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海洞ダンジョン、真砂に揺らぐは沙羅の夢編
14.何が力になるか分からない
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翌日、俺達はカーデ師匠と再会し、再び海洞ダンジョンへと潜る……手筈だったのだが、休暇中の事を師匠に告げると予想外の事を言われてしまった。
「当分、海洞ダンジョンでの修行は中止する。行きたけりゃ、オッサンども二人で行って来い。ワシらは座学をやるぞ」
教室代わりの診察室で指し棒持ち、己の掌にペシペシと叩きつける師匠に、俺は慌てて手を上げ発言した。
「えっ……しっ、師匠ちょっと待って下さい。このまま休んだら、せっかくの修行の成果も無駄になっちゃうんじゃ……」
そうなんだよ、このまま座学ばっかりやってたら、また修行で鍛えた腕力がなくなっちまう。二日休んだだけでも結構鈍ってるに違いないのに、このまま座学のみになったらせっかく覚えた拘束する感覚も持久力も消えてしまいかねない。
たった数日の事とは言え、自分が獲得した努力を失うなんて嫌だ。
そう思っての発現だったのだが、師匠は涼しい顔でペシリと強く音を立てた。
「心配せんでも、後でワシが木の人形を作ってやるわい。ソイツ相手に拘束と持久力の修行を行えば用は足りる。そもそも、軟弱なままのお前を第四層まで降ろしたのが間違いだったんじゃ。この程度で筋肉痛になるぐらいなら、まずは基礎体力からどうにかせい! いいな、とにかく座学に切り替えじゃ!」
「え……えぇえ……」
ブラックとクロウは黙っているが、やはり難色を示した顔だ。ベッドに座る俺の両隣で立っているが、良い雰囲気は少しも漂って来ない。……まあそりゃ、今まで嫌々修行に付き合ってたのに、急に放り出されるとか怒っても当然だよな……。でも、俺にもどうにも出来ないし、どうしたもんか。
困ってキョロキョロしていると、ブラックは溜息を吐いた。
「ま、良いけどね。それはそれで夜の勉強も捗りそうだし……」
「おいおいおい。お前な、誤解を招くような言い方するなよ」
「誤解ではなく本当のことなのでは」
「クロウうるさいっ」
でも否定できないのがつらい!
確かに多少イチャつかないでもないけど、それだけじゃないんだぞ。
俺もブラックも本当に真面目に勉強してるのに、変な言い方しないでほしい。そのせいで、クロウまで当たり前に「スケベな事くらいはしてるだろ」みたいな言い方になっちまってんじゃないか。違うっ、違うからな、勉強はしてたんだからな!
まあ、ここ数日全然勉強してなかったけどな!
……だって、色々ありすぎて、あっちの世界のお勉強をしてる場合じゃなかったって言うか……えっと……。
…………と、ともかく!
「不健全な事はしてませんっっ」
「そうだよねぇ、僕らは恋人として健全な事をして」
「わーっ、もうオッサン二人とも喋るなー!!」
「んなしょうもない違いなんぞ、どうでもええわい。とにかく、次の聖水が届くまでお前はダンジョン禁止じゃからな。分かったら座学じゃ。今日はみっちりやるぞ!」
「うえぇ……はぁいぃ……」
師匠が俺達に対して「気持ち悪っ」的な反応をしないのはありがたいけど、この「心底どうでも良い」みたいな感じもちょっと寂しいのは何でだ。
いや、良いんですけどね。うん。
でも座学をみっちりはキツい。俺の脳みそが死ぬ。
師匠に追い立てられて外に出て行くオッサン二人を見送りつつ、俺はこれから地獄の勉強タイムが来る事に頭を抱えずにはいられなかった。
――それでも、立派な一人前になるには座学もしっかりやらねばならない。
こうして俺は昼くらいまでみっちり師匠に勉強を叩き込まれたのだが……今回は、ハッキリ言って今までの予習みたいな感じで、あまり辛くは無かった。
と言うのも、師匠が今回教えてくれたのは「自ら調合する薬師は知ってて当然の、初歩中の初歩である薬草の摘み取り方」みたいなモノだったからだ。
若芽……つまり、木の曜気が溢れる部分を摘み取るとか、素材から曜気を失わせないために出来るだけ現物そのものを持ち帰るとか、根っこまでちゃんと引っこ抜くだとか……師匠が教えてくれる採取方法は、よくよく考えてみれば、俺が今までやっていた事と同じだったんだよな。
というか、田舎で野草を摘み取る時は常識な事ばっかりだった。
勿論、摘み取り過ぎることへの警鐘や、根っこまで抜き去ればそこには二度と薬草が生えて来なくなる注意点もしっかり習った。
でも、俺は元から知っていた事だったので、受け答えもバッチリだ。今回の授業に限っては「基本をしっかり学んでおって良い」と褒められてしまった。
へへへ……でもさ、これって本当、俺の婆ちゃんとか婆ちゃんの田舎の集落の人達が教えてくれた「野草の取り方」と一緒だから、当たり前の事なんだよな。
例えば、食べられる野草の採りかたがまんまソレだ。
タラの芽とかって野草の中では人気があって、色んな人が山に入って採りに来るんだけど、マナーが悪い人はタラの「芽」だけじゃなく若木を切り倒したり、タラノキが傷を負ってしまうような採り方をしたりするんだ。
だから、そのせいで毎年タラの芽を摘めた場所が徐々にダメージを受けてダメになったり、欲張りな人やお金しか見えていない人のせいで、山林から野草が根こそぎ奪われて翌年は食べられる野草が何もなくなってしまう……なんて事が起きる。
キノコとかもそうだよな。
そんな事になったら人だけじゃなく動物だって困るし、何より行き過ぎた量を自分の勝手で取るとそれはただの自然破壊だ。
使い捨てみたいに思ってても、そう言うのは結局自分に帰って来る。
困るのは自分なんだよな。
俺だって、ガキの頃にアホみたいに柿をもごうとしたら婆ちゃんに怒られたんだ。
この世界では、ゲームみたいに植物がすぐに生えてくる地域がほとんどだけど……それでも基本は「自然を大切に」で変わりは無かろう。
そんな、骨の髄にまで叩き込まれた事が、今回は役に立ったらしい。
俺としては当然の事だったので「あれっ、俺またなんかやっちゃいました?」的なすっとぼけをかましてしまったんだが、まあ、た、たまには良いよな。
俺だってチート所持者なんだし!
……にしても、師匠の言う事はちょっと意外だった。
曰く、ここ最近の木の曜術師は己の曜気に頼り切っていて、正確な調合をしていなかったり、薬草の摘み方と言う初歩中の初歩さえ忘れて薬を適当に作ってるそうな。そのため、流通している回復薬にもムラが出るようになっているらしい。
「店に降ろす物を作る薬師の八割は、学術院で学んだ薬師のはずなのだが…その阿呆どもは己の職に甘えて薬師の本分を忘れておる有様じゃ。金の心配をせんでもいい、確固たる地位を手に入れた途端、怠惰極まる三流に成る。まったく嘆かわしい……」
「学術院出身の薬師の薬ってそんなに質が悪くなってるんです……?」
問う俺に、師匠は憂いを含んだ溜息を吐いて眉間の皺を指で伸ばす。
「己の曜気に胡坐をかいとるせいで、アタリハズレが出るという話じゃよ。アタリの時は、ちゃんと効果も出る。その確率も今や五割を割っておるがの。……とは言え、市井の学のない薬師の薬もピンキリで品質が安定せんし、お前のような高い等級の薬を作れる物は皆無じゃ。よしんばお前のような物が民衆の中から生まれたとしても…………教会で名付けを賜る限りは、その能力の発露を読み取られ、自動的に学術院などに行かされる事には変わりない」
「……?」
教会で名付けをたまわるって、どういうことだろ。
今まで聞いた事のなかった事柄に首を傾げると、師匠は説明してくれた。
どうもこの世界、戸籍システムではないけど、中世の教会や日本の江戸時代のお寺のように、生まれた子供に祝福やらなんやらを授けたりして集落の人数なんかを管理しているらしい。街とかの役場がある場所なら役場が管理しているけど、村や山奥の集落なんかでは管理が行き届かず、教会などに権利を委託しているらしい。
それもあって、この世界の教会では生まれた子供への祝福という名目で、子育てに必要な物品とかを親に贈ったり、良い名前を考えて親に選ばせたり、子供の能力を把握するために調べたりもするらしい。
この世界では最も信者が多くて平和そのもののナトラ教を例にとると、こうだ。
――――病院などが無い村にあるナトラ教では、教会のシスターや牧師さんが出産の手伝いをしたり、生まれたばかりの赤ん坊に「守りの加護」を授けることになっているらしい。この「守りの加護」は、モンスターや病気から子供を守るという、特別な付加術の一種なのだそうな。
生まれた子には、祝福と、さっき言ったように名前や贈り物が与えられる。
そうして三歳か、遅くとも六歳までに、教会で男女という性別の他に子供を産める体なのか――つまりメスかオスかを診断するという。
この時に、子供が五属性のどの属性に寄っているのか、曜術をどのくらい使えるのか、大地の気を操れるのか……などと言う事も調査されるのだそうだ。
とはいえ、街とかそれなりに栄えた所なら、医師や役場もあるのでソコで判断して貰えるらしいけど、それでも親は「守りの加護」を貰うために各宗派の教会へと子供を連れて行くらしいので、教会は子供の数を把握している。
それに、少なくともナトラ教は基本的に国や医師と連携しているので、教会が調査した住民全ての情報は街を統括する存在と共有されているのである。
どんな僻地の村だろうと、教会が有れば国にも子供の事が伝えられるのだ。
……なので、もし教会で俺みたいにチートな子が見つかれば、お役所や王都などにも連絡が入り、すぐ「良い学校で勉強させてあげよう!」となって、とんとん拍子にお金とかが出て学園入りさせられてしまうのだそうな。
逆に言えば、教会も役場も無い村なら、傑物も見過ごされがちだ。
けれど、そこは仕方ないよな。
そう言う所があるからこそ冒険者や自由な生まれの人もいるんだろうし。教会や国のしがらみから逃げたい人や、固有の暮らしを守る人も居るからな。
とはいえ……そこまで国民が手厚く保護されているとは驚きだ。当然、街だろうが村だろうが「抜け」は有るだろうけど、それでも大体出来てるだけで凄いよ。
西洋風ファンタジー世界とは言え、組織の力と言うのは侮れないモンなんだなあ。
つーか、そこまで優遇される「曜術師」という職業もなんかスゴい。
「まあ……曜気を扱えるって言っても、ピンキリですもんね……。凄い力を出せる子がいるってなれば、そりゃ国を挙げてってなるかぁ」
曜術が唱えられても、小さな炎しか出せない……とかそんな人も居るけど、上手くすれば国の高官だって夢じゃない素質だもんなぁ。
普通に努力しても高官には成れるだろうけど、でもスタート位置が違うよ。
むぅ……庶民で頭もフツウの俺としては何か妬ましい話だ。
思わず口を尖らせてしまったが、そんな俺の顔に師匠はクスリと笑った。
「そうじゃな。曜術師は時に国の宝ともなる。だが、学術院は強制ではないぞ」
「えっ、そうなんですか?」
「親の中には、子の選択に任せる者もおる。だからこそ、ゴロツキみたいな曜術師の冒険者も多かろう。……それはともかく、このような仕組みがあるため、能力の高い者はどの国であろうと一度はベランデルン帝国の学術院に参るのだ」
「へー」
「なので、お前のような天然は珍しいということじゃの」
天然ってなんだ。俺はしっかり親に育てて貰った養殖だぞ。
まったく、自生しているみたいに言わないでほしいな。俺には一人じゃ生きていけない自信があるってのに。
「お前も本当は学術院でキチンと学んだ方が良いのだろうが……今となっては紹介状を書くような気も起きん。……まあ、市井の薬師は資格が有って薬師と名乗るワケではない。立派に名乗れるくらいには、ワシがお前をしごいてやる」
「は、はい」
……師匠は元々学術院の講師と言っていたけど、学術院の話をするととても嫌そうな感じの顔になるな。もしかして内部が腐敗しているとかそういう感じなのかな。
でも、失敗作は有れど、それなりに回復薬を作る事が出来る薬師がいるんだから、そう決めてかかるのも危険だよな。
まあ俺は【薬神老師】とも呼ばれる凄い師匠に教わってるんだし、何も心配する事なんてないか。口も悪いしすぐ手も出るけど、師匠は俺の努力をちゃんと見てくれているし、実際に少しずつだけど力もついて来た。
俺の成長速度が遅くたって、ポカをやらかしたって、見放さずにいてくれるんだ。
そこまで面倒を見てくれるのなら、俺だって本気で付いて行かなきゃな。
「……なんじゃ、急にニヤニヤしおって気持ち悪い」
「へへ、何でもないです」
本当、真面目な師匠に付いて来て良かった……なんて思ってるだけだけど、流石にそこまで言えば照れ臭いし、おべっかみたいになっちまうからな。
そんな俺に、師匠は何故か「仕方ないやつだ」と言わんばかりに顔を緩めると、俺の頭をシワシワの手でポンと叩いて撫でてくれた。
男として、頭を撫でるのはやめて欲しいと思うけど……なんていうか、こう言うのはなんか、婆ちゃんにされてるみたいで悪くは無い。
師匠の顔も相まって、拒否するような感情は湧かなかった。
でも、なんで急に撫でたんだろう。
「師匠?」
呼びかけると、師匠は再びポンと俺の頭を叩いた。
「まあ……その、なんだ。学術院などに頼らずとも、お前はワシが鍛えて立派な薬師にしてやる。だから、あまり無理せずにな」
「……はい……」
なんだろ。なんか妙に師匠が優しい。
どうして急にそんな感じになるんだろう。なんかちょっと気味が悪いな。
そうは思えど言葉には出せず、俺は言葉を呑み込んだ。
昼前にきっちり座学が終わってからは、夕方まで師匠が用意してくれた奇妙な木の人形に向かってひたすら【レイン】で拘束する持久走を続けた。
久しぶりに曜術を使ったけど、今日は何だか調子が良くて、思ったよりも長く術を持続させる事が出来た。何故そうなったのかは分からないけど、まあ二日間術を使うことも無かったから、それで気力が戻って来たのかも知れない。
相手が抵抗しない人形だからってのも有るかも知れないが、今回は師匠にソコソコ褒めて貰えた。疲れもあんまり感じなかったから、実力がやっとついてきたのかも。
そう思うと嬉しくて、俺は少し豪勢な夕食のあと、ロクショウと遊……いやいや、期末試験の勉強に励むべく、気合満面で狭い部屋へと突入した。
遊んでないぞ。まあ一時間くらいは遊んだけど、それだけだからな。
……ゴホン。それはともかく。
もちろん、ブラックも一緒だけど……まあ、今日は大丈夫だよな。うん。
当たり前のように膝へと乗せられてしまったが、これはもういい。椅子が一つしかないからこうなるんだ。深くは考えまい。
硬い太腿にケツが痛くならないか相変わらず心配だったが、俺は途中だった社会科の勉強の続きをやる事にした。
ブラックは「またそれ?」と何だか残念そうだったが、これが試験範囲なので仕方ないだろう。背後から俺の腹に腕を回してきてムームー煩かったが、俺は気にせずに教科書を開いてノートをとった。
「…………ねぇツカサ君、なんか今日すごく元気じゃない?」
「えっ、そう……? まあ確かに、言われてみればいつもより調子いいけど」
休暇のお蔭じゃないか、と、ノートにペンを走らせるのを止めると、ブラックは俺の耳に顔を寄せて来て、ちょっと酒臭い息でボソボソと声を吹きかけて来た。
「それ、ホントにぃ? 案外僕のおかげなんじゃない?」
「……なんかお前にして貰ったっけ……」
昨日は一緒に寝たけど、別にそんなの結構な頻度でやってるしな。
特別な事は何もしてないんじゃないかと横から出て来た顔を見やると、ブラックはニタリと気味の悪い笑みで笑いながら、俺の頬に吸い付いて来た。
「んも~ツカサ君たらニブいんだからぁ。一昨日、ツカサ君は僕の精液を美味しそーに飲んでたじゃない!」
「え゛っ!?」
「ホラ、熊公ってツカサ君の精液を吸って腹を満たすでしょ? だからさぁ、もしかしたらツカサ君も恋人の僕の精液を飲んだら元気になるのかも知れないよぉ!」
んなバカなことあるか!!
急に何か言い出したと思ったら、なんつう世迷言を!
変な事を言って邪魔をするなと顔を手で押し退けようとするが、ブラックは俺の手の力以上のパワーで顔を近付けて来ると、体を密着させてまたキスをしようとする。
「ばかっ、もっ……べ、勉強するって言ってるのに……っ」
「ねぇツカサ君、試してみよ……? あ、ツカサ君が飲むだけなのが不満なら、僕もツカサ君の精液喜んで飲むからさー! ほらこれで五分五分っ、ねっ!」
「なんの五分五分だー! 俺にとって全然利益がねえんだけど!?」
「利益ならあるよ! 僕の精液で元気になるという利益が!」
「根拠のない利益を享受してたまるかー!!」
バカな事を言ってんじゃないと今度こそブラックの顔を押し戻すが、相手は諦めていないようで不満げに口を尖らせる。
オッサンがやっても大人げないだけだというのに、ブラックはあからさまに悲しげな顔をして俺をぎゅうっと抱き締めて来た。
「ダメ……? 僕ツカサ君のために、いつでも精液を提供する用意が出来てるよ? ツカサ君が元気になればいいなって思ってるから協力しようと思ったのにぃ……」
「う……で、でも、マジで根拠ないし……それに、その……勉強……」
「じゃあ朝からっ。朝からならいいでしょ? ね?」
「…………」
朝からなんて余計にヤバいと思うのだが、ブラックは関係なしなようだ。
いや、本人的にはこれでも譲歩しているつもりなんだろう。
ううむ……いや、そりゃ、本当にそうだったらヤバいっていうか、俺の体どうなってんだ案件で怖いし、確かめてみたいけど……。
「試すだけっ、ねっ。ねっ?」
「…………ただお前が抜きたいだけじゃないよな?」
「そんなことないよ! この僕の目を見てよツカサ君っ、ほらっ、嘘のないキラキラした目でしょ!? ねっ!?」
「ぐっ……わっ、分かった分かった! 分かったから顔を近付けるな!」
アンタの顔、心臓に悪いんだよ!
なんでこんな事でドキドキしなきゃならんのだと体をのけぞらせたが、ブラックが追いかけて来て、俺は再びキスをされてしまった。
「えへ……ツカサ君大好き……」
「…………ばか……」
どーせ、ブラックがヌいて欲しいだけに違いない。
でもまあ、えっちしたいって言い出さないだけ譲歩してるのかも知れないし。
……ぶっちゃけ、トイレで無理矢理色々された事を思えば、抵抗すればするほど変な方向に捻じ曲がっちゃうかもしれないし……。
…………今更だけど、俺、マジで付き合う相手間違えたんじゃなかろうか。
そうは思えど今更嫌がる気も起きず、俺はただただオッサンのキスの雨を甘んじて受け入れる事しか出来ないのであった。
→
※でも次の回は*マークありません…すっ飛ばします…スミマセン…
遅れて申し訳ないです(´;ω;`)
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