カリグラフィの授業で学んだ、文字同士の間隔や書体と書体のコンビネーションに関する知識が、マッキントッシュのフォント開発で生かされたのです。
ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行った、とても有名なスピーチがあります。その中で、彼は次のようなことを言っています。
「未来を見通すことはできない。むしろ過去を振り返って経験から点と点を結びつけ、何らかの形をつくることが重要だ」
過去に経験した事柄は、1つひとつは孤立した「点」かもしれません。しかし、その点が多ければ多いほど、いつか別のものと結びついて新しい「線」になる。そのことを、ジョブズはよくわかっていたのでしょう。
日本で最初に水平思考の必要性が訴えられたのは、電子計算機が一般化した、前の大阪万博の頃です。奇しくも再び万博を控える今日、生成AIが一般化し創造性を求められる分野に影響を与え始めています。
今後、求められるのは、AIが提示する結果にとらわれず、多角的にモノ・コトを捉え直す能力。そう、ずるい考え方です。変革期は不安もありますがチャンスでもあります。ずるい考え方を武器に、明日を切り拓いていきましょう。