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第1章
この世界について【魔法編】
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「では早速、この世界の魔法について学んでいきたいと思います!」
昨日の夜約束した通りに、僕たちはこの世界について知るため、侯爵家の中にある図書館へ赴き、参考になりそうな本を借りて机に向かっている。
勉強するのは久しぶりな気がするので、少しワクワクしている。
「まずは、魔法の起源からかな。といっても、伝説しか残ってないけどね」
ーー遥か昔、この世界の創造神と、記憶の女神との間に生まれた9人の娘たちがいた。
〈歴史〉の守護者である『クリオ』、
〈喜劇〉の守護者である『タリア』、
〈悲劇〉の守護者である『メルポメネ』、
〈舞踊〉の守護者である『テルプシコレ』、
〈恋愛詩〉の守護者である『エラト』、
〈賛歌〉の守護者である『ポリュムニア』、
〈天文学〉の守護者である『ウラニア』、
〈叙事詩〉の守護者である『カリオペ』、そして
〈抒情詩〉の守護者である『エウテルペ』。
彼女たちは、この世界にそれぞれ国を創った。
クリオは〔マリーノ〕
タリアは〔カメディア〕
メルポメネは〔トゥラグエ〕
テルプシコレは〔ベリー〕
エラトは〔ヴェルレーヌ〕
ポリュムニアは〔ラシーヌ〕
ウラニアは〔アストロン〕
カリオペは〔ユーカラ〕
エウテルペは〔ウィール〕を。
そして、それぞれ時代に沿って人間が支配していくようになり、王国ができた。今では、9人の女神は、合わせてミューズと呼ばれている。
「僕たちが住んでいるウィール王国はエウテルペが創った国なんだね!ルテと名前1文字違いだ!」
確かに、小説の悪役をなんで重要な名前にしたんだろう。疑問が深まるばかりだ。
9国全てが独立して王国となっているが、どこかの国が帝国を作ろうと他国に攻めて、戦争が度々起きている。ウィール王国は一応中立を保っているが、いつ戦争が起きてもおかしくない状態。もちろん、仲良くしている国の方が多いため貿易が盛んに行われていて、ウィール王国は栄えている方だ。特にユーカラ王国やヴェルレーヌ王国、アストロン王国とは特別仲が良い。
今現在戦争が起きているところは、カメディア王国とトゥラグエ王国。この2国は昔からお互い仲が悪く、しょっちゅう戦争したり休戦したり。ウィール王国はあまり関わらないようにしている。
「次は本題の魔法についてだね」
ミューズは、それぞれ自分の力を使って一つずつ魔法の素となる魔素(マナ)を創り出し、人間がそれを使えるように、魔力の器を与えた。器の大きさは人それぞれで、遺伝との関連性はないとされているが、エウテルのように、赤い瞳を持つ人間は比較的器が大きく、膨大な魔力を持つらしい。それも、悪魔の子と忌避されている理由の1つというわけだ。
「でも、なぜかルテは魔力が少なかった。小説のルテの心が荒れる原因の一つにもなっている。使用人には、悪魔の子のくせにって罵られていたらしい...」
「そんなことが...」
おそらく、外伝に書いてあったのだろう。
キタラ家の元使用人たちは、どこまでも心が腐っているらしい。
続きを読んでみる。ミューズが創り出した魔法は、炎・風・水・氷・雷・緑・土・光・闇の9種類。そこから派生して、この前使ったような防音魔法や、日常的に使う浄化魔法、回復魔法などができた。これも、どの性質を持って生まれるかは人それぞれで、1つの人もいれば複数の人もいるし、後天性の人もいる。史上最多は5つだそうだ。5つの性質を持つ人は9人おり、最初にミューズから器を与えられたと伝説になっている。その9人は各国で王となり、国を治めたという。加えて、全員が魔力の器を持つ分けではなく、5つの性質を持つ初代国王の血を受け継ぐ王族、王族の血筋の派生である貴族以外は魔力の器がない人もいる。魔力の器がある平民は、発源すると名字が与えられ、ある程度の地位を取得することができる。
また、光の性質をもつ人間は希少であり、光魔法自体がどの魔法よりも強く、特に回復に特化した魔法のため、光魔法を使う人間は聖者と呼ばれ、平民であれ貴族であれ、保護対象となる。逆に闇魔法は、儀式を交えてでしか手に入れることができない、非常に危険な魔法。儀式には何らかの代償が必要で、どの国でも禁止されている。光と闇は相反している魔法のため、光魔法を使えば、闇魔法を消し去ることができる。
魔力を持つ人は、自分の魔力の性質が決まる15歳から学校に入学することが決まっている。殆どが貴族だが、稀に平民も入学してくることがある。
「それが、小説の主人公のメニル・リードレってわけだね」
メニルは、9歳にして魔法に目覚め、リードレという名字をもらった。さらに、メニルは水、風魔法に加え光魔法の性質も持っていた。それに気づいた教会の人間は、メニルを保護下におき、教会に通わせて貴族と同等の教育を施すことにした。そして、15歳になり、ウィール国立学園に入学する...
「僕は炎と雷と水だっかな。ルテは、緑と土だよね」
エウテルは比較的価値の低い緑魔法と土魔法だった。加えて運動神経も悪く、勉強も中の下だったらしい。顔はめっちゃいいけどフィジカルはちゃんと平凡だったんだな...
「外伝にしか書いてないのって、ちょっと意地悪だよね...ルテが可哀想」
「作者はどういう意図だったんだろう...」
ただの気まぐれなのか、何かしらの意図があったのか。
「今日は、ここまでにしよっか」
結構な情報量だった。まだまだ知っておかなければならないことが沢山あるのに、この先大丈夫かな..
「明日は小説の登場人物を思い出していこう!」
「そうだね、一番重要かも」
味方にできる人がどれくらいいるか..
出来れば、メニルとのいざこざもなく平和に卒業できるのがベストかもしれない。
昨日の夜約束した通りに、僕たちはこの世界について知るため、侯爵家の中にある図書館へ赴き、参考になりそうな本を借りて机に向かっている。
勉強するのは久しぶりな気がするので、少しワクワクしている。
「まずは、魔法の起源からかな。といっても、伝説しか残ってないけどね」
ーー遥か昔、この世界の創造神と、記憶の女神との間に生まれた9人の娘たちがいた。
〈歴史〉の守護者である『クリオ』、
〈喜劇〉の守護者である『タリア』、
〈悲劇〉の守護者である『メルポメネ』、
〈舞踊〉の守護者である『テルプシコレ』、
〈恋愛詩〉の守護者である『エラト』、
〈賛歌〉の守護者である『ポリュムニア』、
〈天文学〉の守護者である『ウラニア』、
〈叙事詩〉の守護者である『カリオペ』、そして
〈抒情詩〉の守護者である『エウテルペ』。
彼女たちは、この世界にそれぞれ国を創った。
クリオは〔マリーノ〕
タリアは〔カメディア〕
メルポメネは〔トゥラグエ〕
テルプシコレは〔ベリー〕
エラトは〔ヴェルレーヌ〕
ポリュムニアは〔ラシーヌ〕
ウラニアは〔アストロン〕
カリオペは〔ユーカラ〕
エウテルペは〔ウィール〕を。
そして、それぞれ時代に沿って人間が支配していくようになり、王国ができた。今では、9人の女神は、合わせてミューズと呼ばれている。
「僕たちが住んでいるウィール王国はエウテルペが創った国なんだね!ルテと名前1文字違いだ!」
確かに、小説の悪役をなんで重要な名前にしたんだろう。疑問が深まるばかりだ。
9国全てが独立して王国となっているが、どこかの国が帝国を作ろうと他国に攻めて、戦争が度々起きている。ウィール王国は一応中立を保っているが、いつ戦争が起きてもおかしくない状態。もちろん、仲良くしている国の方が多いため貿易が盛んに行われていて、ウィール王国は栄えている方だ。特にユーカラ王国やヴェルレーヌ王国、アストロン王国とは特別仲が良い。
今現在戦争が起きているところは、カメディア王国とトゥラグエ王国。この2国は昔からお互い仲が悪く、しょっちゅう戦争したり休戦したり。ウィール王国はあまり関わらないようにしている。
「次は本題の魔法についてだね」
ミューズは、それぞれ自分の力を使って一つずつ魔法の素となる魔素(マナ)を創り出し、人間がそれを使えるように、魔力の器を与えた。器の大きさは人それぞれで、遺伝との関連性はないとされているが、エウテルのように、赤い瞳を持つ人間は比較的器が大きく、膨大な魔力を持つらしい。それも、悪魔の子と忌避されている理由の1つというわけだ。
「でも、なぜかルテは魔力が少なかった。小説のルテの心が荒れる原因の一つにもなっている。使用人には、悪魔の子のくせにって罵られていたらしい...」
「そんなことが...」
おそらく、外伝に書いてあったのだろう。
キタラ家の元使用人たちは、どこまでも心が腐っているらしい。
続きを読んでみる。ミューズが創り出した魔法は、炎・風・水・氷・雷・緑・土・光・闇の9種類。そこから派生して、この前使ったような防音魔法や、日常的に使う浄化魔法、回復魔法などができた。これも、どの性質を持って生まれるかは人それぞれで、1つの人もいれば複数の人もいるし、後天性の人もいる。史上最多は5つだそうだ。5つの性質を持つ人は9人おり、最初にミューズから器を与えられたと伝説になっている。その9人は各国で王となり、国を治めたという。加えて、全員が魔力の器を持つ分けではなく、5つの性質を持つ初代国王の血を受け継ぐ王族、王族の血筋の派生である貴族以外は魔力の器がない人もいる。魔力の器がある平民は、発源すると名字が与えられ、ある程度の地位を取得することができる。
また、光の性質をもつ人間は希少であり、光魔法自体がどの魔法よりも強く、特に回復に特化した魔法のため、光魔法を使う人間は聖者と呼ばれ、平民であれ貴族であれ、保護対象となる。逆に闇魔法は、儀式を交えてでしか手に入れることができない、非常に危険な魔法。儀式には何らかの代償が必要で、どの国でも禁止されている。光と闇は相反している魔法のため、光魔法を使えば、闇魔法を消し去ることができる。
魔力を持つ人は、自分の魔力の性質が決まる15歳から学校に入学することが決まっている。殆どが貴族だが、稀に平民も入学してくることがある。
「それが、小説の主人公のメニル・リードレってわけだね」
メニルは、9歳にして魔法に目覚め、リードレという名字をもらった。さらに、メニルは水、風魔法に加え光魔法の性質も持っていた。それに気づいた教会の人間は、メニルを保護下におき、教会に通わせて貴族と同等の教育を施すことにした。そして、15歳になり、ウィール国立学園に入学する...
「僕は炎と雷と水だっかな。ルテは、緑と土だよね」
エウテルは比較的価値の低い緑魔法と土魔法だった。加えて運動神経も悪く、勉強も中の下だったらしい。顔はめっちゃいいけどフィジカルはちゃんと平凡だったんだな...
「外伝にしか書いてないのって、ちょっと意地悪だよね...ルテが可哀想」
「作者はどういう意図だったんだろう...」
ただの気まぐれなのか、何かしらの意図があったのか。
「今日は、ここまでにしよっか」
結構な情報量だった。まだまだ知っておかなければならないことが沢山あるのに、この先大丈夫かな..
「明日は小説の登場人物を思い出していこう!」
「そうだね、一番重要かも」
味方にできる人がどれくらいいるか..
出来れば、メニルとのいざこざもなく平和に卒業できるのがベストかもしれない。
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