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第十三章 直線行路
第二百二十九話 直線行路(4)
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「遺跡ですか?」
「やっぱり巣穴があったのか」
またシェイルとシュクロが同時に声をあげてお互いに顔を見合わせる。
しばしセキジョウががしがしと木を踏みつけている音だけが響いた。
「ひとつずついきましょう」
サカシロに夢中だったシェイルがようやく冷静さを取り戻したように現状の整理にかかる。
まずちらりとセキジョウを見てからすぐに目をそらした。あれは後回しにするらしい。勝負はシェイルの勝ちで間違いないが、絶対に認めないだろうから今関わると時間を取られそうである。
「その石の柱、遺跡なんですか?」
「明らかに古い人工物だ。ここ、灯口があるし、文字が刻まれていた跡もある」
エリッツも興味をひかれて石柱の元へ近寄る。
「『とーこー』とはなんですか?」
「これだ」
シュクロが石柱の根本付近の穴を指す。きれいに四角く切り抜かれたような穴でその周りは文字にも見える模様で飾られている。
「今でもその仕組みは利用されていますが、ようするに照明ですね」
シェイルが簡単に説明してくれる。照明といわれても、どこをどう照らすためのものなのか。四角い穴からはまったく想像ができない。
「そこに火を入れるんですか?」
「火を入れる場合と光の術素を集める場合がある」
シュクロは帳面を見つつ石柱の根本を調べている。まだよくわからない。とにかく術士でないと扱えない代物なのだろう。
エリッツはあらためて石の柱をぐるりと見て回った。前にあの朽木が立っていたのでシェイルも遠目では気づかなかったのだろう。エリッツの背丈よりやや低いくらいの石柱は確かに自然のものには見えず、何者かの手により長方形に切り出されたもののようだ。
「サカシロの巣穴らしきものはあそこなんですが、もしかして地下で繋がっているのかもしれませんね」
シュクロがシェイルの指差す方を見て「なるほど」と手を打った。
「ここにサカシロが群がってるってことは地下墓地かもしれないな」
「その遺跡って地下にもあるんですか?」
エリッツは石柱だけを指して「遺跡」と言っているのかと思っていたので驚いた。
「規模はわからないが、この手のものは地下がメインだ」
この手のものとはどういうもののことだろうか。そういえば何かそういう遺跡に関する本を読んだような気もしなくはないがよく覚えていない。
「しかしそんなに古いものであればサカシロの食事になるようなものはもう残っていないんじゃないでしょうか」
「そうだよなー」
シュクロは何かを考えながら帳面にメモを取ったり、あちこち調べたりして忙しそうだ。
シェイルはまたルルクと一緒にサカシロの巣穴を見に行っている。地面にあいた穴の奥を指さしたり、周りの土を触ったりしてあれこれ話をしている。なんか楽しそうだ。エリッツもそっちに行こうとしたところで、背後から肩をつかまれる。
「遺跡の地下を見てくればいいんじゃないですか」
矢の命中した朽木をすっかり破壊してしまったセキジョウが何食わぬ顔で参加してきた。
「簡単に言うけどなぁ……あ?」
シュクロが言葉を切った。エリッツもまじまじとそちらを見てしまう。
「あの、セキジョウさん、どうしてリギルさんの手を?」
セキジョウはリギルの袖ではなく手首をがっしりと握っていた。より親密そうである。
「あのロイが袖に触れるなと言ったではないですか」
その前に「放せ」と言ったように記憶しているのだが。相変わらずリギルは黙ってされるがままになっていた。
「まあ、矢は命中したのかどうかもよくわからない状態でしたけれどね」
誰がその状態にしたのか。
「ちゃんと命中していました」
めずらしくリギルが反論するものの、セキジョウはやれやれとでもいうように首を振る。
「身内の証言は信じられませんね」
証拠を消してしまったのでこの強気である。もう放っておこう。リギルには申し訳ないが、エリッツはシェイルが変なことをされなければそれでいい。
「地下を調べるにはいろいろと準備しなきゃならないことが多すぎる。古い遺跡は中がどうなってるかわからない。下手したら崩落して生き埋めだ」
言いながら未練がましく石柱をぺたぺた触っている。きっと地下が見たいのだ。旅行の希望地に遺跡が入っていたくらいなので、シュクロはこういうのがわりと好きなのだろう。下品なくせになかなか渋い趣味だ。
「準備というのはどういうものが必要なんですか?」
「最低限、術士の同行は必要だ」
「術士はいっぱいいますよ?」
シュクロは辺りを見渡してから首を振る。
「後ろからついてくる人たちまではよくわからないが適格者はいないだろうな。専門職みたいなもんだ」
「遺跡探索専門の術士がいるんですか」
「ルグイラにはいる」
シュクロの言葉になんとなくセキジョウを見る。
「なんですか? 知りませんよ。穴掘りのことなんて」
なぜか偉そうにしている。
「レジスでは軍の管轄になっています。地下の探索ができるレベルの術士は術兵としても優れていますから」
答えたのはリギルだ。セキジョウはむっとして、リギルの腕を引っ張った。袖を引っ張られるとせっかくの刺繍が傷むので、この方が多少はマシなのかもしれない。
「それはどういう技術をもった術士なんでしょうか」
実のところエリッツも遺跡に興味はある。すごく面倒くさいが、場合によってはメラル・リグに戻って手配するという手もないことはない。
「簡単な話、土を触れるやつだ」
「土……ですか?」
「土――というか、地下にある術素は基本的に重い。相当力がないと自由には扱えないんだ。事前に遺跡周りの土とか石とかを固めて、崩れないようにしてから入る。中を進んだ先でも危険なところは術素を整えてから進む。だから同行が必要になるんだが、そんなことができるやつはそうそういな……お前、なんだその顔?」
エリッツは無表情を保とうとして変な顔になっていたらしい。
「エリッツさん、そういう顔をしては――」
リギルまで困ったような表情でエリッツを見る。
土の術素を扱える人に心当たりがありすぎて顔に出てしまいそうだった。いや、もう出ているのか。絶対に言うべきことではないだろうが、もう手遅れかもしれない。
思わず救いを求めるようにシェイルのいる方を見てしまった。
「これ、おそらくサカシロのフンですね。狩りをするときにはこういったものが重要な情報になります」
まだルルクと巣穴周りを見て楽しそうにしていた。意外なことにルルクも興味深そうに穴の中をのぞきこんでいる。
「サカシロの尾を首に巻いたらあたたかそうですね。もしも獲れたらルルクにあげます」
何それ。ずるい。すべて投げ出してサカシロの巣の方へ行きたい。
「おい、遺跡探索ができる術士を知ってるのか?」
シュクロに問い詰められて意識がサカシロの巣から引き戻される。
「え? ええ? なんのことですか? 全然、まったく、おれは知りません、ですよ」
言葉までおかしくなってしまう。
「――何を隠しているのか知らないが、とりあえず嘘をついているのはわかった」
シュクロはため息混じりにつぶやいた。意外と食いさがってくる気配はない。
「エリッツさんが頼めば手を貸してくださいますよ」
リギルが耳元でささやき、すぐさまセキジョウに引っ張られている。シェイルはやさしいので、もしかしたらそうしてくれるのかもしれないが、嫌なことをさせてしまうことになるので頼みたくない。アルメシエの時とは違ってタイムリミットのない旅だ。メラル・リグに戻ることになってもそれほど大きな問題にはならないだろう。
「今は諦めるしかないか」
当てつけなのか、シュクロが残念そうにため息をついた。
「さっきから何をごちゃごちゃ言っているんです? 土いじりくらいあのロイにやらせればいいことでしょう」
セキジョウがびしりとシェイルを指す。
――なんということを。
そうか。シェイルの情報は後ろの人たちがある程度握っているのだ。当然、セキジョウはシェイルが土を扱うのが得意なのを知っている。
「どういう意味だ?」
シュクロはエリッツに詰め寄った。
「ま、ま、待ってください。ちょっと黙っててくれませんか。一度に全部考えられません」
みんなで騒げばシェイルはつらい立場に立たされる。エリッツはシェイルが嫌がっていることさせたくはない。でもこのままではセキジョウがシュクロに全部話してしまって結局同じだ。
どうしよう。
エリッツはその場で膝をついた。
「やっぱり巣穴があったのか」
またシェイルとシュクロが同時に声をあげてお互いに顔を見合わせる。
しばしセキジョウががしがしと木を踏みつけている音だけが響いた。
「ひとつずついきましょう」
サカシロに夢中だったシェイルがようやく冷静さを取り戻したように現状の整理にかかる。
まずちらりとセキジョウを見てからすぐに目をそらした。あれは後回しにするらしい。勝負はシェイルの勝ちで間違いないが、絶対に認めないだろうから今関わると時間を取られそうである。
「その石の柱、遺跡なんですか?」
「明らかに古い人工物だ。ここ、灯口があるし、文字が刻まれていた跡もある」
エリッツも興味をひかれて石柱の元へ近寄る。
「『とーこー』とはなんですか?」
「これだ」
シュクロが石柱の根本付近の穴を指す。きれいに四角く切り抜かれたような穴でその周りは文字にも見える模様で飾られている。
「今でもその仕組みは利用されていますが、ようするに照明ですね」
シェイルが簡単に説明してくれる。照明といわれても、どこをどう照らすためのものなのか。四角い穴からはまったく想像ができない。
「そこに火を入れるんですか?」
「火を入れる場合と光の術素を集める場合がある」
シュクロは帳面を見つつ石柱の根本を調べている。まだよくわからない。とにかく術士でないと扱えない代物なのだろう。
エリッツはあらためて石の柱をぐるりと見て回った。前にあの朽木が立っていたのでシェイルも遠目では気づかなかったのだろう。エリッツの背丈よりやや低いくらいの石柱は確かに自然のものには見えず、何者かの手により長方形に切り出されたもののようだ。
「サカシロの巣穴らしきものはあそこなんですが、もしかして地下で繋がっているのかもしれませんね」
シュクロがシェイルの指差す方を見て「なるほど」と手を打った。
「ここにサカシロが群がってるってことは地下墓地かもしれないな」
「その遺跡って地下にもあるんですか?」
エリッツは石柱だけを指して「遺跡」と言っているのかと思っていたので驚いた。
「規模はわからないが、この手のものは地下がメインだ」
この手のものとはどういうもののことだろうか。そういえば何かそういう遺跡に関する本を読んだような気もしなくはないがよく覚えていない。
「しかしそんなに古いものであればサカシロの食事になるようなものはもう残っていないんじゃないでしょうか」
「そうだよなー」
シュクロは何かを考えながら帳面にメモを取ったり、あちこち調べたりして忙しそうだ。
シェイルはまたルルクと一緒にサカシロの巣穴を見に行っている。地面にあいた穴の奥を指さしたり、周りの土を触ったりしてあれこれ話をしている。なんか楽しそうだ。エリッツもそっちに行こうとしたところで、背後から肩をつかまれる。
「遺跡の地下を見てくればいいんじゃないですか」
矢の命中した朽木をすっかり破壊してしまったセキジョウが何食わぬ顔で参加してきた。
「簡単に言うけどなぁ……あ?」
シュクロが言葉を切った。エリッツもまじまじとそちらを見てしまう。
「あの、セキジョウさん、どうしてリギルさんの手を?」
セキジョウはリギルの袖ではなく手首をがっしりと握っていた。より親密そうである。
「あのロイが袖に触れるなと言ったではないですか」
その前に「放せ」と言ったように記憶しているのだが。相変わらずリギルは黙ってされるがままになっていた。
「まあ、矢は命中したのかどうかもよくわからない状態でしたけれどね」
誰がその状態にしたのか。
「ちゃんと命中していました」
めずらしくリギルが反論するものの、セキジョウはやれやれとでもいうように首を振る。
「身内の証言は信じられませんね」
証拠を消してしまったのでこの強気である。もう放っておこう。リギルには申し訳ないが、エリッツはシェイルが変なことをされなければそれでいい。
「地下を調べるにはいろいろと準備しなきゃならないことが多すぎる。古い遺跡は中がどうなってるかわからない。下手したら崩落して生き埋めだ」
言いながら未練がましく石柱をぺたぺた触っている。きっと地下が見たいのだ。旅行の希望地に遺跡が入っていたくらいなので、シュクロはこういうのがわりと好きなのだろう。下品なくせになかなか渋い趣味だ。
「準備というのはどういうものが必要なんですか?」
「最低限、術士の同行は必要だ」
「術士はいっぱいいますよ?」
シュクロは辺りを見渡してから首を振る。
「後ろからついてくる人たちまではよくわからないが適格者はいないだろうな。専門職みたいなもんだ」
「遺跡探索専門の術士がいるんですか」
「ルグイラにはいる」
シュクロの言葉になんとなくセキジョウを見る。
「なんですか? 知りませんよ。穴掘りのことなんて」
なぜか偉そうにしている。
「レジスでは軍の管轄になっています。地下の探索ができるレベルの術士は術兵としても優れていますから」
答えたのはリギルだ。セキジョウはむっとして、リギルの腕を引っ張った。袖を引っ張られるとせっかくの刺繍が傷むので、この方が多少はマシなのかもしれない。
「それはどういう技術をもった術士なんでしょうか」
実のところエリッツも遺跡に興味はある。すごく面倒くさいが、場合によってはメラル・リグに戻って手配するという手もないことはない。
「簡単な話、土を触れるやつだ」
「土……ですか?」
「土――というか、地下にある術素は基本的に重い。相当力がないと自由には扱えないんだ。事前に遺跡周りの土とか石とかを固めて、崩れないようにしてから入る。中を進んだ先でも危険なところは術素を整えてから進む。だから同行が必要になるんだが、そんなことができるやつはそうそういな……お前、なんだその顔?」
エリッツは無表情を保とうとして変な顔になっていたらしい。
「エリッツさん、そういう顔をしては――」
リギルまで困ったような表情でエリッツを見る。
土の術素を扱える人に心当たりがありすぎて顔に出てしまいそうだった。いや、もう出ているのか。絶対に言うべきことではないだろうが、もう手遅れかもしれない。
思わず救いを求めるようにシェイルのいる方を見てしまった。
「これ、おそらくサカシロのフンですね。狩りをするときにはこういったものが重要な情報になります」
まだルルクと巣穴周りを見て楽しそうにしていた。意外なことにルルクも興味深そうに穴の中をのぞきこんでいる。
「サカシロの尾を首に巻いたらあたたかそうですね。もしも獲れたらルルクにあげます」
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「おい、遺跡探索ができる術士を知ってるのか?」
シュクロに問い詰められて意識がサカシロの巣から引き戻される。
「え? ええ? なんのことですか? 全然、まったく、おれは知りません、ですよ」
言葉までおかしくなってしまう。
「――何を隠しているのか知らないが、とりあえず嘘をついているのはわかった」
シュクロはため息混じりにつぶやいた。意外と食いさがってくる気配はない。
「エリッツさんが頼めば手を貸してくださいますよ」
リギルが耳元でささやき、すぐさまセキジョウに引っ張られている。シェイルはやさしいので、もしかしたらそうしてくれるのかもしれないが、嫌なことをさせてしまうことになるので頼みたくない。アルメシエの時とは違ってタイムリミットのない旅だ。メラル・リグに戻ることになってもそれほど大きな問題にはならないだろう。
「今は諦めるしかないか」
当てつけなのか、シュクロが残念そうにため息をついた。
「さっきから何をごちゃごちゃ言っているんです? 土いじりくらいあのロイにやらせればいいことでしょう」
セキジョウがびしりとシェイルを指す。
――なんということを。
そうか。シェイルの情報は後ろの人たちがある程度握っているのだ。当然、セキジョウはシェイルが土を扱うのが得意なのを知っている。
「どういう意味だ?」
シュクロはエリッツに詰め寄った。
「ま、ま、待ってください。ちょっと黙っててくれませんか。一度に全部考えられません」
みんなで騒げばシェイルはつらい立場に立たされる。エリッツはシェイルが嫌がっていることさせたくはない。でもこのままではセキジョウがシュクロに全部話してしまって結局同じだ。
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