第6回ライト文芸大賞

第6回ライト文芸大賞

選考概要

ドリーム小説大賞と合併し、より幅広いジャンルから全1,876作品が集まった第6回ライト文芸大賞。その中から一次選考を通過したのは34作品。

その後、編集部内で最終選考において大賞候補としたのは、「裏路地古民家カフェでまったりしたい」「拾ったのが本当に猫かは疑わしい」「かおりぎの庭~鎌倉薬膳カフェの出会い~」「感情ミュート」「春の真ん中」「凪の始まり」の6作品。
最終選考6作品は人気の設定を意識し、登場人物や情景・心情描写などが丁寧に描かれた個性溢れる物語が集まった。

これらの候補作の中で、僅差であったが、オリジナリティある設定と個性豊かなキャラクターで最も編集部内の支持を集めた「拾ったのが本当に猫かは疑わしい」を大賞に選出。
さらに、テーマ別賞として、思春期の複雑な感情を高い筆力でまとめた「感情ミュート」、王道の青春をみずみずしく描いた「春の真ん中」を青春賞に。また高い筆力で薬膳料理の魅力を描いた「かおりぎの庭~鎌倉薬膳カフェの出会い~」を新たに設けた料理・グルメ賞とした。
また、一次選考通過作品のうち、受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「拾ったのが本当に猫かは疑わしい」は、しゃべる猫を拾ったアラサーOLと獣医学部に通う猫LOVEな隣人の日常と恋愛を描く、コミカルで可愛らしい印象の作品。個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる軽快で小気味良い会話と、癒やされる読後感が評価された。

「感情ミュート」は、北海道の函館を舞台に、母親との関係に悩む女子高生と、とある事情で東京から引っ越してきた男子高生の関係を描くボーイ・ミーツ・ガールストーリー。登場人物たちの感情の動きを丁寧に描き、高い筆力を窺わせた。

「春の真ん中」は、親の離婚で田舎に戻ってきた女子高生が、桜の舞い込む教室でピアノを弾くクラスメイトの男子に出会う画が美しい物語。それぞれの家庭の事情に悩みながらも二人が心を通わせていく様子が繊細に描かれていた。

「かおりぎの庭~鎌倉薬膳カフェの出会い~」は作品全体に流れる穏やかな雰囲気と、おいしそうな薬膳料理の描写が魅力。年下カフェ店員が傷ついた主人公を優しく包み込み、二人で手を取って生きていく過程が綺麗にまとめられていた。


開催概要はこちら
応募総数 1,876作品 開催期間 2023年05月01日〜末日

編集部より

「動物が話せる」という非日常的な設定が効果的に作用し、逆に何気ない日々の尊さを感じさせ、恋や家族愛など読者が思わず感情移入してしまう要素を巧く物語にまとめているところが大変魅力的です。読了後、明日も頑張ろうと背中をそっと押してくれるような、多くの読者が前向きになれる作品だと思います。


編集部より

ポイント最上位作品として“読者賞”に決定いたしました。最初は可愛かったインコが、主人公が見ない内にワイルドに変貌を遂げている導入は秀逸で、読者の興味を惹いたのではないでしょうか。

感情ミュート

16位 / 1,876件

編集部より

感情を殺す癖のある主人公が一見明るいけれど心に傷を抱えた少年と出会い、家族との確執、恋愛、友情などを通して成長していく様子に引き込まれました。登場人物の心情描写やストーリー構成が巧みで、非常に完成度が高いと感じました。

春の真ん中

39位 / 1,876件

編集部より

王道のストーリーに、美しい描写が重なり、独特の切ない風景を描き上げられている、と感じました。高校生の友情や恋愛、という当事者である彼女たちにとっては大事な出来事をひとつひとつ丁寧に描いた、優しい作品でした。


編集部より

三人称で語られる物語はとても読みやすく、登場人物各々の心情が手に取るように感じられました。また、主人公たちのみずみずしい恋物語に癒され、薬膳などの描写も細やかで心温まりました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

奨励賞

投票ユーザ当選者

投票総数 3,665票 当選 10名