転生国主興国記

hinomoto

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本章

ふとってない

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エイ族の長、ラプトプは焦っていた。

おそらく、この目の前に居る丸に近い物体がシャチ族の長デークとは考えれないのだ。

話し方も、



「我は!」



だったのに今は、



「暑い、ぶー。ハァハァ、それでハァハァ何ハァハァ。」



聞くに耐えない物に、見るのに耐えれない者になっているのだ。あれ程の作られた肉体も既に肉の塊にしか見えていない。



「デーク殿でしたよね?」



ラプトプは汗を流しながら聞き返した。

何故かこの場所は暑いのだ。



「あふっ?ハァハァだよ。ハァハァ。」



耐えて居れないのだ。

居たくなくなってきた。



「・・・・・帰ります。」



「帰るの。ハァハァ、疲れた。ハァハァ」



・・・・・二度と来ないぞ。

そう誓うラプトプだった。

デークの見た目と臭いで嫌になり、慌てて逃げ帰ったのだが、シャチ族の周りが豊かな土壌と豊富な餌場になっていることに。

どの種族も喉から手が出るほどの土地になっている事に気が付かないでいた。

一週間も経たないで、海も陸もその恩恵にありつくのだが、まだ誰も知らない。シャチ族以外は。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





クジラ族は怠け者が多い。

見た目に騙される程と言えばクジラ族を先ずあげるだろう。

良く言われるのは、おおらかで優しくて皆の事を考えてそうと言われるのは、付き合えば分かる。

例えば、挨拶なら誰もが簡単に出来る。「おはよう」と言えば「おはよう」で返せる。が、クジラ族は親子でさえ、挨拶は遅い。それは顔を見て誰なのかを確認してから挨拶。同じように顔を見て誰なのかを確認してから挨拶を返す。万事がそうだ。

商売人がクジラ族と話す時は、心を落ち着かせてゆったりとした気分で無いと商売なんて出来ない。

第一次のシャチ族との戦いもクジラ族が悪いのだ。

シャチ族の話を理解出来ないで、先に怒ったのはクジラ族であった。そして争って勝手に応援を募って、大事な所で失敗をおかし良く引き分けに持ち込んだものである。

沢山の作戦の失敗にはクジラ族が関係しているのだが、その言い訳も上手いのもクジラ族であった。

三度も騙されたら誰でも気が付くだろう。

シャチ族と確執を埋めるのに他の種族が躍起にもなったはその為であったが、どこまで修正出来るのかは分からない。



ラプトプはクジラ族の村に寄らなくてはならない程に疲れていた。

気持ち悪い気分のままに村に入り、宿屋に逃げるように入って行く。

誰にも会わない様に怯えていた。



「何であんな物体に。・・・・・恐ろしい。」



そう、怯えて逃げたのだ。

シャチ族との争いが無くなれば無用な被害も無くなる。今の海底は幻獣の時よりも平和な振りをして闇を抱えている。

ラプトプも地上との格差に悩んでいた。

幻獣が居た時はそんなに格差も感じていなかったが、居なくなり陸が海を渡りだしたのは良いが、ゴミの投棄が酷くなり牧場も壊された。サメ族は怒り海賊になった。

エイ族は陸と契約等を行い商いで講和を行った。

海への過度な投棄を止める事と、必要なものの投棄の勧告を行っていた。至極全うな事を行っていたが、分かって居たのはサメ族だけであるのは皮肉ではある。

だから、今回はシャチ族との同盟が不可欠であった。

そうしないと、クジラ族の無能にまたもや人員を削られるだけなのだから。

この事はデークと報告したロレンチーニしか知らない事だが、シャチ族に被害が無いのは広く知られるが、連合の被害は甚大であった。竜族の力が得られなければ滅んでいただろう。その被害もクジラ族には無いのだ。

怪我をした者は多数いたが、死んだり重症な者はいないのだ。これは統計をしなければ分からない事だが、デークは子供の頃から数学の特に統計学には深い知識があった。

子供時代はとりあえずの統計も、第二次の終わりに取った統計には驚く結果にしかならなかった。しかし、誰もその結果には見向きもしなかったのだ。三度目の争いで統計が正しい事が分かったのだ。

その結果を元に仲間を集めてエイ族を纏めたのだ。因みにロレンチーニは初陣の第二次に意気投合して死地を生き残り、第三次で仮説を話し合い、その後に企みを話した。

そう言う事で、シャチ族との同盟は絶対であったのだが、何故か逃げ出したのだ。

あの勇敢で誇り高いシャチ族で竜族も一目を置いた長デーク。

それもブクブク肥った得体も知れない物体になったのだ。

その姿は、その夜にも悪夢となってラプトプを苦しめる事になった。



「うーむ、ま、まるが~、ブヨブヨが~、はぁはぁが~。」
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