「実はガチ富裕層は野村證券を使っている」は本当?野村Webローンで儲ける

対面型の大手証券会社を使うメリット・デメリット

 では、富裕層は野村證券など対面型の大手証券会社を使っている人が多いというのは事実なのだろうか。ちなみに、野村證券の取引口座には店舗型とオンライン専用型があり、後者のほうが手数料は低い。

「高額の資産を持つ富裕層は60代以上の高齢者に偏っており、昔からずっと同じ証券会社を使い続けている人が多いので、結果的に老舗で大手の野村證券を使っている富裕層が多くなっているというのが正しい表現。こうした投資家のなかには、ネット証券をはじめとする他の証券会社を使ったことがない人も少なくなく、そういう人は野村を使っていることで自分が損しているのか得しているのかがわからない。もし仮に他社を使っていれば、もっと利益が出ていたとしても、それに気が付く術がない。

 また、営業担当者からチヤホヤされてよい気分になれるというメリットもあるし、その内容が的確かどうかにかかわらず手厚いアドバイスやサポートを受けられるので、たとえ損をしていたとしても『やっぱり野村證券がいい』と思い込んでいるケースもあるだろう。それほど目立った損が出ていないのであれば、営業担当者に言われるがままにやっていればよいし、面倒な手続きも証券会社側がやってくれるので楽ではある。

 また、野村證券は大企業の上場の主幹事を務めることが多くIPO案件を数多く持っている。こうした案件は対面で付き合いのある太筋の大口顧客に優先的に紹介されるといわれており、これに関しては野村を使うメリットの一つといえるだろう。ただ、それなりに大きな額の資産を持っている顧客でないと、その恩恵を被ることができない。

 逆にいうと、これら以外に対面型の証券会社を使うメリットはない。自分で情報を収集してネット取引ができるようなリテラシーの高い投資家にとっては、手数料が高く、かつ会社側の都合で銘柄を推奨してくる対面型の証券会社を使うのはデメリットのほうが多い。既存の大手証券会社はアナリストによるレポートの提供や、顧客の相続・ローンなど資産形成をトータルでサポートしてくれたり、充実したサービスを受けられるのがメリットともいわれるが、現在では取ろうと思えば深い企業情報は個人でも取れるし、相続なら高い専門ノウハウを持つ独立系の税理士などに相談すれば済むので、繰り返しになるが自分でいろいろ調べて行動に移せる人にとって、対面型の証券会社を使う理由はあまりない」

(文=Business Journal編集部)