19 / 40
第四章――①
しおりを挟む
大大大推しキャラとお茶。
普通に考えれば浮かれるシチュエーションだが、あまり気楽にお茶をするだけって感じじゃない。
ともあれ、まずは冷めないうちにお茶を一口いただく。
この世界のお茶は、私の知る一般的な紅茶に近いのだが、見た目は紅というより薄桃色で、甘い花のフレーバーが効いていて風味が違う。
「それで――お話というのは、先ほどのことですか?」
面倒なことはさっさと終わらせたいので、早めに口火を切る。
「ああ。あんたが聖女の力を持っていることについて、俺なりの推測を話すつもりだ。ついでにいくつか確認したいこともあるが、構わないか?」
「ええ、構いませんけど……推測というのは?」
「女神からの啓示が途絶えて久しく、確かなことは分からないんだ」
お茶を飲みながら眉間にしわを寄せるユマ。
啓示?
使徒は女神と定期的にコンタクトを取れると設定に合ったが、それのことだろうか?
話の腰を折りそうなのでスルーするけど。
「あんたも知っての通り、アリサは聖女としての務めは果たしているが、意図的に騎士たちをたらし込み、他人を虐げて楽しんでいる。果たしてそれが正しいあり方なのかと疑問を感じ、女神に奏上を繰り返したがなんの啓示もくださらない。御身に異変がないのは確かだから強くは案じてはいないが……そんな時、俺は“あんた”に会った」
まるでハティエットの中の私を見抜くような視線を向けた。
「単刀直入に訊くが、“あんた”はアリサと同じ世界から来た人間だろう?」
本当にざっくり斬り込まれて、息が止まる思いがした。
正直に答えるべきか否か。
カップで震える手を温めながら逡巡し、ややあって口を開いた。
「はい……今話している“私”は確かに異世界から来た人間です。この体の持ち主はこの世界の人間ですけど」
日本刀男に刺された下りから、ここが『聖魔の天秤』の世界そのもので驚いたことまで洗いざらい事情を話すと、ユマは戸惑いながらもどこか納得した様子でうなずく。
「なるほど。魂だけ召喚されたということか。おそらく肉体の損傷が激しく、こちらに引っ張ってこられなかったのだろう」
「……冷静なお返事はありがたいですが、私、結構突拍子もないこと言いましたよね? ここが私にとってはゲームの世界だって言われて、なんとも思わないんですか?」
ゲーム転生モノだとすんなり受け入れられないパターンも多いのだが。
「別に訝しむ要素はない。あんたがいう『聖魔の天秤』というゲームは“聖女の仮想体験”のために、こちらからあんたの世界に発信したものだからな」
は、はい? “聖女の仮想体験”? それってどういう意味?
「ゲームで描かれている通り、魔王は聖女により封じられた歴史は確かに存在する。だが、それは女神が望む歴史では――もっと端的にいうなら、聖女の選択が女神の意向とは異なっていた」
一区切りつけるようにお茶を一口含んで、ユマは続ける。
「そこで女神は、自分の望む選択をする聖女が現れるまで、何度も異なる聖女を召喚し、魔王の復活から封印までの間の歴史を繰り返すことを実行された」
歴史のリセマラって、どんだけスケールでかいんだ!?
「とはいえ、新たな聖女が来るたびに一から十まで説明するのが面倒になられた女神は、それならばあらかじめ一連の出来事を記した物語を作ることを思いつき、ちょうどあんたの世界で流行っていたスマホゲームを利用することにした」
「さらっと言ってますけど、まさか女神様がお作りにされたんですか?」
「いや、開発者に天啓を授けたとおっしゃっていた」
天啓……そういえば雑誌のインタビューで、シナリオライターが「天啓キターって感じで」って語ってたのを思い出した。
比喩じゃなくガチの天啓だったとは予想外すぎる。
「……ところで、歴史が繰り返されるたびに、みんなの記憶が消えたり上書きされたり、場合によっては騎士と聖女と恋仲になったりしますよね。世界の仕組みがおかしくなったりしないんですか?」
「そのあたりは女神の采配だから、俺は何も知らない。ただ、大まかな歴史に歪みが出ないよう調節することは強く厳命されている。その任務を遂行するために、俺は繰り返す歴史の中でも記憶を保っていられるんだが……」
ユマは深く息を吐いて、どこか難しい顔をした。
歴史ループを延々繰り返し見守り続けるということは、ある意味同じ映画を繰り返し鑑賞し続けるのと同じことだ。
主役のキャスティングは毎回違うが、代わり映えしない内容ではあきてしまうしうんざりもするだろう。
しかもそれが上司のわがままに付き合わされてのことなら、その度合いも半端なものじゃない。
ひょっとしたら年齢的に若いのに落ち着いていて含蓄のある物言いなのは、見た目以上に長い月日を生きてるからかもしれない。
「……お疲れさまです」
「まあ、それが使徒の仕事だからな。で、話を戻すが、その“聖女の仮想体験”をした者の中から、女神の判断で聖女が選定されるシステムとなっている。基準は俺にも分からないが、アリサもあんたも女神のお眼鏡に適ったことだけは確かだな」
「お眼鏡に適ったって……ええ? 私もですか?」
「ああ。あんたはリュイの暴走を止め、魔物を浄化した。それが証だ」
「す、少し整理させてください」
冷めてしまったお茶を一気にあおり、肺を底から洗うような深呼吸する。
えっと、つまりはだ。この世界はゲームの世界を反映したものではなく、ゲームがこの世界の出来事を元に作られた文字通り創作物ということになる。
それで、“聖女の仮想体験”をしたプレイヤー女子たちの中から、本当に聖女となって魔王と戦う運命を背負う者が選ばれるってことか。
ユマの話を信じるなら、アリサも私と同じ『聖魔の天秤』をプレイした仲間ということになる。
「だいたいのところは分かりました。でも、仮にアリサが失敗したとしても、歴史はループし続けるんでしょう? だったら、アリサに問題があろうとなかろうと、女神様が私を呼ぶ理由はないと思うんですけど」
「それはそうなんだが……アリサのようなタイプの聖女は初めてというのもあるが、これまで何度も繰り返してきた歴史が、だんだん狂ってきているのが気がかりでな」
「もしかして、今日の襲撃事件と四天王との一戦が前後してるところですか?」
「ああ。それ以外にも誤差が生じている。大筋に影響がないから今まで黙認してきたが、さすがに今回はあんたがいなかったら甚大な被害が出ていた」
「……確かに被害は出たかもしれませんけど、魔物の討伐だけならあなた一人でも十分だったように見えましたが」
私は魔法で一網打尽にしたが、ユマのサポートがあってこその成果で、一騎当千の戦力を持つ彼なら、一人でも魔物を全て斬り伏せることも可能だったと思う。
しかし、ユマは静かに首を横に振った。
「騎士よりも強い力を授けられているのは否定しないが、あくまで聖女を守り導くための力で、それ以外の使用は禁じられている。使徒には制約が多いんだ」
くわしくは語らなかったが、色恋禁止のような例もあるし、他にもいろいろあるのだろう。
制約とはすなわち女神の信頼を得る修行のようなもので、多く課せられるほど与えられる力も大きいのかもしれない。
普通に考えれば浮かれるシチュエーションだが、あまり気楽にお茶をするだけって感じじゃない。
ともあれ、まずは冷めないうちにお茶を一口いただく。
この世界のお茶は、私の知る一般的な紅茶に近いのだが、見た目は紅というより薄桃色で、甘い花のフレーバーが効いていて風味が違う。
「それで――お話というのは、先ほどのことですか?」
面倒なことはさっさと終わらせたいので、早めに口火を切る。
「ああ。あんたが聖女の力を持っていることについて、俺なりの推測を話すつもりだ。ついでにいくつか確認したいこともあるが、構わないか?」
「ええ、構いませんけど……推測というのは?」
「女神からの啓示が途絶えて久しく、確かなことは分からないんだ」
お茶を飲みながら眉間にしわを寄せるユマ。
啓示?
使徒は女神と定期的にコンタクトを取れると設定に合ったが、それのことだろうか?
話の腰を折りそうなのでスルーするけど。
「あんたも知っての通り、アリサは聖女としての務めは果たしているが、意図的に騎士たちをたらし込み、他人を虐げて楽しんでいる。果たしてそれが正しいあり方なのかと疑問を感じ、女神に奏上を繰り返したがなんの啓示もくださらない。御身に異変がないのは確かだから強くは案じてはいないが……そんな時、俺は“あんた”に会った」
まるでハティエットの中の私を見抜くような視線を向けた。
「単刀直入に訊くが、“あんた”はアリサと同じ世界から来た人間だろう?」
本当にざっくり斬り込まれて、息が止まる思いがした。
正直に答えるべきか否か。
カップで震える手を温めながら逡巡し、ややあって口を開いた。
「はい……今話している“私”は確かに異世界から来た人間です。この体の持ち主はこの世界の人間ですけど」
日本刀男に刺された下りから、ここが『聖魔の天秤』の世界そのもので驚いたことまで洗いざらい事情を話すと、ユマは戸惑いながらもどこか納得した様子でうなずく。
「なるほど。魂だけ召喚されたということか。おそらく肉体の損傷が激しく、こちらに引っ張ってこられなかったのだろう」
「……冷静なお返事はありがたいですが、私、結構突拍子もないこと言いましたよね? ここが私にとってはゲームの世界だって言われて、なんとも思わないんですか?」
ゲーム転生モノだとすんなり受け入れられないパターンも多いのだが。
「別に訝しむ要素はない。あんたがいう『聖魔の天秤』というゲームは“聖女の仮想体験”のために、こちらからあんたの世界に発信したものだからな」
は、はい? “聖女の仮想体験”? それってどういう意味?
「ゲームで描かれている通り、魔王は聖女により封じられた歴史は確かに存在する。だが、それは女神が望む歴史では――もっと端的にいうなら、聖女の選択が女神の意向とは異なっていた」
一区切りつけるようにお茶を一口含んで、ユマは続ける。
「そこで女神は、自分の望む選択をする聖女が現れるまで、何度も異なる聖女を召喚し、魔王の復活から封印までの間の歴史を繰り返すことを実行された」
歴史のリセマラって、どんだけスケールでかいんだ!?
「とはいえ、新たな聖女が来るたびに一から十まで説明するのが面倒になられた女神は、それならばあらかじめ一連の出来事を記した物語を作ることを思いつき、ちょうどあんたの世界で流行っていたスマホゲームを利用することにした」
「さらっと言ってますけど、まさか女神様がお作りにされたんですか?」
「いや、開発者に天啓を授けたとおっしゃっていた」
天啓……そういえば雑誌のインタビューで、シナリオライターが「天啓キターって感じで」って語ってたのを思い出した。
比喩じゃなくガチの天啓だったとは予想外すぎる。
「……ところで、歴史が繰り返されるたびに、みんなの記憶が消えたり上書きされたり、場合によっては騎士と聖女と恋仲になったりしますよね。世界の仕組みがおかしくなったりしないんですか?」
「そのあたりは女神の采配だから、俺は何も知らない。ただ、大まかな歴史に歪みが出ないよう調節することは強く厳命されている。その任務を遂行するために、俺は繰り返す歴史の中でも記憶を保っていられるんだが……」
ユマは深く息を吐いて、どこか難しい顔をした。
歴史ループを延々繰り返し見守り続けるということは、ある意味同じ映画を繰り返し鑑賞し続けるのと同じことだ。
主役のキャスティングは毎回違うが、代わり映えしない内容ではあきてしまうしうんざりもするだろう。
しかもそれが上司のわがままに付き合わされてのことなら、その度合いも半端なものじゃない。
ひょっとしたら年齢的に若いのに落ち着いていて含蓄のある物言いなのは、見た目以上に長い月日を生きてるからかもしれない。
「……お疲れさまです」
「まあ、それが使徒の仕事だからな。で、話を戻すが、その“聖女の仮想体験”をした者の中から、女神の判断で聖女が選定されるシステムとなっている。基準は俺にも分からないが、アリサもあんたも女神のお眼鏡に適ったことだけは確かだな」
「お眼鏡に適ったって……ええ? 私もですか?」
「ああ。あんたはリュイの暴走を止め、魔物を浄化した。それが証だ」
「す、少し整理させてください」
冷めてしまったお茶を一気にあおり、肺を底から洗うような深呼吸する。
えっと、つまりはだ。この世界はゲームの世界を反映したものではなく、ゲームがこの世界の出来事を元に作られた文字通り創作物ということになる。
それで、“聖女の仮想体験”をしたプレイヤー女子たちの中から、本当に聖女となって魔王と戦う運命を背負う者が選ばれるってことか。
ユマの話を信じるなら、アリサも私と同じ『聖魔の天秤』をプレイした仲間ということになる。
「だいたいのところは分かりました。でも、仮にアリサが失敗したとしても、歴史はループし続けるんでしょう? だったら、アリサに問題があろうとなかろうと、女神様が私を呼ぶ理由はないと思うんですけど」
「それはそうなんだが……アリサのようなタイプの聖女は初めてというのもあるが、これまで何度も繰り返してきた歴史が、だんだん狂ってきているのが気がかりでな」
「もしかして、今日の襲撃事件と四天王との一戦が前後してるところですか?」
「ああ。それ以外にも誤差が生じている。大筋に影響がないから今まで黙認してきたが、さすがに今回はあんたがいなかったら甚大な被害が出ていた」
「……確かに被害は出たかもしれませんけど、魔物の討伐だけならあなた一人でも十分だったように見えましたが」
私は魔法で一網打尽にしたが、ユマのサポートがあってこその成果で、一騎当千の戦力を持つ彼なら、一人でも魔物を全て斬り伏せることも可能だったと思う。
しかし、ユマは静かに首を横に振った。
「騎士よりも強い力を授けられているのは否定しないが、あくまで聖女を守り導くための力で、それ以外の使用は禁じられている。使徒には制約が多いんだ」
くわしくは語らなかったが、色恋禁止のような例もあるし、他にもいろいろあるのだろう。
制約とはすなわち女神の信頼を得る修行のようなもので、多く課せられるほど与えられる力も大きいのかもしれない。
0
お気に入りに追加
479
あなたにおすすめの小説
悪女と言われ婚約破棄されたので、自由な生活を満喫します
水空 葵
ファンタジー
貧乏な伯爵家に生まれたレイラ・アルタイスは貴族の中でも珍しく、全部の魔法属性に適性があった。
けれども、嫉妬から悪女という噂を流され、婚約者からは「利用する価値が無くなった」と婚約破棄を告げられた。
おまけに、冤罪を着せられて王都からも追放されてしまう。
婚約者をモノとしか見ていない婚約者にも、自分の利益のためだけで動く令嬢達も関わりたくないわ。
そう決めたレイラは、公爵令息と形だけの結婚を結んで、全ての魔法属性を使えないと作ることが出来ない魔道具を作りながら気ままに過ごす。
けれども、どうやら魔道具は世界を恐怖に陥れる魔物の対策にもなるらしい。
その事を知ったレイラはみんなの助けにしようと魔道具を広めていって、領民達から聖女として崇められるように!?
魔法を神聖視する貴族のことなんて知りません! 私はたくさんの人を幸せにしたいのです!
☆8/27 ファンタジーの24hランキングで2位になりました。
読者の皆様、本当にありがとうございます!
☆10/31 第16回ファンタジー小説大賞で奨励賞を頂きました。
投票や応援、ありがとうございました!
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
悪役令嬢には、まだ早い!!
皐月うしこ
ファンタジー
【完結】四人の攻略対象により、悲運な未来を辿る予定の悪役令嬢が生きる世界。乙女ゲーム『エリスクローズ』の世界に転生したのは、まさかのオタクなヤクザだった!?
「繁栄の血族」と称された由緒あるマトラコフ伯爵家。魔女エリスが魔法を授けてから1952年。魔法は「パク」と呼ばれる鉱石を介して生活に根付き、飛躍的に文化や文明を発展させてきた。これは、そんな異世界で、オタクなヤクザではなく、数奇な人生を送る羽目になるひとりの少女の物語である。
※小説家になろう様でも同時連載中
お嬢様のために暴君に媚びを売ったら愛されました!
近藤アリス
恋愛
暴君と名高い第二王子ジェレマイアに、愛しのお嬢様が嫁ぐことに!
どうにかしてお嬢様から興味を逸らすために、媚びを売ったら愛されて執着されちゃって…?
幼い頃、子爵家に拾われた主人公ビオラがお嬢様のためにジェレマイアに媚びを売り
後継者争い、聖女など色々な問題に巻き込まれていきますが
他人の健康状態と治療法が分かる特殊能力を持って、お嬢様のために頑張るお話です。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています
※完結しました!ありがとうございます!
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる