ないって何が危ないのかちょっと気になってしまったが、ナルラトさんが言うなら出ない方が良いよな、絶対。俺としてもピンチになるのはごめんだ。
そもそも、獣人の国だとマジで食欲的な意味でパクーっといかれそうだし。街中でそんなスプラッタな目には遭いたくない。
肝に銘じておきますと素直に頷くと、ナルラトさんは苦笑のような、どこかつらそうな、なんともいえない顔で笑った。
「……あの二人をしっかり守ってやんな。心を乱すってのは、この獣人の国では一番マズいことだからな」
→
※ツイッターで言うてましたがガッツリ遅れましたね…(;´Д`)
次回はぐだぐだ酒回ですはい セクハラしまくってるのでご注意を
10
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!


【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる