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第一章 始まりの館
Chapter90 色々な魚メニュー
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少し雲の多い火の日。
早朝からアルシャインはミュージの毛で毛糸を作っていた。
「色んな模様になって楽しそうね~♪」
一人で鼻歌を歌いながら毛糸をカゴいっぱいに詰めて一階に持っていく。
みんなも起きてきて、動物達の世話をしていた。
マリアンナがローズパイロットのローズを肩に乗せてアルシャインに近寄る。
「ねぇアイシャママ、昨日みんなで話したんだけど…この子をお空に飛ばしてもいい?」
「…帰してあげるの?」
「いつも仲間が見に来るし…ローズなら戻って来る気がするの。だからお散歩に!」
「…そうね」
アルシャインはマリアンナと共に外に出る。
するとマリアンナは手にローズを乗せてから飛ばせる。
「さあ、お散歩よ!」
『ピュイ!』
ローズは鳴いて羽ばたき、アイアンフェンスに止まる。
すると、仲間が寄ってきた。
「わ…どれがローズか分からなくなりそう…」
見ていたリナメイシーが言う。
「おいで!」
マリアンナが手を差し出して言うと、ローズが飛んでその腕に乗った。
「いい子!」
マリアンナはローズにキスをして撫でる。
すると、他のローズパイロットが数羽マリアンナの肩や頭に乗った。
「きゃ…」
「あらあら…」
アルシャインはマリアンナの頭に乗ったローズパイロットに手を伸ばす。
するとローズパイロットはその手に乗ってきた。
「ローズパイロットも警戒が無くなったわね…ニワトリと一緒にご飯を食べているからかしら?」
そう呟いてお花の側でスチークスとくつろいでいたユスヘルディナを見ると、大量のローズパイロットが群がっていた。
「ユナ!大丈夫?!」
アルシャインとマリアンナが駆け寄って優しく払ってあげる。
「ユナは本当に動物に好かれるのね」
「あたしね…動物テイマーになりたいんだけど、どうやったらなれるのかな?」
ユスヘルディナがスチークスと共に歩きながら聞く。
もう仕込みの時間なのでマリアンナはローズを連れて中に入り、アルシャインはユスヘルディナと歩く。
「そうね~…スチークスを引き取りにくる人に聞いてみたらいいわ!…いつかしらね…」
「…居なくなっても淋しいけど、森に帰してあげたいね」
ユスヘルディナが言い、スチークスをガゼボに入れて絶対防壁を掛ける。
仕込みの最中にカランカランと門のベルが鳴らされる。
来訪者だ。
「はーい!」
手の空いていたメルヒオールがドアを開けて門を見ると、荷車と人が見えた。
「トーマスさんだ!」
メルヒオールがそう言うと、アルシャインが慌てて出て来て門に走って行く。
「おはようございます、トーマスさん!」
「おはようアイシャマスター。頼まれた物と俺の取った獲物だ」
そう言い荷車から木箱を出す。
中には見た事の無い魚や、イカや白エビや貝がギッシリと入っていた。
「大きな魚!これは何ですか?」
アルシャインは運びながら聞く。
「それはカランクス(ハマチ)だ。本当は一メートル以上になるんだ」
「まあ!食べ方は?」
「この辺だとムニエルだが、カルパッチョが美味いぞ!サラダに刺し身を乗せてレモンを掛けるんだ。簡単だろ?」
「美味しそう!」
中に入ってすぐにカランクスの捌き方を習って冷蔵庫に入れていく。
その間に狩りから戻ってきたカシアンとリュカシオンとルベルジュノーが木箱を運んでくれた。
「こいつ生きてるぞ!」
カシアンが持ってきたのは怒ると真っ赤になるという赤イカで、全部が赤くなっていた。
これも捌き方を習う。
みんなで見てから、交代で捌いて輪切りにして冷蔵庫に入れた。
「赤イカはツナとパスタにしましょ♪」
そう言い、他の木箱を見てアルシャインが止まる。
「デビルフィッシュ…!」
その木箱からは3匹のタコが這い出していた。
「きゃああ!」
ティナジゼルやクリストフが怖がって逃げる。
「デビルフィッシュは食べられないと聞きましたが…」
「コイツは茹でると美味いんだよ。お湯はあるかい?」
そう言うとトーマスはタコを茹でてから捌く。
「こうして切って、トレイに塩コショウとみじん切りのニンニクとショウガを混ぜて…スープを加えて、それに漬け込む。それに小麦粉を少し付けて油で揚げれば、唐揚げの完成さ」
言いながらトーマスは手際良く作ってくれた。
みんなで一つずつ食べてみる。
「ん!美味しい!」とフィナアリス。
「これならイケる!」とルベルジュノー。
「これでお店に出していいですか?!」
アルシャインが聞くとトーマスは苦笑いで頷く。
「ああ…そうだ!カランクスも唐揚げにすると美味いんだよ」
トーマスの言葉に、すぐにアルベルティーナが動いた。
冷蔵庫から先程のカランクスの身を一つ取り出して、一口大にして同じトレイに入れてから小麦粉を付けて揚げる。
それをみんなで食べた。
「美味しいよ!」とクリストフ。
「これとデビルフィッシュの唐揚げにサラダを付けるのはどうかしら?」
アルシャインの言葉にみんなが頷く。
「10G?」とルーベンス。
「…仕入れ値から見て、15かな」
そうノアセルジオが伝票を見て言う。
「オクトパスっていう名前があるんだがな」
そうトーマスが言うので、ノアセルジオが黒板に
オクトパスとカランクスの唐揚げ・サラダ付き 15G
と書いた。
他にも白エビはフライにしてハンバーグとセットにする。
「白エビのフライ2本とステーキとサラダとパンとスープで40Gはどうかしら?!」
そうアルシャインが提案すると、みんなが唸る。
「安いな~…せめて50Gは?」とレオリアム。
「50なら…コーヒー付きでセットメニューにしようよ!」
そうアルベルティーナが言うと、みんなが頷いた。
ステーキと白エビフライのセット(パン、スープ、サラダ、コーヒー付き) 50G
と黒板に追加される。
そして虹色貝やムール貝、アサリなどの処理をする。
「この魚は?」
ルーベンスがサンマの木箱の中から違う魚を取り出して聞く。
「それはアジさ!フライにするといい。コイツの捌き方も教えとくよ」
そう言ってトーマスはササッとアジを捌いてチーズを乗せて卵にくぐらせてから揚げて、バジルを掛けた。
「トマトソースが合うんだ」
そう言いトマトに塩を掛けて細切りにして掛ける。
みんなで試食すると、やはり美味しくてみんなで頷いた。
「お魚って美味しいのね!」とマリアンナ。
「こんなに美味しいなんて知らなかった!」とリュカシオン。
「これはどう出す?サラダと?」
ユスヘルディナが聞くと、ノアセルジオが言う。
「トマトソースならサラダと合うね。ええと…今日はとりあえず一匹で…」
「それならさっきの唐揚げと出すのはどうかしら!」
アルシャインがパンと手を叩いて言う。
「いいね、それ!ガッツリ食べられそうだ」カシアンが言う。
「じゃあ…オクトパスとカランクスの唐揚げにアジフライで25Gは?」
そうノアセルジオが聞くとみんなが頷いたので、さっきのメニューを消して、
オクトパスとカランクスの唐揚げとアジフライとサラダ 25G
と書き直した。
みんなで言い合う間にサンマを焼いて、お肉たっぷりのラザニアも作った。
アルシャインはトーマスにお金とメモを渡して見送る。
「宜しくお願いします!」
「じゃあ、また明日!オススメも楽しみにな!」
そう言いトーマスは荷車に乗って馬を走らせた。
中に入ると、朝食の準備が出来ている。
「じゃあ食べましょう!」
アルシャインは嬉しそうに言って祈りを捧げてからサンマを頬張った。
宿泊客も起きてきて、朝食を注文する。
先に食べていたフィナアリスとルーベンスがその注文をこなした。
サンマはメルヒオールとアルベルティーナとユスヘルディナとリナメイシーも食べた。
新鮮なので食べたくなったらしい。
残りは冷蔵庫に入れた。
「…そうだわ!」
アルシャインは小さな黒板に
10食限定、サンマの塩焼き 85G
と書いておいた。
「10?あとの5匹は?」
「誰かが食べたくなるかもしれないし~…食べなかったら私のランチとディナーよ♪大好きになっちゃったもの!」
そうアルシャインがにっこり笑って答えると、みんながクスクスと笑った。
「本当に美味しいもんね!」とリナメイシー。
「でもサラダとかスープも飲んでね?」
アルベルティーナが心配そうに言う。
「じゃあスープを飲もうかしら…まあ、レンズ豆とエビとヤモ鳥も入ってるわ!美味しそう♪」
「ふふ、ジャガイモと玉ねぎだけじゃ味気無いから入れたのよ」
そうフィナアリスが言う。
スープは鳥とエビのダシが効いてて、とても美味しかった。
早朝からアルシャインはミュージの毛で毛糸を作っていた。
「色んな模様になって楽しそうね~♪」
一人で鼻歌を歌いながら毛糸をカゴいっぱいに詰めて一階に持っていく。
みんなも起きてきて、動物達の世話をしていた。
マリアンナがローズパイロットのローズを肩に乗せてアルシャインに近寄る。
「ねぇアイシャママ、昨日みんなで話したんだけど…この子をお空に飛ばしてもいい?」
「…帰してあげるの?」
「いつも仲間が見に来るし…ローズなら戻って来る気がするの。だからお散歩に!」
「…そうね」
アルシャインはマリアンナと共に外に出る。
するとマリアンナは手にローズを乗せてから飛ばせる。
「さあ、お散歩よ!」
『ピュイ!』
ローズは鳴いて羽ばたき、アイアンフェンスに止まる。
すると、仲間が寄ってきた。
「わ…どれがローズか分からなくなりそう…」
見ていたリナメイシーが言う。
「おいで!」
マリアンナが手を差し出して言うと、ローズが飛んでその腕に乗った。
「いい子!」
マリアンナはローズにキスをして撫でる。
すると、他のローズパイロットが数羽マリアンナの肩や頭に乗った。
「きゃ…」
「あらあら…」
アルシャインはマリアンナの頭に乗ったローズパイロットに手を伸ばす。
するとローズパイロットはその手に乗ってきた。
「ローズパイロットも警戒が無くなったわね…ニワトリと一緒にご飯を食べているからかしら?」
そう呟いてお花の側でスチークスとくつろいでいたユスヘルディナを見ると、大量のローズパイロットが群がっていた。
「ユナ!大丈夫?!」
アルシャインとマリアンナが駆け寄って優しく払ってあげる。
「ユナは本当に動物に好かれるのね」
「あたしね…動物テイマーになりたいんだけど、どうやったらなれるのかな?」
ユスヘルディナがスチークスと共に歩きながら聞く。
もう仕込みの時間なのでマリアンナはローズを連れて中に入り、アルシャインはユスヘルディナと歩く。
「そうね~…スチークスを引き取りにくる人に聞いてみたらいいわ!…いつかしらね…」
「…居なくなっても淋しいけど、森に帰してあげたいね」
ユスヘルディナが言い、スチークスをガゼボに入れて絶対防壁を掛ける。
仕込みの最中にカランカランと門のベルが鳴らされる。
来訪者だ。
「はーい!」
手の空いていたメルヒオールがドアを開けて門を見ると、荷車と人が見えた。
「トーマスさんだ!」
メルヒオールがそう言うと、アルシャインが慌てて出て来て門に走って行く。
「おはようございます、トーマスさん!」
「おはようアイシャマスター。頼まれた物と俺の取った獲物だ」
そう言い荷車から木箱を出す。
中には見た事の無い魚や、イカや白エビや貝がギッシリと入っていた。
「大きな魚!これは何ですか?」
アルシャインは運びながら聞く。
「それはカランクス(ハマチ)だ。本当は一メートル以上になるんだ」
「まあ!食べ方は?」
「この辺だとムニエルだが、カルパッチョが美味いぞ!サラダに刺し身を乗せてレモンを掛けるんだ。簡単だろ?」
「美味しそう!」
中に入ってすぐにカランクスの捌き方を習って冷蔵庫に入れていく。
その間に狩りから戻ってきたカシアンとリュカシオンとルベルジュノーが木箱を運んでくれた。
「こいつ生きてるぞ!」
カシアンが持ってきたのは怒ると真っ赤になるという赤イカで、全部が赤くなっていた。
これも捌き方を習う。
みんなで見てから、交代で捌いて輪切りにして冷蔵庫に入れた。
「赤イカはツナとパスタにしましょ♪」
そう言い、他の木箱を見てアルシャインが止まる。
「デビルフィッシュ…!」
その木箱からは3匹のタコが這い出していた。
「きゃああ!」
ティナジゼルやクリストフが怖がって逃げる。
「デビルフィッシュは食べられないと聞きましたが…」
「コイツは茹でると美味いんだよ。お湯はあるかい?」
そう言うとトーマスはタコを茹でてから捌く。
「こうして切って、トレイに塩コショウとみじん切りのニンニクとショウガを混ぜて…スープを加えて、それに漬け込む。それに小麦粉を少し付けて油で揚げれば、唐揚げの完成さ」
言いながらトーマスは手際良く作ってくれた。
みんなで一つずつ食べてみる。
「ん!美味しい!」とフィナアリス。
「これならイケる!」とルベルジュノー。
「これでお店に出していいですか?!」
アルシャインが聞くとトーマスは苦笑いで頷く。
「ああ…そうだ!カランクスも唐揚げにすると美味いんだよ」
トーマスの言葉に、すぐにアルベルティーナが動いた。
冷蔵庫から先程のカランクスの身を一つ取り出して、一口大にして同じトレイに入れてから小麦粉を付けて揚げる。
それをみんなで食べた。
「美味しいよ!」とクリストフ。
「これとデビルフィッシュの唐揚げにサラダを付けるのはどうかしら?」
アルシャインの言葉にみんなが頷く。
「10G?」とルーベンス。
「…仕入れ値から見て、15かな」
そうノアセルジオが伝票を見て言う。
「オクトパスっていう名前があるんだがな」
そうトーマスが言うので、ノアセルジオが黒板に
オクトパスとカランクスの唐揚げ・サラダ付き 15G
と書いた。
他にも白エビはフライにしてハンバーグとセットにする。
「白エビのフライ2本とステーキとサラダとパンとスープで40Gはどうかしら?!」
そうアルシャインが提案すると、みんなが唸る。
「安いな~…せめて50Gは?」とレオリアム。
「50なら…コーヒー付きでセットメニューにしようよ!」
そうアルベルティーナが言うと、みんなが頷いた。
ステーキと白エビフライのセット(パン、スープ、サラダ、コーヒー付き) 50G
と黒板に追加される。
そして虹色貝やムール貝、アサリなどの処理をする。
「この魚は?」
ルーベンスがサンマの木箱の中から違う魚を取り出して聞く。
「それはアジさ!フライにするといい。コイツの捌き方も教えとくよ」
そう言ってトーマスはササッとアジを捌いてチーズを乗せて卵にくぐらせてから揚げて、バジルを掛けた。
「トマトソースが合うんだ」
そう言いトマトに塩を掛けて細切りにして掛ける。
みんなで試食すると、やはり美味しくてみんなで頷いた。
「お魚って美味しいのね!」とマリアンナ。
「こんなに美味しいなんて知らなかった!」とリュカシオン。
「これはどう出す?サラダと?」
ユスヘルディナが聞くと、ノアセルジオが言う。
「トマトソースならサラダと合うね。ええと…今日はとりあえず一匹で…」
「それならさっきの唐揚げと出すのはどうかしら!」
アルシャインがパンと手を叩いて言う。
「いいね、それ!ガッツリ食べられそうだ」カシアンが言う。
「じゃあ…オクトパスとカランクスの唐揚げにアジフライで25Gは?」
そうノアセルジオが聞くとみんなが頷いたので、さっきのメニューを消して、
オクトパスとカランクスの唐揚げとアジフライとサラダ 25G
と書き直した。
みんなで言い合う間にサンマを焼いて、お肉たっぷりのラザニアも作った。
アルシャインはトーマスにお金とメモを渡して見送る。
「宜しくお願いします!」
「じゃあ、また明日!オススメも楽しみにな!」
そう言いトーマスは荷車に乗って馬を走らせた。
中に入ると、朝食の準備が出来ている。
「じゃあ食べましょう!」
アルシャインは嬉しそうに言って祈りを捧げてからサンマを頬張った。
宿泊客も起きてきて、朝食を注文する。
先に食べていたフィナアリスとルーベンスがその注文をこなした。
サンマはメルヒオールとアルベルティーナとユスヘルディナとリナメイシーも食べた。
新鮮なので食べたくなったらしい。
残りは冷蔵庫に入れた。
「…そうだわ!」
アルシャインは小さな黒板に
10食限定、サンマの塩焼き 85G
と書いておいた。
「10?あとの5匹は?」
「誰かが食べたくなるかもしれないし~…食べなかったら私のランチとディナーよ♪大好きになっちゃったもの!」
そうアルシャインがにっこり笑って答えると、みんながクスクスと笑った。
「本当に美味しいもんね!」とリナメイシー。
「でもサラダとかスープも飲んでね?」
アルベルティーナが心配そうに言う。
「じゃあスープを飲もうかしら…まあ、レンズ豆とエビとヤモ鳥も入ってるわ!美味しそう♪」
「ふふ、ジャガイモと玉ねぎだけじゃ味気無いから入れたのよ」
そうフィナアリスが言う。
スープは鳥とエビのダシが効いてて、とても美味しかった。
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