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第3章
第3話(6)
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「あたしなんかじゃ莉音ちゃんのお母さんのかわりになんてなれんけんど、ほんでん困ったことがあったら、いつでも遠慮のう頼ってくんないっちゃね。もちろん、莉音ちゃんにはおじいちゃんもおばあちゃんもおるけん、あたしなんかが出しゃばることじゃねえんだけど」
あたしはほら、お母さんのほうに歳が近いからと優子は笑った。
「ありがとうございます」
「まぁねえ、莉音ちゃんは本当に可愛いけん、義理でんいいけん親子になりてえっちいうんも本音なんやけど」
『母ちゃん、いまんで全部だいなしや!』
画面の向こうで達哉がうんざりしたようにツッコんだ。
『せっかくいいこと言うたち思うち見直しよんのに、しょうもなっ! これやけん、ずうずうしいオバハンは』
「あら、達哉、あんたまだ電話切っちょらんかったん? 仕事中やろ。いい加減、仕事戻ったら? 給料泥棒になるちゃ」
『うっせーわ! 仕事中にいきなり写真送りつけちきたんな、そっちやろが!』
「なんかすみません、僕のせいで」
『あっ、いやいや全然っ! 莉音くんとはひさしぶりに話ができて、ほんと嬉しかったんで。まさかこんなふうに再会できると思わんかったし、電話したんも俺ですからね。気にせんでください』
じかに会えたらもっとよかったんですけど、と、優子に対するのとは一転、人当たりのいい笑顔で言う。
「ねえ、あんた、お盆は帰ってくっと?」
『あ~、まあ、仕事が忙しゅうなかりゃあ』
気が向いたら帰っちゃってもいい。口調も表情もガラリと変わるのがおかしかった。
じゃあ、俺、仕事戻るけんと告げた達哉は、もう一度莉音に愛想よく挨拶をすると通話を切った。途端に優子が、ふたたび豪快に笑った。
「あははははっ! あん子ってばほんと、莉音ちゃんにだけいい顔してしもうて!」
口悪くてごめんねぇと笑う。
「あ、いえ、そんな……」
「おまえ、あいつからかうん、ほどほどにしちょけちゃ」
優子の向こう側で、達彦が苦笑いしながら注意した。
「ごめ~ん。わかっちょんのやけんど、ついなあ。あ~、でも莉音ちゃんの料理、あん子にも食べさせちゃったかったなぁ。どれも好きなもんばっかりだし、絶対喜んだち思うもん」
その言葉を聞いて、莉音はおずおずと優子に提案を持ちかけた。
「あの、それでしたらあとで簡単なレシピ、メモしてお渡ししましょうか? どれも簡単なものばかりなので、わざわざお教えするようなものでもないんですけど」
「え~っ、ほんとに!? そりゃあ助かるわぁ! あたし、あんまり料理得意じゃねえけん、莉音ちゃんに教えてもらえんなら、しんけん嬉しい!」
大喜びで食いついたあとで、不意に「あ!」と表情をあらためた。
「ねえ、莉音ちゃん、いつまで大分におると? ひょっとして、もう少しおじいちゃんのとこにおる予定、ねえ?」
「あ、えっと……、このあとどうするかはまだ決めてなくて。数日中に帰るっていうことはないと思うんですけど……」
言いながらも、つい祖父の顔色を窺ってしまう。だが、祖父はだんまりを決めこんで、口許に箸を運んでいた。
「ほんとう? やったらおばさん、莉音ちゃんにちょ~っと、お願いごとがあっちゃけどなぁ」
「……え?」
にんまりとした優子は、ある頼みごとを口にした。
あたしはほら、お母さんのほうに歳が近いからと優子は笑った。
「ありがとうございます」
「まぁねえ、莉音ちゃんは本当に可愛いけん、義理でんいいけん親子になりてえっちいうんも本音なんやけど」
『母ちゃん、いまんで全部だいなしや!』
画面の向こうで達哉がうんざりしたようにツッコんだ。
『せっかくいいこと言うたち思うち見直しよんのに、しょうもなっ! これやけん、ずうずうしいオバハンは』
「あら、達哉、あんたまだ電話切っちょらんかったん? 仕事中やろ。いい加減、仕事戻ったら? 給料泥棒になるちゃ」
『うっせーわ! 仕事中にいきなり写真送りつけちきたんな、そっちやろが!』
「なんかすみません、僕のせいで」
『あっ、いやいや全然っ! 莉音くんとはひさしぶりに話ができて、ほんと嬉しかったんで。まさかこんなふうに再会できると思わんかったし、電話したんも俺ですからね。気にせんでください』
じかに会えたらもっとよかったんですけど、と、優子に対するのとは一転、人当たりのいい笑顔で言う。
「ねえ、あんた、お盆は帰ってくっと?」
『あ~、まあ、仕事が忙しゅうなかりゃあ』
気が向いたら帰っちゃってもいい。口調も表情もガラリと変わるのがおかしかった。
じゃあ、俺、仕事戻るけんと告げた達哉は、もう一度莉音に愛想よく挨拶をすると通話を切った。途端に優子が、ふたたび豪快に笑った。
「あははははっ! あん子ってばほんと、莉音ちゃんにだけいい顔してしもうて!」
口悪くてごめんねぇと笑う。
「あ、いえ、そんな……」
「おまえ、あいつからかうん、ほどほどにしちょけちゃ」
優子の向こう側で、達彦が苦笑いしながら注意した。
「ごめ~ん。わかっちょんのやけんど、ついなあ。あ~、でも莉音ちゃんの料理、あん子にも食べさせちゃったかったなぁ。どれも好きなもんばっかりだし、絶対喜んだち思うもん」
その言葉を聞いて、莉音はおずおずと優子に提案を持ちかけた。
「あの、それでしたらあとで簡単なレシピ、メモしてお渡ししましょうか? どれも簡単なものばかりなので、わざわざお教えするようなものでもないんですけど」
「え~っ、ほんとに!? そりゃあ助かるわぁ! あたし、あんまり料理得意じゃねえけん、莉音ちゃんに教えてもらえんなら、しんけん嬉しい!」
大喜びで食いついたあとで、不意に「あ!」と表情をあらためた。
「ねえ、莉音ちゃん、いつまで大分におると? ひょっとして、もう少しおじいちゃんのとこにおる予定、ねえ?」
「あ、えっと……、このあとどうするかはまだ決めてなくて。数日中に帰るっていうことはないと思うんですけど……」
言いながらも、つい祖父の顔色を窺ってしまう。だが、祖父はだんまりを決めこんで、口許に箸を運んでいた。
「ほんとう? やったらおばさん、莉音ちゃんにちょ~っと、お願いごとがあっちゃけどなぁ」
「……え?」
にんまりとした優子は、ある頼みごとを口にした。
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