231 / 236
第十三章 直線行路
第二百三十話 直線行路(5)
しおりを挟む
人の気配に顔をあげる。
シェイルだ。エリッツの顔を見て首を傾げていた。
「何を泣いているんですか?」
困らせたくはないので何もいえない。黙っているとシェイルが髪をなでてくれる。混乱がすっと引いてゆく。
「御子様、サカシロのうんち……」
「あ」
サカシロのフンを触った手で……。
「大丈夫です。ちゃんと手を拭いてますよ。そのままにはしません」
本当だろうか。
「シュクロに何か言われたのですか?」
シェイルがエリッツの背後を見渡している。
「あのさぁ――」
背後でシュクロの声がする。
「ちょっと黙っててください」
エリッツは遮る。シェイルが嫌々リングを使うハメに陥るのは避けたい。一番うるさそうなセキジョウをちらりと見ると、なんとリギルが自由な方の手で口をふさいでいる。セキジョウは怒りからか顔を赤くしてもがいていた。あとが怖い。
「エリッツ、困っていますね」
シェイルは顔を曇らせる。それからまたエリッツの背後を見渡した。意外にもシュクロは黙っていてくれる。セキジョウはもごもご言っている。
「なるほど」
背後の様子から何かを察したようで、ひとつ頷くと「あれを出してください」と、エリッツに手のひらを差し出す。
「でも……」
「殿下には内緒です。サカシロの毛皮でエリッツの新しいコートを仕立てましょう」
あれ?
遺跡を見に行くのではなくサカシロを狩りに行くのか。
なんだかよくわからないが、とりあえずヒルトリングをシェイルに渡す。
「シュクロ、今度エリッツを追い詰めたら承知しませんよ」
「はっ? 俺じゃねぇよ。あいつのせいだ」
これもまた意外なことにシュクロはあわててセキジョウを指した。シェイルにどう思われようと関係ないと思っていそうだが、誤解はされたくないらしい。シュクロのことは下品で嫌いだが、さっきは確かにセキジョウが余計な情報を出したせいで、頭の処理が追いつかず追い詰められてしまった。
静かだと思ったらみんなセキジョウの方から目をそらして暗い顔で黙りこんでいる。おそるおそるそちらを見ると、今度は逆にリギルの方が口をふさがれていた。セキジョウの唇で。
「正しい口のふさぎ方を教えて差し上げました」
深い口づけを終え、セキジョウは得意満面である。
「あの、それでは自分の口もふさがるので、あまりいい手とは思えませんが」
リギルは困った顔でそんなことを言っている。まったく精神的なダメージを受けていない様子だ。そういうところがセキジョウをムキにさせるのだろう。なんかわかってきた。
なんとなく既視感があると思ったら、これは殿下に折檻を受けるシェイルの反応にも近い。ロイの人って基本的にこういう感じなんだろうか。
「――で、どうなんだ。下、行けそうか?」
セキジョウの方は完全に無視してシュクロは遠慮がちにシェイルを見た。
「わたしがしたことをラヴォート殿下に言わないと約束してもらえるなら手伝ってもいいです」
相変わらずの変なこだわりだ。ラヴォート殿下もこのシェイルの性格を熟知してエリッツにリングを渡すのである。
「言わねぇよ。なんでわざわざそんなことを言いに行く必要があるんだよ。あんた、やっぱり術を使えるのか?」
シュクロは不貞腐れている。これまで随分と偉そうにしていたが、遺跡を探索できるならほんの少しばかりは下手に出ることもできるらしい。
「御覧の通り、術脈は断たれていますが、ヒルトリングがあればやれなくもないです」
手のひらを見せるシェイルにシュクロは妙な顔をする。なんでそんなことになっているのかわけがわからないのだろう。エリッツもまだ詳しくは事情を知らない。
シェイルはリングをはめると石柱に手を触れた。それから少し首を傾げる。
「ずいぶん安定していますね。さほど手を入れる必要はなさそうですが、念のため――」
左手を石柱の根元にそっと置く。
「……すげぇ」
シュクロが息を飲む。エリッツには何が起こっているのかわからないが、術素が見える人にはわかるのだろうか。地下のことなのでどのように見えるのかよくわからない。
「相変わらずの馬鹿力ですね。怖い、怖い」
いつの間にかセキジョウがリギルの手首を握ったまま立っている。どうやらリギルは口ごたえをしたことにより散々腕を引っ張られたようでまたぐったりしている。不憫だ。
「あんた、何者だよ」
地下に集中していたらしいシェイルがぱっと顔をあげる。
「シュクロ、灯口に灯りを。行きますよ」
シュクロはぴたりとかたまった。
「いや、俺、それはちょっと……あんた、それくらいできるだろ?」
「もしかして光を扱えないのですか。随分と偉そうにしていたのに、おかしいですねぇ」
なぜかセキジョウがぐいぐい前に出てくる。誰かを見くだすチャンスは決して見逃さない。
「いちいちうるっせぇな」
シュクロはうんざりしたような舌打ちをもらした。
「得手不得手がありますからね。光も扱う人は少ない術素です。土とは逆につかみどころがなさすぎて難しいのですよね」
いいながらシェイルは先ほどシュクロが灯口と教えてくれた四角の穴の周りの文字をなぞるような仕草をした。
「中で何があるかわからないので、力は温存したかったのですが、仕方ないです」
そういえばアルメシエでも術脈に怪我を負いながら水竜を持ち運ぶ等の無茶をして倒れていた。今回はあまり無理をしないでいてほしいが。
「ま、待ってください。それくらいなら私が」
リギルがよれよれになりながらも前に進み出た。
「できるのですか」
セキジョウがなぜかむっとしている。リギルのこともこき下ろしたかったのかもしれない。そもそも先ほどから一番偉そうにしているセキジョウはそれができるのかどうか気になるところだ。
リギルはシェイルがやったのと同じように四角の穴の縁をなぞる。
「あの、これは……?」
リギルが少しとまどったようにシュクロを見上げた。
「消えかけているが、おそらくセシ族の文字だ。中が壊れてなければ術素をそこへ放つだけで機能すると思う」
シュクロは帳面を見ながらこたえた。
「それ、なんて書いてあるんですか?」
「消えているからきちんと読めないが『灯り』みたいな意味じゃねぇかな」
いや、もっと長い文章に見えるのだが。なんか雑だな。
「ついでに開けます」
リギルが左手を石柱に触れさせた。 石柱にも文字のような模様がいくつか入っているので、この石柱自体も何か意味があって置かれているものなのかもしれない。
「開けれんのかよ」
シュクロが不貞腐れたようにつぶやく。どうやら遺跡の入口を開けるのにも何かしらの能力が必要らしい。
「開けるだけならなんとか。それ以上は主でないと無理です」
「ロイってのは本当に規格外だな」
シュクロは感嘆の声をもらし、セキジョウはリギルの横でつまらなそうにしている。
「ロイがというより、リギルの能力が高いのですよ」
シェイルが少し誇らしげにそんなことを言っている。エリッツもそうやってシェイルに得意げにほめられたい。
「リギル、気を付けてください。この遺跡、ちょっと不思議な感じがします」
「わかりました少しずつやります」
いったいどこが開くのだろうかと見守っていると地鳴りのような音とともに石柱が後ろに動いている。それと同時に地面が文字通り左右にゆっくりと開いていった。上から砂のようなものが被っていたので全然気づかなかったが岩の扉のような構造だったのだ。
エリッツは思わず穴をのぞきこむ。下へは階段のようなものが続いており、どういうわけかわずかに明るい。これが照明というやつなのか。だが、その光がどこから来ているのかよくわからない。これは確かに崩落しないという保証なくして降りる勇気が持てない。
「すごく状態がいいな」
シュクロが岩の扉に触れ、またメモをとっている。
「終わりましたね?」
リギルはまたセキジョウに手首をぎゅっと握られていた。こんな大仕事を終えた直後にまた拘束されて休まる暇がない。あまりに気の毒だ。
シェイルは階段が続く遺跡の奥とハカシロの巣の辺りを交互に見て考え込んだり、首を傾げたりしている。ハカシロの巣が本当に遺跡につながっているのか気になるのだろう。
エリッツは思いのほかわくわくしていた。こんな冒険は初めてのことだ。
シェイルだ。エリッツの顔を見て首を傾げていた。
「何を泣いているんですか?」
困らせたくはないので何もいえない。黙っているとシェイルが髪をなでてくれる。混乱がすっと引いてゆく。
「御子様、サカシロのうんち……」
「あ」
サカシロのフンを触った手で……。
「大丈夫です。ちゃんと手を拭いてますよ。そのままにはしません」
本当だろうか。
「シュクロに何か言われたのですか?」
シェイルがエリッツの背後を見渡している。
「あのさぁ――」
背後でシュクロの声がする。
「ちょっと黙っててください」
エリッツは遮る。シェイルが嫌々リングを使うハメに陥るのは避けたい。一番うるさそうなセキジョウをちらりと見ると、なんとリギルが自由な方の手で口をふさいでいる。セキジョウは怒りからか顔を赤くしてもがいていた。あとが怖い。
「エリッツ、困っていますね」
シェイルは顔を曇らせる。それからまたエリッツの背後を見渡した。意外にもシュクロは黙っていてくれる。セキジョウはもごもご言っている。
「なるほど」
背後の様子から何かを察したようで、ひとつ頷くと「あれを出してください」と、エリッツに手のひらを差し出す。
「でも……」
「殿下には内緒です。サカシロの毛皮でエリッツの新しいコートを仕立てましょう」
あれ?
遺跡を見に行くのではなくサカシロを狩りに行くのか。
なんだかよくわからないが、とりあえずヒルトリングをシェイルに渡す。
「シュクロ、今度エリッツを追い詰めたら承知しませんよ」
「はっ? 俺じゃねぇよ。あいつのせいだ」
これもまた意外なことにシュクロはあわててセキジョウを指した。シェイルにどう思われようと関係ないと思っていそうだが、誤解はされたくないらしい。シュクロのことは下品で嫌いだが、さっきは確かにセキジョウが余計な情報を出したせいで、頭の処理が追いつかず追い詰められてしまった。
静かだと思ったらみんなセキジョウの方から目をそらして暗い顔で黙りこんでいる。おそるおそるそちらを見ると、今度は逆にリギルの方が口をふさがれていた。セキジョウの唇で。
「正しい口のふさぎ方を教えて差し上げました」
深い口づけを終え、セキジョウは得意満面である。
「あの、それでは自分の口もふさがるので、あまりいい手とは思えませんが」
リギルは困った顔でそんなことを言っている。まったく精神的なダメージを受けていない様子だ。そういうところがセキジョウをムキにさせるのだろう。なんかわかってきた。
なんとなく既視感があると思ったら、これは殿下に折檻を受けるシェイルの反応にも近い。ロイの人って基本的にこういう感じなんだろうか。
「――で、どうなんだ。下、行けそうか?」
セキジョウの方は完全に無視してシュクロは遠慮がちにシェイルを見た。
「わたしがしたことをラヴォート殿下に言わないと約束してもらえるなら手伝ってもいいです」
相変わらずの変なこだわりだ。ラヴォート殿下もこのシェイルの性格を熟知してエリッツにリングを渡すのである。
「言わねぇよ。なんでわざわざそんなことを言いに行く必要があるんだよ。あんた、やっぱり術を使えるのか?」
シュクロは不貞腐れている。これまで随分と偉そうにしていたが、遺跡を探索できるならほんの少しばかりは下手に出ることもできるらしい。
「御覧の通り、術脈は断たれていますが、ヒルトリングがあればやれなくもないです」
手のひらを見せるシェイルにシュクロは妙な顔をする。なんでそんなことになっているのかわけがわからないのだろう。エリッツもまだ詳しくは事情を知らない。
シェイルはリングをはめると石柱に手を触れた。それから少し首を傾げる。
「ずいぶん安定していますね。さほど手を入れる必要はなさそうですが、念のため――」
左手を石柱の根元にそっと置く。
「……すげぇ」
シュクロが息を飲む。エリッツには何が起こっているのかわからないが、術素が見える人にはわかるのだろうか。地下のことなのでどのように見えるのかよくわからない。
「相変わらずの馬鹿力ですね。怖い、怖い」
いつの間にかセキジョウがリギルの手首を握ったまま立っている。どうやらリギルは口ごたえをしたことにより散々腕を引っ張られたようでまたぐったりしている。不憫だ。
「あんた、何者だよ」
地下に集中していたらしいシェイルがぱっと顔をあげる。
「シュクロ、灯口に灯りを。行きますよ」
シュクロはぴたりとかたまった。
「いや、俺、それはちょっと……あんた、それくらいできるだろ?」
「もしかして光を扱えないのですか。随分と偉そうにしていたのに、おかしいですねぇ」
なぜかセキジョウがぐいぐい前に出てくる。誰かを見くだすチャンスは決して見逃さない。
「いちいちうるっせぇな」
シュクロはうんざりしたような舌打ちをもらした。
「得手不得手がありますからね。光も扱う人は少ない術素です。土とは逆につかみどころがなさすぎて難しいのですよね」
いいながらシェイルは先ほどシュクロが灯口と教えてくれた四角の穴の周りの文字をなぞるような仕草をした。
「中で何があるかわからないので、力は温存したかったのですが、仕方ないです」
そういえばアルメシエでも術脈に怪我を負いながら水竜を持ち運ぶ等の無茶をして倒れていた。今回はあまり無理をしないでいてほしいが。
「ま、待ってください。それくらいなら私が」
リギルがよれよれになりながらも前に進み出た。
「できるのですか」
セキジョウがなぜかむっとしている。リギルのこともこき下ろしたかったのかもしれない。そもそも先ほどから一番偉そうにしているセキジョウはそれができるのかどうか気になるところだ。
リギルはシェイルがやったのと同じように四角の穴の縁をなぞる。
「あの、これは……?」
リギルが少しとまどったようにシュクロを見上げた。
「消えかけているが、おそらくセシ族の文字だ。中が壊れてなければ術素をそこへ放つだけで機能すると思う」
シュクロは帳面を見ながらこたえた。
「それ、なんて書いてあるんですか?」
「消えているからきちんと読めないが『灯り』みたいな意味じゃねぇかな」
いや、もっと長い文章に見えるのだが。なんか雑だな。
「ついでに開けます」
リギルが左手を石柱に触れさせた。 石柱にも文字のような模様がいくつか入っているので、この石柱自体も何か意味があって置かれているものなのかもしれない。
「開けれんのかよ」
シュクロが不貞腐れたようにつぶやく。どうやら遺跡の入口を開けるのにも何かしらの能力が必要らしい。
「開けるだけならなんとか。それ以上は主でないと無理です」
「ロイってのは本当に規格外だな」
シュクロは感嘆の声をもらし、セキジョウはリギルの横でつまらなそうにしている。
「ロイがというより、リギルの能力が高いのですよ」
シェイルが少し誇らしげにそんなことを言っている。エリッツもそうやってシェイルに得意げにほめられたい。
「リギル、気を付けてください。この遺跡、ちょっと不思議な感じがします」
「わかりました少しずつやります」
いったいどこが開くのだろうかと見守っていると地鳴りのような音とともに石柱が後ろに動いている。それと同時に地面が文字通り左右にゆっくりと開いていった。上から砂のようなものが被っていたので全然気づかなかったが岩の扉のような構造だったのだ。
エリッツは思わず穴をのぞきこむ。下へは階段のようなものが続いており、どういうわけかわずかに明るい。これが照明というやつなのか。だが、その光がどこから来ているのかよくわからない。これは確かに崩落しないという保証なくして降りる勇気が持てない。
「すごく状態がいいな」
シュクロが岩の扉に触れ、またメモをとっている。
「終わりましたね?」
リギルはまたセキジョウに手首をぎゅっと握られていた。こんな大仕事を終えた直後にまた拘束されて休まる暇がない。あまりに気の毒だ。
シェイルは階段が続く遺跡の奥とハカシロの巣の辺りを交互に見て考え込んだり、首を傾げたりしている。ハカシロの巣が本当に遺跡につながっているのか気になるのだろう。
エリッツは思いのほかわくわくしていた。こんな冒険は初めてのことだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
婚約者に裏切られた女騎士は皇帝の側妃になれと命じられた
ミカン♬
恋愛
小国クライン国に帝国から<妖精姫>と名高いマリエッタ王女を側妃として差し出すよう命令が来た。
マリエッタ王女の侍女兼護衛のミーティアは嘆く王女の監視を命ぜられるが、ある日王女は失踪してしまった。
義兄と婚約者に裏切られたと知ったミーティアに「マリエッタとして帝国に嫁ぐように」と国王に命じられた。母を人質にされて仕方なく受け入れたミーティアを帝国のベルクール第二皇子が迎えに来た。
二人の出会いが帝国の運命を変えていく。
ふわっとした世界観です。サクッと終わります。他サイトにも投稿。完結後にリカルドとベルクールの閑話を入れました、宜しくお願いします。
2024/01/19
閑話リカルド少し加筆しました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる