メルカリ等を使い素人が中古車転売で2億円稼ぐのは可能だが重大リスクも

 例えば、メルカリで250万円で購入した車両を10万円の予算で仕上げて、個人売買で300万円で販売したとしましょう。この場合、粗利は40万円ですから、62台も売れば粗利は2480万円になります。販売利益を元手にして在庫を1台から2台、2台から3台と増やすこともできますし、賃貸の駐車場でも自宅の駐車場でも保管場所さえあれば台数は増やせます。自動車工場の知り合いがいれば月額で場所借りするという手もあるでしょう。1年半で62台の販売ですから、月間販売台数は3~4台、納車などの手間を省いて引き取りに来てもらうスタイルなら、副業としても対応できます」(同)

 この男性のような一般人の中古車販売と、プロの中古車販売との間に何か違いはあるのか。

「古物商許可が必要となるのには理由があって、盗難車の流通を防ぐことであったり、もし盗難車が出回った際に出所を明確にするといった目的があります。なので古物許可証の申請窓口は営業所を管轄している警察署になっているわけです。

 買う側としても、真っ当な中古車販売店でキチンと整備された車両を買おうという人ばかりではなく、買ってから自分でメンテナンスするから少しでも安く買いたいというユーザーも増えており、個人売買も盛んになっています。副業でもしなければ給料が安くてやっていけないというサラリーマンも多いなか、こういった問題は今後も増えていくのではないかと懸念されます。半導体の影響などでいまだ新車の供給も滞っている今、中古車業界の問題はより深くなりつつあるのではないでしょうか」(同)

公務員は事実上、副業は禁止

 もっとも、一部の例外を除くと、公務員は事実上、副業は禁止されている。国家公務員の男性はいう。

「2億円も稼いで停職1カ月の懲戒処分というのは軽いという見方もあるが、儲け金額の多寡に関係なく兼業禁止への罰則はそのように定められているということだろう。もし仮に税務署職員ながら転売で得た所得分について確定申告をせずに納税していなければ、もっと重い処分を受けるだろうから、さすがに確定申告はきちんとやっていたのでは。男性は自ら申し出て辞職したとのことだが、失点で今後は閑職にしかつけず将来的な出世も見込めないので、上から『解雇はしない代わりに自ら辞めるかたちにしてはどうか』とやんわり提案されたのではないかと想像できる」(4月29日付当サイト記事より)

(文=Business Journal編集部、協力=桑野将二郎/自動車ライター)