世の中には、会議中毒の経営者やマネジャーがいる。
会議をして移動し、また会議をして移動する。新幹線や飛行機に乗って出張するのは会議のため――という人だ。そんな経営者やマネジャーを迎えるため、現場は、資料作り、事前打ち合わせ、根回しなどもする。
やがて、会議が増えすぎて人を増やし、やがてその人たちが新しい部署を作る。その部署のメンバーが「作業を効率化させたい」と問題提起をしてさらに会議をし、新しい情報システムを構築しようと検討会議が始まる……。
まさに「会議地獄」だ。
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。だから、業績が悪い会社ほど「無駄会議」が多いことを知っている。今回は、私の経験から若者のやる気を著しく下げる無駄会議「ベスト3」発表する。
現在マネジメント業務に携わる人はぜひ最後まで読んでもらいたい。
私は何事も、対価をもらう以上プロフェッショナルでなければならないと考えている。だからマネジャーもマネジメントにおいてプロフェッショナルであるべきだ。では、プロフェッショナルとはどんな人を指すのだろうか?
「達人」「プロフェッショナル」と呼ばれる人は、決して無駄な動きをしない。柔道、剣道、空手道――といった武道のみならず、茶道、華道、香道といった伝統芸能における三道においても無駄な動きがなく、所作が美しいことは共通している。
マネジメントの達人が組織の中に複数人いれば、業績が悪くなるはずがない。当然、無駄会議も、無駄資料も、無駄メールもなくなるはずだ。マネジメントというのは、シンプルでなければならないからだ。
私は2012年に『脱会議』という書籍を出版している。集中連載したコラムは、ひとつの記事で100万人以上がアクセスするほど注目された。しかし残念なことに、あれから10年以上たった今でも「無駄会議」は減っていない。
それでは、昔も今も変わらない、若者がやる気をなくす無駄会議の特徴は何か? ランキング形式で発表しよう。
報告だけの会議、というのは、会議に参加者がひとりずつ現状報告をさせられるだけの会議のことだ。報告だけさせておいて、
「今期もあとわずかだから、最後まで気を抜かないように」
「何かあったら、いつでも俺のところに来い。相談にのるから」
「じゃ、そういうことで」
……で、終わる会議のことだ。