前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜

――『偽聖女を処刑しろっ!』

民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。

何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。

人々の歓声に包まれながら私は処刑された。


そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。

――持たなければ、失うこともない。

だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。

『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』



基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。


※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
24h.ポイント 78pt
21,721
小説 11,680 位 / 192,200件 恋愛 5,560 位 / 57,239件

あなたにおすすめの小説

一番になれなかった身代わり王女が見つけた幸せ

矢野りと
恋愛
旧題:一番になれなかった私が見つけた幸せ〜誰かではなく、私はあなたを選びます〜 ――『後宮に相応しい華を献上せよ』 大国ローゼンの王妃が亡くなってから半年が経ったある日、周辺国へと通達が送られてきた。つまり国王の王妃または側妃となる者を求めていると。 各国の王家は新たな繋がりを得る機会だと色めきだった。 それは我が国も同じで、選ばれたのは婚約者がいない第二王女。 『……嫌です』 ポロポロと涙を流す可憐な第二王女を、愛しそうに見つめていたのは私の婚約者。 そして『なんで彼女なんだっ、あなたが行けばいいのにっ!』と彼の目は訴えていた。 ずっと前から気づいていた、彼が私を愛していないことぐらい。 でもまさか、私の妹を愛しているとは思ってもいなかった。そんな素振りは一度だって見せたことはなかったから。 ――『……第一王女である私が参ります』 この言葉に誰よりも安堵の表情を浮かべたのは、私の婚約者だった。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※内容があわない時はブラウザバックでお願いします。

地味だからと婚約破棄されたので、我慢するのをやめました。

神崎葵
恋愛
旧題:地味だからと婚約破棄されたので、我慢するのをやめることにしました。 「いい加減お前にはうんざりだ」 そう言ってはじまった、婚約者による婚約破棄。 華やかさも色気もないと言われたけど、それには理由がある。 私の母親は毒花と呼ばれるような女性だった。だからお父様は同じようにはなるなと言って、私にお洒落を禁じた。 だけどそれで婚約を破棄され、お父様にも「あの女の娘のくせに」とまで言われてしまった。 言われた通りにしても幻滅されるのなら、もう我慢なんてしません。

ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?

藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」 9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。 そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。 幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。 叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます! 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します

矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜 言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。 お互いに気持ちは同じだと信じていたから。 それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。 『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』 サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。 愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。