イオン、40万人のパート従業員を極限まで活用へ…正社員の中核業務を移管

 利益率が低いことは給与水準の低さにつながり、さらに土日が休めなかったり立ち仕事が多いという事情も重なり、外食と並んで就活で人気がない業界となっており、人材確保が難しいという点は業界にとって長年の課題となっています。パート従業員の仕事も重労働で、棚への品出しで重い荷物を運んだり、生鮮食品や総菜の調理場は臭いがきつく常に水でびちゃびちゃで、食品の鮮度を保つために低温の中で長時間働かなければなりません。厳しい環境で、従業員が定着しにくいという問題があるため、各社はできるだけ機械化・自動化の導入なども含めて労働環境の改善に努めており、そうした業務改善の延長線上に今回のイオンの取り組みがあるのではないでしょうか」

 また、中堅IT企業役員はいう。

「近年ではAIやDX、データサイエンスなどの研修を社員に受けさせる企業は増えているが、パート従業員まで対象とするというのは珍しい。こうした学習は自費でスクールに通うと数十万円単位で費用がかかるため、社内教育の一環として無償で受けられるというのは競合他社との人材獲得競争の面でも有利になる。あらゆる業界で人手不足が広がるなか、そうした狙いもイオン側にはあるのでは」(4月21日付当サイト記事より)

(文=Business Journal編集部、協力=西川立一/流通ジャーナリスト)