ホンダ、日本初の自動運転タクシーに漂う暗雲

完全自動運転が実現すれば、移動時間を有効活用する新しいビジネスチャンスも生まれそうだ(写真:ホンダ)

PwCコンサルティングは、現状世界でもほぼゼロに近い完全自動運転タクシーが生み出す収益が、2035年には約70兆円まで拡大すると予測する。アメリカのEV(電気自動車)専業メーカー・テスラも8月8日に自動運転タクシーを公開するとしている。日本勢では、日産自動車も2027年度以降に、本社がある横浜市などを中心に事業化を目指している。

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もともと2026年に東京都心で自動運転タクシーを走らせるというホンダの計画は、高い目標を掲げることで事業化を推進する側面もある。多少の遅れは驚くことではない。ホンダとサービスで手を組むタクシー会社の幹部は「改めて仕切り直しということでは」と話す。

とはいえ、自動運転サービスはアメリカ勢だけでなく、中国の新興メーカーなども開発でしのぎを削る。計画に遅れを取れば、他社の後塵を拝する可能性が高まる。ホンダは開発の加速と安全性の担保の間で難しい局面に立たされている。