転生国主興国記

hinomoto

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のろい

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「ずわわわん。ピコーン。ピコーン。」



何をしてるかは分からないが、話をしないといけないだろう。



「敵影なし。少し浮上します!がぼぼぼぼ。」



「あ、あのー。」



「あ、はい?」



少女は沢山のシャチ族が見ていた事に恥ずかしくなったのか赤くなった。



「何でスか?」



少し怒りながらも話してくれる。

大丈夫だろう。

デークは思った。



「我はシャチ族の族長デークだ。そなたがこれをしたのか?」



あり得ない質問だ。

何を言ってしまっているのだろうとも思った。



「そだよ。」



「なれば、何故ー、へっ?」



間抜けな声になりながら、全てが止まる。



「き、聞き間違えか?も、もう一度聞くが、そなたがしたのか?」



「したよ。」



デークだけでは無いが、何も考えられないではなくて、何を考えたら良いのか分からない事になっていた。



「えっと、此処を?」



「そそ。」



「この草も?」



「もう少し他のもいる?」



何を言っているのか理解が追い付かないで会話を続けた。



「何で澄んでいるの?」



「ん、浄化したから。」



「土が柔らかいのは?」



「それも浄化したし、改良も終わったから。」



「あ、はん。」



「あ、後ね幻獣の穴も消しといたから。」



「へっ?」



デークは鼻から何かを出していた。



「消しといたから。」



笑顔の少女と鼻から何かを出したシャチ族達は何も言えないでいた。



「あー、分かり易く云えば、呪いは消えたよ。」



その言葉が出た瞬間に、



「「「「ええー!」」」」



との声が上がる。

途端に、



「ここも、彼方も呪いは消えたのですか?」



「消えたよ。」



「ここら一体の?」



「うん。」



「此方もですか?」



「だから、消えたし消したから。」



「あ、あなた様は誰なのですか?」



誰かが聞いた時に、女が現れて答えた。



「この呪いを解いたのは、現神龍様に在らせられる!一同、控えられませ!」



の声に一同が平伏す形になってしまった。



「この地を元に戻ったのか、ですか?」



デークは何とも云えない顔で聞く。



「そうです!」



「はは。あれ程に恨んだのに、ワタシはどうすれば。」



デークは顔を手で隠した。

色々と考えて、



「ククククっ。それでも我は我の道を!」



「「「わーい!これ美味しい!」」」



デークは不思議そうにして、声の方に振り向いていた。

そこには何かしているのか分からない事をしていた。

勝手に足がそちらに向かう。近くになると嗅いだことの無い、美味しい匂いが漂い食欲に負けていた。ふらふらと匂いの列に並び物を渡される。



「ごくっ。我はこの怨みを、」



もう食欲を抑える事ができずに、犬食いで食べていた。



「お代わりはまだまだ有りまーす。列に並んで下さいねー。」



可愛い売り子が列を確りと抑えた。

またシャチ族も列を守り、順序良く受け取り食べて列に戻っていた。

それはナイン特製焼きそばである。

べちゃべちゃなソースたっぷりでは無く、あっさりと食べれるのにモチモチとした麺にソースが適量かかり、口にくどくない丁度な風味が食欲を上げてくれるが即座に次が食べれない。列に並んでいる内にお腹が減る。それはエンドレスで行うのだ。

さて、焼きそばのカロリーだが百グラムで平均167カロリーかかる。減らしても135カロリーになるだろう。これをエンドレスで行うと、10回で1350カロリー。20回なら倍にそれ以上なら・・・・・

食い過ぎを起こせば必要カロリーを超えて体に蓄えるのだ。

それを超えると、超えたカロリーを貯めれる体になる。そう、食べれば肥るのは当たり前なのだが、デークは知らない。

いつの間にか並んで居るのが、怨みを蓄えていた者だけであった。それが無限に並び直していたのだ。立ってるだけで汗を流してお腹を鳴らしているのだ。いつの間にか一口で掻き込むと列に並んだ。それは餓えが落ち着くまで続いたのだ。

そして気がつくのは、体が重いのだ。歩くと汗を流し、息も荒い。それは、『肥った』のだ。

食べる前は精錬された肉体も、食後には相撲取り並みに太いのだ。男も女も肥っていたのだ。



「我の怨みを!」



二歩歩いて、地べたに座り汗をタオルで拭く。



「しんどいハァハァ。」



怨みを果たすまでの決意も堕ちてゆく。



「ジュースくれない?ハァハァ。」



デブになったデークに、怨みを云うよりも飯の心配をしていた。

それは、あの戦闘民族だった姿から離れて、食べる事に特化したのだろう。ブ○だらけの喰民族に変わってしまう失態をまだ気づかないでいた。



ブゥー、スぅー。



「臭いわぁ。」
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