232 / 236
第十三章 直線行路
第二百三十一話 直線行路(6)
しおりを挟む
あまり外に出てこなかったエリッツにとって遺跡というと本の中の情報でしかなかった。どれくらい古いとか、どういういわれのある遺跡だとか、そういうことはだいたい詳しく書いてあるものだが、手で触れてみた感じとか、歩いたときのごつごつとした感じやじめじめした空気まではこうして入ってみないとわからない。
「エリッツ、あまりうろうろしては危ないですよ」
つい感動して動き回ってしまった。ルルクの方を見るといつも通りぼんやりしている。アルヴィンとは違って走り回ったりする心配がないのは、こういうときありがたい。
「この規模なら先に報告を入れるべきだったかもしれませんね」
セキジョウは今さらそんなことを言い出す。散々、地下を見ればいいとか、シェイルにやらせればいいとか言っていたくせに。
しかし確かに入口からしてずいぶんと広い。奥もずっと先まで続いているし、左右にいくつも通路があるのが見える。地下がこんなに複雑でしかもしっかりとした造りになっているとは思わなかった。一体なんのための空間なのだろう。
しかしセキジョウはここまでリギルにつきまとうばかりでほとんど仕事をしていなかった癖に急に報告とはどうしたというのか。
「貴重な遺跡かもしれないのに勝手に中を荒らしてよいものでしょうかあー」
夢中で遺跡の様子を見ているシュクロに聞こえるように大声で叫ぶ。やはり嫌がらせが仕事なのか。
「人聞きの悪いこと言うな。荒さねぇよ。作法は心得てる。なんなら俺が報告書を書いてやるよ。まぁ、準備不足は否めないがな」
なんだかはつらつとしている。これまでのただ嫌なこと吐き散らす下品で粗雑で頭の悪そうな嫌われ者という印象とはまた違う。階段の高さや、いたるところにある文字に見える模様、壁に意味ありげうがたれた窪みなど、あちこち調べて帳面に書き込んでいる姿は学者みたいだ。そのせいでエリッツたちは入口から先に進めずにいるわけだが。
「これ、セシ族の遺跡なんですか?」
シュクロの希望地でもあったセシ族の遺跡はレジス中央から北部にかけて至るところに残っているのだが、有名なのはこれから向かう予定だったグランサフスという地にあるものだ。向かう前に少しは調べてこようと思っていたのだが、時間がなくて頭に入れてきたことはわずかだ。
セシ族はレジス人がこの地を支配する前からここに住んでおり、術を扱う能力に長けた一族だったらしい。実はルグイラにもセシ族のものとみられる遺跡が数多く残っており、それでシュクロも詳しいのだろう。かなり広範囲にわたって栄えた民族のようだ。特別レジス人が迫害して追い出したような記録は残っていないが、今そのセシ族がここにいないとなると、あえて記録に残していないだけでそういったことがあったのかもしれない。
「装飾や文字を見る限りそのようですが、ちょっと様子が変ですね」
シェイルは腕を組んで考え込んでいる。エリッツは遺跡というものを初めて見るので何が変なのかわからない。
「確かに違和感はあるな。特に照明の仕組みはセシ族特有のものとは少し違う気がする。俺は光の術素のことはよくわからんが、あのおっさんが戸惑ったのも無理ないな」
シュクロもメモをとりながらそうつぶやている。「あのおっさん」とはリギルのことだろうか。「おっさん」のイメージはなかったので、一瞬誰のことを言っているのかわからなかった。腰が低すぎるためだろうか。常時、新人事務官のような気配を放っている気がする。
そのときエリッツは何か妙なにおいを嗅いだ気がした。地下の遺跡に入ったのは初めてなのでこういうにおいがするものだといわれればそう納得してしまいそうだが、なんというか血のようなにおいであまり嗅いでいたくはない。
「エリッツ、どうかしたんですか?」
シェイルがエリッツの顔をのぞきこんでいる。些細なこともすぐ顔に出てしまう。シェイルは指先でエリッツの眉間に触れた。
「眉間に皺が」
「え、いや、あの、たいしたことではないです」
何でもかんでもいちいち顔に出てしまって恥ずかしくなってくる。
「大丈夫ですか?」
なぜかぐいぐいと眉間を押される。
「大丈夫ですよ。あの……、えっと、何ですか?」
「いえ、別に」
言いながらまだぐいぐいされる。
「い、痛いです」
シェイルはなぜかじっとエリッツを見ながら眉間を押している。
「なーにをいちゃいちゃしてんだよ。早くしてくれ。まさかこんなチャンスがあるとは思わなかったから道具も何もない。とりあえずどんどん行くぞ。まず全体をつかまないとな」
入口の調査を切りあげたシュクロが隣で待っていた。前向きになったらなったで面倒くさい。
「すみません。なんかやりたくなっちゃったんですよね」
シェイルがはっとしたようにエリッツの眉間から指を離す。
「わからなくはない。なんか、こう、存在が小動物っぽいんだよな」
シュクロがさらりと失礼なことを言う。
「確かに。この人ペット感ありますね。かーわいい」
どういうわけかセキジョウまで割り込んでくる。セキジョウの妙な言い方にシュクロが「かーわいい」と真似して吹き出す。
「いえ、わたしは決してそんなつもりは……」
シェイルが困ったように二人を見た。
「わざと子犬の進路を妨害して何とか抜け出そうと一生懸命になっている様を眺めて楽しむ顔をしていましたよ」
セキジョウが具体的すぎる例えを出す。普段そんなことをしているのか。
「わかる。犬っぽい」
シュクロは下品にげらげら笑っている。腹が立つが、前から座敷犬だ、ペットだと、いわれ続けているので今さらだ。もうシェイルにかまってもらえるなら犬でも猫でも何でもいい。
「あれ? そういえばセキジョウさん、後ろの方々は上ですか?」
「全員でおりてきたら何かあったとき全滅するじゃないですか。二人もいれば充分です」
さらりと怖いことを言う。しかし二人というと……?
エリッツが首をめぐらせると階段の陰で例の弓矢を持ってきた人がこちらの様子をうかがっていた。エリッツの視線を感じたのか、さっと地面に伏せる。いや、伏せたところで明るいので丸見えだ。怪しすぎる。
後ろには他にも人がいたのに、なぜあの人にしたのだろう。矢も折れてしまったし、戦力外なのではないだろうか。
そのとき奥の方で物音がした。小石が転がるような音だ。
「サカシロでしょうか」
シェイルが見極めるように奥を見つめる。とにかく今はそれしか頭にないらしい。
「どうせ奥に行くのですから、後で確認すればいいじゃないですか」
セキジョウはすでに飽きたような声をしている。狩りも遺跡もそんなに興味はないのだろう。目下興味関心があるのはリギルだけのようだ。相変わらずしっかりと手首をつかまえている。
「そうですね。この先も術素は安定しているので心配ありません。進みましょう」
シェイルは壁面に左の指先を触れさせている。
「それだけでわかるんですか」
「わかりますよ」
それからなぜかまたエリッツの眉間を指で押す。何だかわからないがくしゃみがでた。シェイルは音に驚いたようにはっとして「す、すみません。つい……」と目をそらした。一体なんなんだろうか。
「わかるなー。俺も犬の頭とかぐいぐいして困った顔見るの好きだったわー」
シュクロがわけのわからないことを言いながらエリッツを追い越してゆく。
入口から見た通り奥の方は入り組んでいた。横道もたくさんあり、その先にもいくつか横道が見える。全部確認するにはかなり時間がかかりそうだ。
「シュクロさん、何を書いているんですか」
「地図だ。この調子だと迷ったら戻れなくなる。この辺もなんか変だよなー」
「どの辺ですか?」
「セシ族の地下遺跡ってのは目的がはっきりしているものが多いんだ。地下墓地なら、地下墓地、牢屋なら牢屋、住居なら住居。見たらすぐにわかる。だがここは過去に発見された遺跡と照らし合わせても、何のためのものかよくわからない。まさかサカシロが掘ったのか?」
エリッツにはただの迷路に見える。まさかわざわざ迷路を作ったりはしないだろうから、何か目的があったはずだ。
「セシ族は地下にいろんな設備を作っていたんですね」
「お前は歴史を勉強していないのか。セシ族は争いに敗れて地下に暮らすようになったんだ。だからセシ族の遺跡といったらまず地下なんだよ」
生活に必要なものはまず地下にあるということか。なんか聞いたことがあるような、ないような。本で読んだり、試験勉強でおぼえたこともすぐに忘れてしまうのがエリッツである。
「太陽の光を浴びないと、朝か夜かわからなくなりそうですよね。そのうち今がいつなのかもわからなくなりそうです」
シュクロがぽかんとエリッツを見た。
「おれ、何か変なこと言いました?」
「……いや」
また何かバカにされるようなことを言っただろうかとドキドキしていたが、シュクロは黙りこくって、何か考えごとをしているようだった。
「エリッツ、あまりうろうろしては危ないですよ」
つい感動して動き回ってしまった。ルルクの方を見るといつも通りぼんやりしている。アルヴィンとは違って走り回ったりする心配がないのは、こういうときありがたい。
「この規模なら先に報告を入れるべきだったかもしれませんね」
セキジョウは今さらそんなことを言い出す。散々、地下を見ればいいとか、シェイルにやらせればいいとか言っていたくせに。
しかし確かに入口からしてずいぶんと広い。奥もずっと先まで続いているし、左右にいくつも通路があるのが見える。地下がこんなに複雑でしかもしっかりとした造りになっているとは思わなかった。一体なんのための空間なのだろう。
しかしセキジョウはここまでリギルにつきまとうばかりでほとんど仕事をしていなかった癖に急に報告とはどうしたというのか。
「貴重な遺跡かもしれないのに勝手に中を荒らしてよいものでしょうかあー」
夢中で遺跡の様子を見ているシュクロに聞こえるように大声で叫ぶ。やはり嫌がらせが仕事なのか。
「人聞きの悪いこと言うな。荒さねぇよ。作法は心得てる。なんなら俺が報告書を書いてやるよ。まぁ、準備不足は否めないがな」
なんだかはつらつとしている。これまでのただ嫌なこと吐き散らす下品で粗雑で頭の悪そうな嫌われ者という印象とはまた違う。階段の高さや、いたるところにある文字に見える模様、壁に意味ありげうがたれた窪みなど、あちこち調べて帳面に書き込んでいる姿は学者みたいだ。そのせいでエリッツたちは入口から先に進めずにいるわけだが。
「これ、セシ族の遺跡なんですか?」
シュクロの希望地でもあったセシ族の遺跡はレジス中央から北部にかけて至るところに残っているのだが、有名なのはこれから向かう予定だったグランサフスという地にあるものだ。向かう前に少しは調べてこようと思っていたのだが、時間がなくて頭に入れてきたことはわずかだ。
セシ族はレジス人がこの地を支配する前からここに住んでおり、術を扱う能力に長けた一族だったらしい。実はルグイラにもセシ族のものとみられる遺跡が数多く残っており、それでシュクロも詳しいのだろう。かなり広範囲にわたって栄えた民族のようだ。特別レジス人が迫害して追い出したような記録は残っていないが、今そのセシ族がここにいないとなると、あえて記録に残していないだけでそういったことがあったのかもしれない。
「装飾や文字を見る限りそのようですが、ちょっと様子が変ですね」
シェイルは腕を組んで考え込んでいる。エリッツは遺跡というものを初めて見るので何が変なのかわからない。
「確かに違和感はあるな。特に照明の仕組みはセシ族特有のものとは少し違う気がする。俺は光の術素のことはよくわからんが、あのおっさんが戸惑ったのも無理ないな」
シュクロもメモをとりながらそうつぶやている。「あのおっさん」とはリギルのことだろうか。「おっさん」のイメージはなかったので、一瞬誰のことを言っているのかわからなかった。腰が低すぎるためだろうか。常時、新人事務官のような気配を放っている気がする。
そのときエリッツは何か妙なにおいを嗅いだ気がした。地下の遺跡に入ったのは初めてなのでこういうにおいがするものだといわれればそう納得してしまいそうだが、なんというか血のようなにおいであまり嗅いでいたくはない。
「エリッツ、どうかしたんですか?」
シェイルがエリッツの顔をのぞきこんでいる。些細なこともすぐ顔に出てしまう。シェイルは指先でエリッツの眉間に触れた。
「眉間に皺が」
「え、いや、あの、たいしたことではないです」
何でもかんでもいちいち顔に出てしまって恥ずかしくなってくる。
「大丈夫ですか?」
なぜかぐいぐいと眉間を押される。
「大丈夫ですよ。あの……、えっと、何ですか?」
「いえ、別に」
言いながらまだぐいぐいされる。
「い、痛いです」
シェイルはなぜかじっとエリッツを見ながら眉間を押している。
「なーにをいちゃいちゃしてんだよ。早くしてくれ。まさかこんなチャンスがあるとは思わなかったから道具も何もない。とりあえずどんどん行くぞ。まず全体をつかまないとな」
入口の調査を切りあげたシュクロが隣で待っていた。前向きになったらなったで面倒くさい。
「すみません。なんかやりたくなっちゃったんですよね」
シェイルがはっとしたようにエリッツの眉間から指を離す。
「わからなくはない。なんか、こう、存在が小動物っぽいんだよな」
シュクロがさらりと失礼なことを言う。
「確かに。この人ペット感ありますね。かーわいい」
どういうわけかセキジョウまで割り込んでくる。セキジョウの妙な言い方にシュクロが「かーわいい」と真似して吹き出す。
「いえ、わたしは決してそんなつもりは……」
シェイルが困ったように二人を見た。
「わざと子犬の進路を妨害して何とか抜け出そうと一生懸命になっている様を眺めて楽しむ顔をしていましたよ」
セキジョウが具体的すぎる例えを出す。普段そんなことをしているのか。
「わかる。犬っぽい」
シュクロは下品にげらげら笑っている。腹が立つが、前から座敷犬だ、ペットだと、いわれ続けているので今さらだ。もうシェイルにかまってもらえるなら犬でも猫でも何でもいい。
「あれ? そういえばセキジョウさん、後ろの方々は上ですか?」
「全員でおりてきたら何かあったとき全滅するじゃないですか。二人もいれば充分です」
さらりと怖いことを言う。しかし二人というと……?
エリッツが首をめぐらせると階段の陰で例の弓矢を持ってきた人がこちらの様子をうかがっていた。エリッツの視線を感じたのか、さっと地面に伏せる。いや、伏せたところで明るいので丸見えだ。怪しすぎる。
後ろには他にも人がいたのに、なぜあの人にしたのだろう。矢も折れてしまったし、戦力外なのではないだろうか。
そのとき奥の方で物音がした。小石が転がるような音だ。
「サカシロでしょうか」
シェイルが見極めるように奥を見つめる。とにかく今はそれしか頭にないらしい。
「どうせ奥に行くのですから、後で確認すればいいじゃないですか」
セキジョウはすでに飽きたような声をしている。狩りも遺跡もそんなに興味はないのだろう。目下興味関心があるのはリギルだけのようだ。相変わらずしっかりと手首をつかまえている。
「そうですね。この先も術素は安定しているので心配ありません。進みましょう」
シェイルは壁面に左の指先を触れさせている。
「それだけでわかるんですか」
「わかりますよ」
それからなぜかまたエリッツの眉間を指で押す。何だかわからないがくしゃみがでた。シェイルは音に驚いたようにはっとして「す、すみません。つい……」と目をそらした。一体なんなんだろうか。
「わかるなー。俺も犬の頭とかぐいぐいして困った顔見るの好きだったわー」
シュクロがわけのわからないことを言いながらエリッツを追い越してゆく。
入口から見た通り奥の方は入り組んでいた。横道もたくさんあり、その先にもいくつか横道が見える。全部確認するにはかなり時間がかかりそうだ。
「シュクロさん、何を書いているんですか」
「地図だ。この調子だと迷ったら戻れなくなる。この辺もなんか変だよなー」
「どの辺ですか?」
「セシ族の地下遺跡ってのは目的がはっきりしているものが多いんだ。地下墓地なら、地下墓地、牢屋なら牢屋、住居なら住居。見たらすぐにわかる。だがここは過去に発見された遺跡と照らし合わせても、何のためのものかよくわからない。まさかサカシロが掘ったのか?」
エリッツにはただの迷路に見える。まさかわざわざ迷路を作ったりはしないだろうから、何か目的があったはずだ。
「セシ族は地下にいろんな設備を作っていたんですね」
「お前は歴史を勉強していないのか。セシ族は争いに敗れて地下に暮らすようになったんだ。だからセシ族の遺跡といったらまず地下なんだよ」
生活に必要なものはまず地下にあるということか。なんか聞いたことがあるような、ないような。本で読んだり、試験勉強でおぼえたこともすぐに忘れてしまうのがエリッツである。
「太陽の光を浴びないと、朝か夜かわからなくなりそうですよね。そのうち今がいつなのかもわからなくなりそうです」
シュクロがぽかんとエリッツを見た。
「おれ、何か変なこと言いました?」
「……いや」
また何かバカにされるようなことを言っただろうかとドキドキしていたが、シュクロは黙りこくって、何か考えごとをしているようだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる