481 / 952
聖獣王国ベーマス、暗雲を食む巨獣の王編
人族居留地【ゼリバン・グェン】2
しおりを挟む あああ、これは想定外……想定外だったわ。
うぷ、とこみ上げる吐き気を抑えながら、フラフラと地面に両手両膝をつく。
ハティとスコルが円筒の土壁の中に飛び込んだあと、ゴオオッという炎の音や、ガフッという噛みつく音、グオウッという巨大ホワイトウルフの呻き声が聞こえてきた訳なんだけど。
やがてそれらが静まり、どうやらトドメを刺せたようね、と安堵の息を漏らしたのも束の間。
――ハティたちのお食事が、始まってしまった。
“オレ、ここが好き”
“ハトも、そっち、がいい”
“え? 仕方がねぇなー。半分コな”
……という微笑ましい会話はいいんだけどさ。
それに伴って、ベキッ、バキッ、ゴリゴリッ、メチャッ、ピチャッ、みたいなスプラッタな音がえんえん聞こえてきたので、慌てて耳を塞ぎました。まぁ、会話は思念で聞こえてくるしね。
そのうち何とも形容しがたい臭いまで漂ってきたので、こっちに来ないように風の魔法でシールドを作りましたけども。
あああ、盲点だった! だってゲームなら、ボシュンと煙のように姿が消えちゃうからさあ!
でも、実際は違うよね! ガッツリ食べるのよね! 確か魔界には持って帰れないって話だったしね!
それに亜種の巨大ホワイトウルフともなれば、魔の者にとってはご馳走。残さず頂いちゃうわよね。その魔精力だって自分の糧になるんだろうし。
そういやお菓子じゃ何の足しにもならない、とか言ってたっけ。
“一緒に食べるの、久しぶりだな”
“ルヴィ、いなくなった、から”
“……そうだなー”
そうか、二人が地上に一緒にいられること自体が、本当に久しぶりなのよね。
聖女シュルヴィアフェスがいつ亡くなったのかは知らないけど、きっと何百年も経ってる。その間、二人は魔界でしか会えなかったんだから。
食糧は地上で摂取するってスコルは言ってた。本当に久しぶりの兄弟水入らずの食事な訳で、ここはそっとしておかないと駄目よね。
ただ、耳を塞いでも聞こえてくるゴキッ、ベチャッ、はどうにかならないものかしら……。
“うめぇな、やっぱ”
“ウン、オイシー”
“はー、地上サイコー!”
“ウン……ゴフッ、ゴフッ”
“落ち着いて食え、ハティ。マユ、水くれ、水ー!”
お前は亭主関白なダンナか、と思いながら風のシールドを解く。
額から流れる大量の冷や汗を右手で拭い、
『万物の命の源……“マ=ゼップ=セィア=ネィロ”』
と、超簡易呪文で左手の手の平から水を出した。綺麗な放物線を描き、土の壁のてっぺんから中に注ぎ込む。ビシャビシャとハティ達に当たる音が聞こえた。
“うおっ、雑だな!”
「文句を言わないで。こっちは疲れてるのよ」
“オレたちだって疲れたぞ”
「疲れの種類が違うのよ!」
フォンティーヌ邸から50kmは離れたギルマン領まで連れてこられて、初のバトルだというのにいきなりボス戦!
しかもこの血生臭い宴会に付き合わされて……。
肉体的にも精神的にもボロボロよ!
“アリガト、マユ、オイシー”
「そ、良かった」
“オイ、態度が違いすぎねぇか?”
「ちゃんとお礼が言える子は可愛いのです」
“あ、そっか。ありがとな!”
「はいはい」
まぁ、頑張ったご褒美は必要だもんね。
貴重な二人の一緒ご飯、大事にしてあげよう。
しばらくすると、存分に堪能したらしいスコルとハティのガサゴソ動く音が聞こえた。そしてピョーンと円柱の土壁から元気よく飛び出してくる。
やれやれと思いながら二匹の顔を見て、ギョッとした。口の周りは赤茶色いベッタリしたものがこびりついているし、特大ホワイトウルフの肉片みたいなものが体中についている。
そしてこの何とも言い難いニオイ……っ!
「汚っ! クサッ!」
“そりゃあな”
“ウン”
「冗談じゃない! 落とすわよ!」
やっぱり獣は獣、と思いながら再び手の平から水を出し、二匹の灰色の狼に浴びせる。
まずは手前にいたスコルの身体を引き寄せ、左手から水を出しながら右手でわしゃわしゃと顔と口の周りの汚れを落とす。
よく見ると、そのお腹はやけにポッコリしている。
本当にきちんとそれぞれの胃袋に収めたらしい。自分たちの四倍以上もあったホワイトウルフ、二人で半分こにしたとしても相当な量だと思うんだけど……いったいどこにどう入って消化されたのやら。
いや、ごめんなさい、知りたくないわ。そういうつもりで土の壁を作った訳じゃないけど、目撃しなくて本当に良かった。
“んがー、んごっ!”
「暴れないで」
“こんなの気にしてたら魔のモノやってられねーんだけど”
「私は嫌なの!」
“マユ、ハトもー!”
文句を言うスコルに対し、ハティがその血生臭い体のまま飛びつこうとする。ギョッとしてのけぞると、ハティがちょっと悲しそうな顔をした。
“マユぅ……”
「ハティ、ごめん、ちょっと待って。本当に臭いが凄いから!」
“んー”
「……はい、いいよ。おいで、ハティ」
スコルをあらかた綺麗にしたので、今度はハティの身体をわしゃわしゃと洗ってあげる。スコルと違い、ハティはおとなしくされるがままになっていた。目を細めて気持ちよさそうにしている。
だけどしばらくすると
“あ、時間!”
と小さく叫んでパッと碧色の目を見開いた。
「時間?」
“召喚、切れる”
「あ、そっか」
ハティは本来、昼の間に地上にいることはできない。私が召喚したからその契約の下、存在しているだけ。
ポンッと何の前触れもなく、目の前からハティの姿が消えた。バシャバシャと水が弧を描いて地面に落ちているのに気づき、慌てて魔法を引っ込める。
しまった、帰るときはバイバイぐらい言おうねって教えるの、忘れてたわ。
召喚時間は……そうね、1時間ぐらいかな。今後のためにも覚えておこう。
「ハティ、ずぶ濡れのまま帰っちゃったわね。風邪ひかないかしら」
“マユ、聖獣を何だと思ってんだ?”
ブルブルブルッと体を震わせ、水飛沫を飛ばしながらスコルが呆れたような声を上げる。
「だって、ハティの方が身体が弱そうだし」
“まぁ、それは合ってるけど……あ”
スコルはふいっと顔を上げると『やべぇ』みたいな顔をした。そしてくるりと後ろを向き、トコトコと歩き始める。
“オレも帰ろー。ボロが出そうだし”
「え?」
“じゃーなー”
「ちょっと待った!」
むんず、とスコルの尻尾を掴む。
“何だよ”
「ちょっと、私はどうやって家に帰ればいいのよ!」
“あー、だいじょぶ、だいじょぶ”
「全然、大丈夫じゃ……あっ!」
私の手の力が緩んだ瞬間、スコルはするりとすり抜けてダダダーッと駆け出してしまった。ジャンプして右手の林の中に飛び込む。
何しろ時速300km越え、あっという間にその姿が見えなくなった。
「はぁ……」
そう言えば、スコルの背中につけていた鞍、いつの間にか消えていたわね。あれ、ハティが所有していたのよね。私を乗せるためにハティが改造したのかしら。何か私を守る魔法もかかってたみたいだし……。
今度その辺もちゃんと聞かないと。
ところで、二人に置き去りにされた私は、ここからどうやって帰ればいいんだろう、本当に?
「――マリアンセイユ!」
急に野太い声が後ろから飛んできて、飛び上がる程驚いた。
そうだ、すっかり忘れてたけどブラジャー工場から丸見えなんだった、ここ。
だけどこの声は……?
「……ひっ!」
恐る恐る振り返った私の目にまず映ったのは、青空の中にハタハタとひらめく大きな旗。黄色い布に、赤い優勝カップみたいな盃。中央には遠吠えをするような勇ましい狼の紋章。
何か見覚えがあるわ、コレ……。
てん、てん、てん、と視線を下に向けて、ビクッと思わず後じさる。
鈍く光る銀色の鎧姿の集団。ざっと見て、三十人はいる。いつの間にこんなにギャラリーが集まってたのかしら。ハティ達に気を取られて、全然気づかなかった。
そしてその中央には、ひと際体格のいい男が仁王立ちになっている。唯一兜をつけていない、その男性は――。
「お前、どうして!?」
ひどく険しい顔をし、大きな声で怒鳴る男。
はい、オニーサマであるガンディス子爵です。ということは、ここに並んでいる鎧姿の皆さんは、聖女騎士団のフォンティーヌ部隊の方々よね。
あああ、表に出るときは最高に着飾って最高の笑みを浮かべ最高の社交界デビューをするはずの公爵令嬢、マリアンセイユ・フォンティーヌが!
まさか、熊手を片手に魔物を蹴散らす姿を見せることになるとは!
コレ、絶対に怒られるパターンよね。そうよね!?
ど、ど、どうしよう!
うぷ、とこみ上げる吐き気を抑えながら、フラフラと地面に両手両膝をつく。
ハティとスコルが円筒の土壁の中に飛び込んだあと、ゴオオッという炎の音や、ガフッという噛みつく音、グオウッという巨大ホワイトウルフの呻き声が聞こえてきた訳なんだけど。
やがてそれらが静まり、どうやらトドメを刺せたようね、と安堵の息を漏らしたのも束の間。
――ハティたちのお食事が、始まってしまった。
“オレ、ここが好き”
“ハトも、そっち、がいい”
“え? 仕方がねぇなー。半分コな”
……という微笑ましい会話はいいんだけどさ。
それに伴って、ベキッ、バキッ、ゴリゴリッ、メチャッ、ピチャッ、みたいなスプラッタな音がえんえん聞こえてきたので、慌てて耳を塞ぎました。まぁ、会話は思念で聞こえてくるしね。
そのうち何とも形容しがたい臭いまで漂ってきたので、こっちに来ないように風の魔法でシールドを作りましたけども。
あああ、盲点だった! だってゲームなら、ボシュンと煙のように姿が消えちゃうからさあ!
でも、実際は違うよね! ガッツリ食べるのよね! 確か魔界には持って帰れないって話だったしね!
それに亜種の巨大ホワイトウルフともなれば、魔の者にとってはご馳走。残さず頂いちゃうわよね。その魔精力だって自分の糧になるんだろうし。
そういやお菓子じゃ何の足しにもならない、とか言ってたっけ。
“一緒に食べるの、久しぶりだな”
“ルヴィ、いなくなった、から”
“……そうだなー”
そうか、二人が地上に一緒にいられること自体が、本当に久しぶりなのよね。
聖女シュルヴィアフェスがいつ亡くなったのかは知らないけど、きっと何百年も経ってる。その間、二人は魔界でしか会えなかったんだから。
食糧は地上で摂取するってスコルは言ってた。本当に久しぶりの兄弟水入らずの食事な訳で、ここはそっとしておかないと駄目よね。
ただ、耳を塞いでも聞こえてくるゴキッ、ベチャッ、はどうにかならないものかしら……。
“うめぇな、やっぱ”
“ウン、オイシー”
“はー、地上サイコー!”
“ウン……ゴフッ、ゴフッ”
“落ち着いて食え、ハティ。マユ、水くれ、水ー!”
お前は亭主関白なダンナか、と思いながら風のシールドを解く。
額から流れる大量の冷や汗を右手で拭い、
『万物の命の源……“マ=ゼップ=セィア=ネィロ”』
と、超簡易呪文で左手の手の平から水を出した。綺麗な放物線を描き、土の壁のてっぺんから中に注ぎ込む。ビシャビシャとハティ達に当たる音が聞こえた。
“うおっ、雑だな!”
「文句を言わないで。こっちは疲れてるのよ」
“オレたちだって疲れたぞ”
「疲れの種類が違うのよ!」
フォンティーヌ邸から50kmは離れたギルマン領まで連れてこられて、初のバトルだというのにいきなりボス戦!
しかもこの血生臭い宴会に付き合わされて……。
肉体的にも精神的にもボロボロよ!
“アリガト、マユ、オイシー”
「そ、良かった」
“オイ、態度が違いすぎねぇか?”
「ちゃんとお礼が言える子は可愛いのです」
“あ、そっか。ありがとな!”
「はいはい」
まぁ、頑張ったご褒美は必要だもんね。
貴重な二人の一緒ご飯、大事にしてあげよう。
しばらくすると、存分に堪能したらしいスコルとハティのガサゴソ動く音が聞こえた。そしてピョーンと円柱の土壁から元気よく飛び出してくる。
やれやれと思いながら二匹の顔を見て、ギョッとした。口の周りは赤茶色いベッタリしたものがこびりついているし、特大ホワイトウルフの肉片みたいなものが体中についている。
そしてこの何とも言い難いニオイ……っ!
「汚っ! クサッ!」
“そりゃあな”
“ウン”
「冗談じゃない! 落とすわよ!」
やっぱり獣は獣、と思いながら再び手の平から水を出し、二匹の灰色の狼に浴びせる。
まずは手前にいたスコルの身体を引き寄せ、左手から水を出しながら右手でわしゃわしゃと顔と口の周りの汚れを落とす。
よく見ると、そのお腹はやけにポッコリしている。
本当にきちんとそれぞれの胃袋に収めたらしい。自分たちの四倍以上もあったホワイトウルフ、二人で半分こにしたとしても相当な量だと思うんだけど……いったいどこにどう入って消化されたのやら。
いや、ごめんなさい、知りたくないわ。そういうつもりで土の壁を作った訳じゃないけど、目撃しなくて本当に良かった。
“んがー、んごっ!”
「暴れないで」
“こんなの気にしてたら魔のモノやってられねーんだけど”
「私は嫌なの!」
“マユ、ハトもー!”
文句を言うスコルに対し、ハティがその血生臭い体のまま飛びつこうとする。ギョッとしてのけぞると、ハティがちょっと悲しそうな顔をした。
“マユぅ……”
「ハティ、ごめん、ちょっと待って。本当に臭いが凄いから!」
“んー”
「……はい、いいよ。おいで、ハティ」
スコルをあらかた綺麗にしたので、今度はハティの身体をわしゃわしゃと洗ってあげる。スコルと違い、ハティはおとなしくされるがままになっていた。目を細めて気持ちよさそうにしている。
だけどしばらくすると
“あ、時間!”
と小さく叫んでパッと碧色の目を見開いた。
「時間?」
“召喚、切れる”
「あ、そっか」
ハティは本来、昼の間に地上にいることはできない。私が召喚したからその契約の下、存在しているだけ。
ポンッと何の前触れもなく、目の前からハティの姿が消えた。バシャバシャと水が弧を描いて地面に落ちているのに気づき、慌てて魔法を引っ込める。
しまった、帰るときはバイバイぐらい言おうねって教えるの、忘れてたわ。
召喚時間は……そうね、1時間ぐらいかな。今後のためにも覚えておこう。
「ハティ、ずぶ濡れのまま帰っちゃったわね。風邪ひかないかしら」
“マユ、聖獣を何だと思ってんだ?”
ブルブルブルッと体を震わせ、水飛沫を飛ばしながらスコルが呆れたような声を上げる。
「だって、ハティの方が身体が弱そうだし」
“まぁ、それは合ってるけど……あ”
スコルはふいっと顔を上げると『やべぇ』みたいな顔をした。そしてくるりと後ろを向き、トコトコと歩き始める。
“オレも帰ろー。ボロが出そうだし”
「え?」
“じゃーなー”
「ちょっと待った!」
むんず、とスコルの尻尾を掴む。
“何だよ”
「ちょっと、私はどうやって家に帰ればいいのよ!」
“あー、だいじょぶ、だいじょぶ”
「全然、大丈夫じゃ……あっ!」
私の手の力が緩んだ瞬間、スコルはするりとすり抜けてダダダーッと駆け出してしまった。ジャンプして右手の林の中に飛び込む。
何しろ時速300km越え、あっという間にその姿が見えなくなった。
「はぁ……」
そう言えば、スコルの背中につけていた鞍、いつの間にか消えていたわね。あれ、ハティが所有していたのよね。私を乗せるためにハティが改造したのかしら。何か私を守る魔法もかかってたみたいだし……。
今度その辺もちゃんと聞かないと。
ところで、二人に置き去りにされた私は、ここからどうやって帰ればいいんだろう、本当に?
「――マリアンセイユ!」
急に野太い声が後ろから飛んできて、飛び上がる程驚いた。
そうだ、すっかり忘れてたけどブラジャー工場から丸見えなんだった、ここ。
だけどこの声は……?
「……ひっ!」
恐る恐る振り返った私の目にまず映ったのは、青空の中にハタハタとひらめく大きな旗。黄色い布に、赤い優勝カップみたいな盃。中央には遠吠えをするような勇ましい狼の紋章。
何か見覚えがあるわ、コレ……。
てん、てん、てん、と視線を下に向けて、ビクッと思わず後じさる。
鈍く光る銀色の鎧姿の集団。ざっと見て、三十人はいる。いつの間にこんなにギャラリーが集まってたのかしら。ハティ達に気を取られて、全然気づかなかった。
そしてその中央には、ひと際体格のいい男が仁王立ちになっている。唯一兜をつけていない、その男性は――。
「お前、どうして!?」
ひどく険しい顔をし、大きな声で怒鳴る男。
はい、オニーサマであるガンディス子爵です。ということは、ここに並んでいる鎧姿の皆さんは、聖女騎士団のフォンティーヌ部隊の方々よね。
あああ、表に出るときは最高に着飾って最高の笑みを浮かべ最高の社交界デビューをするはずの公爵令嬢、マリアンセイユ・フォンティーヌが!
まさか、熊手を片手に魔物を蹴散らす姿を見せることになるとは!
コレ、絶対に怒られるパターンよね。そうよね!?
ど、ど、どうしよう!
10
お気に入りに追加
1,010
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

○○に求婚されたおっさん、逃げる・・
相沢京
BL
小さな町でギルドに所属していた30過ぎのおっさんのオレに王都のギルマスから招集命令が下される。
といっても、何か罪を犯したからとかではなくてオレに会いたい人がいるらしい。そいつは事情があって王都から出れないとか、特に何の用事もなかったオレは承諾して王都へと向かうのだった。
しかし、そこに待ち受けていたのは―――・・

異世界転生して病んじゃったコの話
るて
BL
突然ですが、僕、異世界転生しちゃったみたいです。
これからどうしよう…
あれ、僕嫌われてる…?
あ、れ…?
もう、わかんないや。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
異世界転生して、病んじゃったコの話
嫌われ→総愛され
性癖バンバン入れるので、ごちゃごちゃするかも…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる