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第一章 始まりの館
Chapter100 初出勤と泥棒
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荷物を運び終えてから、グレアムも含めてみんなでフィッシュハンバーガーを食べた。
「美味い!黒板見てズルいと思ってたんだよ!」とルベルジュノー。
「こんな味なんだ!白身魚はどうなるか楽しみだね!」とルーベンス。
「ふふ…スープも飲んでね」
アルシャインはみんなにスープを配る。
食べ終えてから、みんなで森に向かう。
ユスヘルディナの初出勤だというので、みんなが見に来たのだ。
まだ宿泊客も居なかったので、門も閉めてきた。
「…金の羊亭、開けなくて平気?」
ユスヘルディナが心配そうに言うと、アルシャインが笑って言う。
「今日はユスヘルディナがテイマーとして働く大切な日なのよ!みんな心配なんだから」
そう言い森に来ると、保護区のリーダーである使徒魔術師のエヴァリストが立っていた。
「お待ちしてました」
そう言いグレアムとアルシャインにお辞儀をしてから、ユスヘルディナの前に来てしゃがんで言う。
「やあユスヘルディナ。ギルドカードを見せてもらえるかい?」
「はい!」
ユスヘルディナはポケットからギルドカードを出してエヴァリストに渡す。
エヴァリストはカードを調べる水晶を使ってギルドカードの内容を確かめる。
「もうテイマーレベル2か、頼もしいね」
「あの…あたし、魔物もテイムしたいです!この森を守ってもらいたくて!」
そんなユスヘルディナの言葉に、エヴァリストは微笑む。
「うん、いいと思うよ。共にスチークスを保護しながら、どんな魔物がいいか考えようか。そうそう、君のお給料だけど…一時間で20Gはどうかな?一時間でも働けば一食分のお金になるようにと思ってね」
「はい!…いいかな、アイシャママ?」
ユスヘルディナがアルシャインを見上げて聞くと、アルシャインは頷いてエヴァリストを見て言う。
「ユナを…ユスヘルディナを宜しくお願いします。あと、見学してもいいですか?どうなるのか気になりますし、ユナの働く姿も見たくて」
「どうぞ。皆さんにはいつでも見て頂く権利があります。スチークスを大切に保護して下さいましたしね。…中へどうぞ」
そう言いエヴァリストが防壁に手を翳すと、人が通れる穴が出来る。
ユスヘルディナを先頭にみんなで中に入ると、そこには花畑が広がっていた。
「わあ…!」
みんなで声を上げてキョロキョロと見回す。
昨日までの森とは別空間のように変わっていた。
柵の向こうに花畑が広がり、スチークスの寝床になりそうな木に穴を開けた置物や大きな水飲み場となる浅い池もある。
スチークス達が端に積まれたワラをくわえて巣作りをしていた。
一羽一羽がお気に入りの寝床にワラを運んでいる。
「ユスヘルディナ、こちらに」
エヴァリストが歩き出すので、ユスヘルディナが付いていきみんなも少し離れながら付いていく。
「君には森の巡回をしながら、こういった小石や木の実をこの麻袋に集めてもらいたい。それが終えたら、邪魔になる低木を掘り起こす作業だ」
「はい!」
答えてユスヘルディナは小石を集めて麻袋に入れていく。
「あの…」途中でユスヘルディナが言う。
「なんだい?」
「小石と木の実は別々の袋にした方がいいと思います」
「…ああ、うん、そうだね。確かにその方がいいな」
エヴァリストは作業用の棚から麻袋をもう一つ出してユスヘルディナに渡す。
「では木の実はこれに入れてくれ」
「はい!」
ユスヘルディナは笑って袋を受け取り、黙々と集めていく。
それを見つめながらエヴァリストが言う。
「アルシャインさんは、彼女にとても良い教育をされてきたんですね」
「ええ?!いえ、特には何も…」
「普通の12歳の子供は、石拾いよりも動物を構いたがります。でもユスヘルディナは言われた仕事をこなしている…きっと、日頃から公私を分けておられたのでしょうね」
エヴァリストが微笑んで言うと、アルシャインはユスヘルディナを見ながら言う。
「それはユナが優秀な子だからです」
「…そこの子供達も、柵から中へは入らず、決して騒がずにスチークスを見守ってくれている。信じられない光景です。私の息子なら、はしゃぎ回って花を踏み潰してスチークスを追い回すでしょう」
「…みんな賢い子なんです」
「ええ、とても賢いです。…優しく世話をしてくれていたのが分かります。ありがとうございました」
そう言いエヴァリストはみんなに深々と頭を下げる。
するとリュカシオンやルベルジュノーは照れくさそうにそっぽを向き、アルベルティーナやマリアンナが笑う。
「どういたしまして!」とマリアンナ。
「そろそろ帰るから、ユナに声を掛けてもいいですか?」
アルベルティーナが聞くとエヴァリストは頷く。
フィナアリスとアルベルティーナとマリアンナとリナメイシーとティナジゼルがそーっとユスヘルディナに近寄っていく。
「頑張ってね、ユナ」とリナメイシー。
「うん!そっちも頑張って!夕方には帰るから」
手を振り合って、みんなで外に出た。
「良し、宿を開けないと!」
アルシャインが言い、みんなで走って館に向かった。
「元気ですね」
グレアムが微笑んで呟き歩いて後に続く。
みんなが館に入っていった後で、グレアムは畑に人影を見付けた。
〈ん…?〉
確かに全員、館に入ったのを見たので、誰かが収穫している筈もない。
〈泥棒か?〉
注意しながら見ていると、痩せた少年がジャガイモを掘り起こしてポケットに入れて、キョロキョロと辺りを見てから走っていった。
グレアムはそっと後をつけていく。
少年は奥まった場所の廃屋の一つに入っていく。
そっと覗くと、キッチンのかまどに火を着けて、ジャガイモを水桶で洗って入れていた。
「待ってろよ、今美味いモン食わしてやるから…」
そう言う少年は焦っているように見えた。
違う角度から見てみると、ボロ布の中に幼い子供が寝ていた。
とても顔色が悪い…。
〈…どう接するか……〉
グレアムは考えてから、壊れて傾いたドアの戸を叩く。
コンコン
少年はビクッとしてドアを見る。
「失礼、どなたかいらっしゃいますか」
そう声を掛ける。
しーんとしているので、もう一度ノックをした。
「この辺りで毒のある野菜が検出されてね。調べているんだが…土の中の野菜などが駄目らしくてね」
そう言うと、少年がドアの横の大穴から顔を出した。
「本当?!」
「…ああ。緑色のジャガイモは食べられない毒なんだよ。だから君の入れたジャガイモは捨てた方がいい」
冷静にそう言うと、少年は絶望したような顔をして中に入った。
逃げないと判断して、グレアムはドアを開けて中に入る。
「火は消さないと危ない。どれ、私が捨ててあげるよ」
そう言って鍋を布に巻いて外に出すと、少年はかまどの火を消した。
そして寝せている子供の側に行く。
「ごめんよヴェーチェ…毒だなんて知らなくて…折角食べられると思ったのに…」
そう言う少年の側に行き、グレアムはしゃがんで寝ている子供の髪を目元からよけてあげる。
「この子は、妹?」
「ううん、従妹なんだ。…一緒に食事してたのに、魔物の群れが来て……逃げたけど、戻ってきたら村はこんなだし……家が無くて…。路地裏とかも居たんだけど追い出されたから、ここに、居たんだ…」
少年は涙を浮かべてその子を見つめている。
この辺り一帯の廃屋は、魔物に襲われた後の物で、今取り壊し作業をしている最中だ。
どこかでガラガラ…という取り壊す音が聞こえる。
「ここは取り壊すから、もう住めなくなるんだよ」
「俺…どうしたら…っ」
「…君が良ければ、孤児院宿を紹介するよ」
「あの畑の前の?」
「ああ」
「…そういう所は〝定員〟があるから入れないって街で噂になってたのに…」
「大丈夫だよ、行こう。…彼女は私が抱えていくよ」
そう言いグレアムは汚い布を取って、自分の上着でその子をくるんでから抱き上げた。
それを見て信用してくれた少年は、グレアムの袖を掴む。
「大丈夫、行こうか」
そう聞くと少年は頷く。
「美味い!黒板見てズルいと思ってたんだよ!」とルベルジュノー。
「こんな味なんだ!白身魚はどうなるか楽しみだね!」とルーベンス。
「ふふ…スープも飲んでね」
アルシャインはみんなにスープを配る。
食べ終えてから、みんなで森に向かう。
ユスヘルディナの初出勤だというので、みんなが見に来たのだ。
まだ宿泊客も居なかったので、門も閉めてきた。
「…金の羊亭、開けなくて平気?」
ユスヘルディナが心配そうに言うと、アルシャインが笑って言う。
「今日はユスヘルディナがテイマーとして働く大切な日なのよ!みんな心配なんだから」
そう言い森に来ると、保護区のリーダーである使徒魔術師のエヴァリストが立っていた。
「お待ちしてました」
そう言いグレアムとアルシャインにお辞儀をしてから、ユスヘルディナの前に来てしゃがんで言う。
「やあユスヘルディナ。ギルドカードを見せてもらえるかい?」
「はい!」
ユスヘルディナはポケットからギルドカードを出してエヴァリストに渡す。
エヴァリストはカードを調べる水晶を使ってギルドカードの内容を確かめる。
「もうテイマーレベル2か、頼もしいね」
「あの…あたし、魔物もテイムしたいです!この森を守ってもらいたくて!」
そんなユスヘルディナの言葉に、エヴァリストは微笑む。
「うん、いいと思うよ。共にスチークスを保護しながら、どんな魔物がいいか考えようか。そうそう、君のお給料だけど…一時間で20Gはどうかな?一時間でも働けば一食分のお金になるようにと思ってね」
「はい!…いいかな、アイシャママ?」
ユスヘルディナがアルシャインを見上げて聞くと、アルシャインは頷いてエヴァリストを見て言う。
「ユナを…ユスヘルディナを宜しくお願いします。あと、見学してもいいですか?どうなるのか気になりますし、ユナの働く姿も見たくて」
「どうぞ。皆さんにはいつでも見て頂く権利があります。スチークスを大切に保護して下さいましたしね。…中へどうぞ」
そう言いエヴァリストが防壁に手を翳すと、人が通れる穴が出来る。
ユスヘルディナを先頭にみんなで中に入ると、そこには花畑が広がっていた。
「わあ…!」
みんなで声を上げてキョロキョロと見回す。
昨日までの森とは別空間のように変わっていた。
柵の向こうに花畑が広がり、スチークスの寝床になりそうな木に穴を開けた置物や大きな水飲み場となる浅い池もある。
スチークス達が端に積まれたワラをくわえて巣作りをしていた。
一羽一羽がお気に入りの寝床にワラを運んでいる。
「ユスヘルディナ、こちらに」
エヴァリストが歩き出すので、ユスヘルディナが付いていきみんなも少し離れながら付いていく。
「君には森の巡回をしながら、こういった小石や木の実をこの麻袋に集めてもらいたい。それが終えたら、邪魔になる低木を掘り起こす作業だ」
「はい!」
答えてユスヘルディナは小石を集めて麻袋に入れていく。
「あの…」途中でユスヘルディナが言う。
「なんだい?」
「小石と木の実は別々の袋にした方がいいと思います」
「…ああ、うん、そうだね。確かにその方がいいな」
エヴァリストは作業用の棚から麻袋をもう一つ出してユスヘルディナに渡す。
「では木の実はこれに入れてくれ」
「はい!」
ユスヘルディナは笑って袋を受け取り、黙々と集めていく。
それを見つめながらエヴァリストが言う。
「アルシャインさんは、彼女にとても良い教育をされてきたんですね」
「ええ?!いえ、特には何も…」
「普通の12歳の子供は、石拾いよりも動物を構いたがります。でもユスヘルディナは言われた仕事をこなしている…きっと、日頃から公私を分けておられたのでしょうね」
エヴァリストが微笑んで言うと、アルシャインはユスヘルディナを見ながら言う。
「それはユナが優秀な子だからです」
「…そこの子供達も、柵から中へは入らず、決して騒がずにスチークスを見守ってくれている。信じられない光景です。私の息子なら、はしゃぎ回って花を踏み潰してスチークスを追い回すでしょう」
「…みんな賢い子なんです」
「ええ、とても賢いです。…優しく世話をしてくれていたのが分かります。ありがとうございました」
そう言いエヴァリストはみんなに深々と頭を下げる。
するとリュカシオンやルベルジュノーは照れくさそうにそっぽを向き、アルベルティーナやマリアンナが笑う。
「どういたしまして!」とマリアンナ。
「そろそろ帰るから、ユナに声を掛けてもいいですか?」
アルベルティーナが聞くとエヴァリストは頷く。
フィナアリスとアルベルティーナとマリアンナとリナメイシーとティナジゼルがそーっとユスヘルディナに近寄っていく。
「頑張ってね、ユナ」とリナメイシー。
「うん!そっちも頑張って!夕方には帰るから」
手を振り合って、みんなで外に出た。
「良し、宿を開けないと!」
アルシャインが言い、みんなで走って館に向かった。
「元気ですね」
グレアムが微笑んで呟き歩いて後に続く。
みんなが館に入っていった後で、グレアムは畑に人影を見付けた。
〈ん…?〉
確かに全員、館に入ったのを見たので、誰かが収穫している筈もない。
〈泥棒か?〉
注意しながら見ていると、痩せた少年がジャガイモを掘り起こしてポケットに入れて、キョロキョロと辺りを見てから走っていった。
グレアムはそっと後をつけていく。
少年は奥まった場所の廃屋の一つに入っていく。
そっと覗くと、キッチンのかまどに火を着けて、ジャガイモを水桶で洗って入れていた。
「待ってろよ、今美味いモン食わしてやるから…」
そう言う少年は焦っているように見えた。
違う角度から見てみると、ボロ布の中に幼い子供が寝ていた。
とても顔色が悪い…。
〈…どう接するか……〉
グレアムは考えてから、壊れて傾いたドアの戸を叩く。
コンコン
少年はビクッとしてドアを見る。
「失礼、どなたかいらっしゃいますか」
そう声を掛ける。
しーんとしているので、もう一度ノックをした。
「この辺りで毒のある野菜が検出されてね。調べているんだが…土の中の野菜などが駄目らしくてね」
そう言うと、少年がドアの横の大穴から顔を出した。
「本当?!」
「…ああ。緑色のジャガイモは食べられない毒なんだよ。だから君の入れたジャガイモは捨てた方がいい」
冷静にそう言うと、少年は絶望したような顔をして中に入った。
逃げないと判断して、グレアムはドアを開けて中に入る。
「火は消さないと危ない。どれ、私が捨ててあげるよ」
そう言って鍋を布に巻いて外に出すと、少年はかまどの火を消した。
そして寝せている子供の側に行く。
「ごめんよヴェーチェ…毒だなんて知らなくて…折角食べられると思ったのに…」
そう言う少年の側に行き、グレアムはしゃがんで寝ている子供の髪を目元からよけてあげる。
「この子は、妹?」
「ううん、従妹なんだ。…一緒に食事してたのに、魔物の群れが来て……逃げたけど、戻ってきたら村はこんなだし……家が無くて…。路地裏とかも居たんだけど追い出されたから、ここに、居たんだ…」
少年は涙を浮かべてその子を見つめている。
この辺り一帯の廃屋は、魔物に襲われた後の物で、今取り壊し作業をしている最中だ。
どこかでガラガラ…という取り壊す音が聞こえる。
「ここは取り壊すから、もう住めなくなるんだよ」
「俺…どうしたら…っ」
「…君が良ければ、孤児院宿を紹介するよ」
「あの畑の前の?」
「ああ」
「…そういう所は〝定員〟があるから入れないって街で噂になってたのに…」
「大丈夫だよ、行こう。…彼女は私が抱えていくよ」
そう言いグレアムは汚い布を取って、自分の上着でその子をくるんでから抱き上げた。
それを見て信用してくれた少年は、グレアムの袖を掴む。
「大丈夫、行こうか」
そう聞くと少年は頷く。
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