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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第162話 魔法学園留学~2か月〜シルフィード
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「調子はどうだ。シルフィード?」
「順調よ。ようやくわかっててきたわ。」
「そうか。そりゃよかった。言ってくれればいつでも模擬戦付き合うぞ。」
「ありがとうストリンガー。でも今日は一人で練習しようと思ってるの。又今度お願いするわ。」
「そうか。わかった。」
シルフィードは魔法学園に通ってから攻撃魔法について学んでいた。ラッキーは剣を使って近距離をメインにしている。パーティーの役割として、遠距離をメインにしている為だ。
当初は複合魔法を覚える。と気合を入れていたが学び始めてそれだけではダメと感じていた。
「さて、今日も頑張りますか。」
魔法学園には魔法の修練場が多数ある。誰にも見られたくない人用に1人用から集団戦ができる広い所まで。部屋には結界が張られており、安心して魔法の練習ができるのだ。
シルフィードがこの2ヶ月で学んだ事で、一番意識したのは、魔法の使い方だった。
今まではより威力の高い魔法で魔物や敵を殲滅すれば良いと思っていたが、それではダメと気付かされたのだ。
それは先日シルフィードが模擬戦をした時の事だ。多くの魔物を倒しレベルをかなり上げていたシルフィードは魔法学園の中で、自分が一番強いと思っていた。
シルフィードのその考えは間違っていないだろう。実際学生達と比べるとシルフィードの魔力量は頭二つぐらい抜けている。
だが模擬戦の結果はシルフィードの完敗だった。それは、シルフィードが魔法を連発して魔力切れになったからだ。
いくら魔力が高くても魔法が当たらなければ意味がない。対人戦の経験が少ないシルフィードは魔法が当たらず、ムキになって魔法を連発してしまったのだ。
「あれは失敗だったわね。強くなって驕っていたのかもしれないわ。反省しなきゃ。」
その経験があってからは複合魔法、複合魔法と言わなくなった。どれだけ強い魔法を覚えても当たらなければ意味がないと知ったからだ。
それからシルフィードは四大属性の魔法を基礎から学び始めた。なぜなら初級魔法が一番魔力の消費が少ないからだ。
学園生は初めに2属性の初級魔法を覚える。それが卒業案件だからだ。そこから他の属性を学ぶ者と覚えた属性の上位魔法を覚える者に分かれるのだが、シルフィードの場合、素質のある風魔法と土魔法は使っていればレベルと熟練度が上がり上位魔法は覚えるし、知らない魔法は図書館で資料を見れば使えるようになる。
ならば、折角学園に通っているのだ。他の属性魔法をマスターし、実践レベルにする事がパーティの為になると考えたのだ。
すでに火魔法と水魔法の初級魔法はこの2か月で習得済みだった。
「だけど複合魔法を学んだのも全くの無駄って訳じゃなかったわね。」
そういって、修練場の的に向かってシルフィードは魔法を放つ。放った魔法は初級風魔法のウインドボールだ。しかも5個同時に。
シルフィードが複合魔法を習った時に、両手でそれぞれ別の魔法を発動し合わせる事で複合魔法を発動させると習っていた。魔力の量や種類の組み合わせで複合魔法が出来上がると学んでいた。
それを応用し、シルフィードは両手はもちろん、それぞれの指で発動する事を考えた。
この2か月それをメインに練習し、昨日ようやく5発同時発動に成功したのだ。
「うん。うまく行ったわ。これなら避けようがないわよね。ふふふ。次の模擬戦が楽しみだわ。」
その後、込める魔力量を変えたり、放った魔法をコントロールしたりとシルフィードの魔法の練習は続く。しかし、数種類の属性魔法の同時発動はうまく行かなかった。
「やっぱり複数属性は難しいわね。両手に一つずつならできるのに、片手でしようと思うといまく行かないわ。もっと練習しないと。」
魔法の修練が終わるとシルフィードは一つの魔法の研究室へと向かった。
「モリン先生。無事5発同時に魔法が使えました。」
「本当ですか!?シルフィードさん。」
「はい。指からの発動ならまちがいなくできますね。」
「やっぱり。なら最大で10発まで魔法の同時発動が可能ですね。一つずつ別属性を発動できれば4属性の複合魔法も理論的には可能と言う事。これは・・・にひひひ。夢が広がりますね。」
「モリン先生。5発同時は出来ましたが、複数属性はまだできませんでした。それにはもっと練習が必要だと思います。」
「そうですか。ですがシルフィードさん。成果は順調に出ています。焦らずに行きましょう。」
「はい。」
シルフィードが通っている研究室は複合魔法の中でも複数属性を同時に扱う研究室だった。先生のモリンはエルフで魔法にとても詳しかった。複合魔法を使う為には、複数属性を同時発動する事が必要だ。だが、それを複合せずとも同時発動にもメリットが多数ある。そういった事を専門に研究している所だった。
魔法の威力はもちろん重要だが、シルフィードはここに来て威力よりも多様性を求めるようになっていた。それにおいてこの研究室はシルフィードの求めるモノと合致していた。
最終目標は、10発の魔法の同時発動だが5発をクリアしたシルフィードにとって、それは近々できるようになるだろう。せっかく学園いいるこの時に、そればかりに時間に費やすのは得策ではない。今のシルフィードは複数属性を同時に使えるようになる事。発動した魔法のコントロール。欲を言えば避けられても自動で追尾できるようにしたかった。
その為の研究の時間は残り1カ月。シルフィードは今日もパーティの為に攻撃魔法を磨き続けるのだった。
「順調よ。ようやくわかっててきたわ。」
「そうか。そりゃよかった。言ってくれればいつでも模擬戦付き合うぞ。」
「ありがとうストリンガー。でも今日は一人で練習しようと思ってるの。又今度お願いするわ。」
「そうか。わかった。」
シルフィードは魔法学園に通ってから攻撃魔法について学んでいた。ラッキーは剣を使って近距離をメインにしている。パーティーの役割として、遠距離をメインにしている為だ。
当初は複合魔法を覚える。と気合を入れていたが学び始めてそれだけではダメと感じていた。
「さて、今日も頑張りますか。」
魔法学園には魔法の修練場が多数ある。誰にも見られたくない人用に1人用から集団戦ができる広い所まで。部屋には結界が張られており、安心して魔法の練習ができるのだ。
シルフィードがこの2ヶ月で学んだ事で、一番意識したのは、魔法の使い方だった。
今まではより威力の高い魔法で魔物や敵を殲滅すれば良いと思っていたが、それではダメと気付かされたのだ。
それは先日シルフィードが模擬戦をした時の事だ。多くの魔物を倒しレベルをかなり上げていたシルフィードは魔法学園の中で、自分が一番強いと思っていた。
シルフィードのその考えは間違っていないだろう。実際学生達と比べるとシルフィードの魔力量は頭二つぐらい抜けている。
だが模擬戦の結果はシルフィードの完敗だった。それは、シルフィードが魔法を連発して魔力切れになったからだ。
いくら魔力が高くても魔法が当たらなければ意味がない。対人戦の経験が少ないシルフィードは魔法が当たらず、ムキになって魔法を連発してしまったのだ。
「あれは失敗だったわね。強くなって驕っていたのかもしれないわ。反省しなきゃ。」
その経験があってからは複合魔法、複合魔法と言わなくなった。どれだけ強い魔法を覚えても当たらなければ意味がないと知ったからだ。
それからシルフィードは四大属性の魔法を基礎から学び始めた。なぜなら初級魔法が一番魔力の消費が少ないからだ。
学園生は初めに2属性の初級魔法を覚える。それが卒業案件だからだ。そこから他の属性を学ぶ者と覚えた属性の上位魔法を覚える者に分かれるのだが、シルフィードの場合、素質のある風魔法と土魔法は使っていればレベルと熟練度が上がり上位魔法は覚えるし、知らない魔法は図書館で資料を見れば使えるようになる。
ならば、折角学園に通っているのだ。他の属性魔法をマスターし、実践レベルにする事がパーティの為になると考えたのだ。
すでに火魔法と水魔法の初級魔法はこの2か月で習得済みだった。
「だけど複合魔法を学んだのも全くの無駄って訳じゃなかったわね。」
そういって、修練場の的に向かってシルフィードは魔法を放つ。放った魔法は初級風魔法のウインドボールだ。しかも5個同時に。
シルフィードが複合魔法を習った時に、両手でそれぞれ別の魔法を発動し合わせる事で複合魔法を発動させると習っていた。魔力の量や種類の組み合わせで複合魔法が出来上がると学んでいた。
それを応用し、シルフィードは両手はもちろん、それぞれの指で発動する事を考えた。
この2か月それをメインに練習し、昨日ようやく5発同時発動に成功したのだ。
「うん。うまく行ったわ。これなら避けようがないわよね。ふふふ。次の模擬戦が楽しみだわ。」
その後、込める魔力量を変えたり、放った魔法をコントロールしたりとシルフィードの魔法の練習は続く。しかし、数種類の属性魔法の同時発動はうまく行かなかった。
「やっぱり複数属性は難しいわね。両手に一つずつならできるのに、片手でしようと思うといまく行かないわ。もっと練習しないと。」
魔法の修練が終わるとシルフィードは一つの魔法の研究室へと向かった。
「モリン先生。無事5発同時に魔法が使えました。」
「本当ですか!?シルフィードさん。」
「はい。指からの発動ならまちがいなくできますね。」
「やっぱり。なら最大で10発まで魔法の同時発動が可能ですね。一つずつ別属性を発動できれば4属性の複合魔法も理論的には可能と言う事。これは・・・にひひひ。夢が広がりますね。」
「モリン先生。5発同時は出来ましたが、複数属性はまだできませんでした。それにはもっと練習が必要だと思います。」
「そうですか。ですがシルフィードさん。成果は順調に出ています。焦らずに行きましょう。」
「はい。」
シルフィードが通っている研究室は複合魔法の中でも複数属性を同時に扱う研究室だった。先生のモリンはエルフで魔法にとても詳しかった。複合魔法を使う為には、複数属性を同時発動する事が必要だ。だが、それを複合せずとも同時発動にもメリットが多数ある。そういった事を専門に研究している所だった。
魔法の威力はもちろん重要だが、シルフィードはここに来て威力よりも多様性を求めるようになっていた。それにおいてこの研究室はシルフィードの求めるモノと合致していた。
最終目標は、10発の魔法の同時発動だが5発をクリアしたシルフィードにとって、それは近々できるようになるだろう。せっかく学園いいるこの時に、そればかりに時間に費やすのは得策ではない。今のシルフィードは複数属性を同時に使えるようになる事。発動した魔法のコントロール。欲を言えば避けられても自動で追尾できるようにしたかった。
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