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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第163話 魔法学園留学~2か月〜マリア
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『マリアー早く行くんだぞーー』
前を歩くフェンリルのリルの後をゆっくりと歩いて行くマリア。この2か月、マリアの行動は決まっていた。朝起きてラッキーとシルフィード、リルと共に学園に向かう。学園に着くとそれぞれが別行動になる。ラッキー、シルフィードと別れた後、向かうは治療室だ。リルと共に治療室へと向かった。
聖女の素質を持つマリアは治癒魔法が得意だ。学園内ではやはり四大属性の魔法が一番人気な為、他の魔法と比べると治癒魔法の習得が難しいというのもあり、治癒魔法を学ぶ者は少なかった。そんな中に聖女の素質を持ち見た目も綺麗なマリアは一気に有名になった。
マリア自身が治癒魔法の練度を高めたいという事で治療室での研修を希望した時、利用者が一気に増えたのだ。もちろん模擬戦や授業でケガをする事も多々あるので、治療室を使う学生は元々少なくなかった。だが、マリアが治療室で治療するようになってからはその数が数倍に増えていた。なので、マリアは授業が始まる前にまずは治療室へ行く事が日々のルーティンになっていた。
リルが率先してマリアの前を歩いているのも意味がある。治療をするマリアは主に男性生徒から人気があり、一緒にいるリルは女性生徒から人気があるのだ。大人しくモフモフされるだけでお菓子や肉をたくさんもらえる為、今日も早く早くとマリアを急かして移動しているのだった。
治療室の前では、マリアとリルを待つ行列ができていた。
「今日もすごい行列ね。」
『みんな待ってるんだぞー。マリア急ぐんだぞー』
マリアは、治療室に入って早速治療を開始した。
「マリア様。手をケガしてしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。転んで頭を打ってしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。なんか気分がすぐれません。ヒールしてほしいです。」
「はい。わかりました。ヒール。」
そうしてマリアの元には、本当にケガをしたのか怪しい人も含めて多くの学生が押しかけていた。そしてそのそばではモフモフされながら餌付けされているリルの姿があった。
「はいは~い。マリアさんは授業があるから次からは私が治療するよーーー。こっちに並んでーー。」
元々いる治療院の先生が声を掛けると、マリアの元に並んでいる学生達は一斉に部屋から出て行った。
「はーーー。アンタ達は・・・」
治療というよりもマリアに会いたい。マリアにヒールを駆けてもらいたい学生達はマリアが授業に行くと知ると一目散に治療室から離れて行った。
「先生・・・今日もすいません。」
「マリアさんが謝る事じゃないわ。あのバカ達が悪いのよ。でもよかったの?鬱陶しかったら言ってよ。」
「大丈夫です。魔法の練習にもなりますから。」
「そう言ってくれると助かるよ。バカばっかりで本当困ったもんだよ。」
(たしかに先生の言うように、どう考えても私目当てで来てるのがわかる。だけど毎日これだけ治癒魔法を使える機会なんてそう訪れない。利用してるみたいで気が引けるけどラッキー様の為、私は私の目的がある。うまく利用させてもらうわ。)
マリアは、朝の治療の時間が終われば、授業を受ける。もちろんリルも一緒だ。授業は治癒魔法の知識を深める授業だ。人体の構造や回復魔法の種類。状態異常の種類に人体への影響など、知っていると知らないとでは効果が変わってくるため、そのあたりの知識を勉強している。
この留学期間中のマリアの目標は、ラッキーとシルフィード、リルに何があっても回復するというモノだ。たとえ足や手が欠損しようが、石化や麻痺に侵されようが、さすがに蘇生は難しいが死ぬような状態にならないように、回復できるだけの技と魔力を身につける事だ。
学園に留学してからマリアの治癒魔法の種類は順調に増えていた。だが、回復だけではラッキーとシルフィードについていけない事はマリアにもわかっていた。二人がケガをしなければ役目がないからだ。攻撃魔法やバフ、デバフなどの補助魔法、魔法以外の手段など、治癒魔法が順調な今、今後の方向性をどうするか模索している最中だった。
(ラッキー様とシルフィーとパーティを組む事を考えれば今の私が武器を持って攻撃を担当するのはありえないですね。どうがんばってるラッキー様にはかなわないし、リルちゃんもいる。かと言って攻撃魔法はシルフィーには及びません。牽制にしかならない魔法を覚えるよりもバフ、デバフの補助魔法を覚えていく方が仲間の為になりますね。何度も考えましたが結局、それに落ち着きそうですね。
リルをモフモフしながら、残り1カ月間、ラッキーやシルフィードに負けない様に自分の得意分野、ラッキーやシルフィードにできない部分をしっかりと極めて、守られる存在ではなく、二人の隣で一緒に戦えるようにマリアは今日も授業の後、治療室で黙々と訪れる学生に治癒魔法をかけていくのだった。
前を歩くフェンリルのリルの後をゆっくりと歩いて行くマリア。この2か月、マリアの行動は決まっていた。朝起きてラッキーとシルフィード、リルと共に学園に向かう。学園に着くとそれぞれが別行動になる。ラッキー、シルフィードと別れた後、向かうは治療室だ。リルと共に治療室へと向かった。
聖女の素質を持つマリアは治癒魔法が得意だ。学園内ではやはり四大属性の魔法が一番人気な為、他の魔法と比べると治癒魔法の習得が難しいというのもあり、治癒魔法を学ぶ者は少なかった。そんな中に聖女の素質を持ち見た目も綺麗なマリアは一気に有名になった。
マリア自身が治癒魔法の練度を高めたいという事で治療室での研修を希望した時、利用者が一気に増えたのだ。もちろん模擬戦や授業でケガをする事も多々あるので、治療室を使う学生は元々少なくなかった。だが、マリアが治療室で治療するようになってからはその数が数倍に増えていた。なので、マリアは授業が始まる前にまずは治療室へ行く事が日々のルーティンになっていた。
リルが率先してマリアの前を歩いているのも意味がある。治療をするマリアは主に男性生徒から人気があり、一緒にいるリルは女性生徒から人気があるのだ。大人しくモフモフされるだけでお菓子や肉をたくさんもらえる為、今日も早く早くとマリアを急かして移動しているのだった。
治療室の前では、マリアとリルを待つ行列ができていた。
「今日もすごい行列ね。」
『みんな待ってるんだぞー。マリア急ぐんだぞー』
マリアは、治療室に入って早速治療を開始した。
「マリア様。手をケガしてしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。転んで頭を打ってしまいました。治療してください。」
「はい。わかりました。ヒール。」
「マリア様。なんか気分がすぐれません。ヒールしてほしいです。」
「はい。わかりました。ヒール。」
そうしてマリアの元には、本当にケガをしたのか怪しい人も含めて多くの学生が押しかけていた。そしてそのそばではモフモフされながら餌付けされているリルの姿があった。
「はいは~い。マリアさんは授業があるから次からは私が治療するよーーー。こっちに並んでーー。」
元々いる治療院の先生が声を掛けると、マリアの元に並んでいる学生達は一斉に部屋から出て行った。
「はーーー。アンタ達は・・・」
治療というよりもマリアに会いたい。マリアにヒールを駆けてもらいたい学生達はマリアが授業に行くと知ると一目散に治療室から離れて行った。
「先生・・・今日もすいません。」
「マリアさんが謝る事じゃないわ。あのバカ達が悪いのよ。でもよかったの?鬱陶しかったら言ってよ。」
「大丈夫です。魔法の練習にもなりますから。」
「そう言ってくれると助かるよ。バカばっかりで本当困ったもんだよ。」
(たしかに先生の言うように、どう考えても私目当てで来てるのがわかる。だけど毎日これだけ治癒魔法を使える機会なんてそう訪れない。利用してるみたいで気が引けるけどラッキー様の為、私は私の目的がある。うまく利用させてもらうわ。)
マリアは、朝の治療の時間が終われば、授業を受ける。もちろんリルも一緒だ。授業は治癒魔法の知識を深める授業だ。人体の構造や回復魔法の種類。状態異常の種類に人体への影響など、知っていると知らないとでは効果が変わってくるため、そのあたりの知識を勉強している。
この留学期間中のマリアの目標は、ラッキーとシルフィード、リルに何があっても回復するというモノだ。たとえ足や手が欠損しようが、石化や麻痺に侵されようが、さすがに蘇生は難しいが死ぬような状態にならないように、回復できるだけの技と魔力を身につける事だ。
学園に留学してからマリアの治癒魔法の種類は順調に増えていた。だが、回復だけではラッキーとシルフィードについていけない事はマリアにもわかっていた。二人がケガをしなければ役目がないからだ。攻撃魔法やバフ、デバフなどの補助魔法、魔法以外の手段など、治癒魔法が順調な今、今後の方向性をどうするか模索している最中だった。
(ラッキー様とシルフィーとパーティを組む事を考えれば今の私が武器を持って攻撃を担当するのはありえないですね。どうがんばってるラッキー様にはかなわないし、リルちゃんもいる。かと言って攻撃魔法はシルフィーには及びません。牽制にしかならない魔法を覚えるよりもバフ、デバフの補助魔法を覚えていく方が仲間の為になりますね。何度も考えましたが結局、それに落ち着きそうですね。
リルをモフモフしながら、残り1カ月間、ラッキーやシルフィードに負けない様に自分の得意分野、ラッキーやシルフィードにできない部分をしっかりと極めて、守られる存在ではなく、二人の隣で一緒に戦えるようにマリアは今日も授業の後、治療室で黙々と訪れる学生に治癒魔法をかけていくのだった。
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