「家族」というチームのつくり方

「仕事はできるのに家庭が崩壊している」残念なリーダーが増えている訳

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家族の問題を「言語化」してみよう


家族の問題は難しい。それは、まぎれもない事実です。組織論で考えても、世の中のあらゆる組織のなかで、最も難しい部類の組織なのです。その難しい組織に対して、
「難しいよね……」
「しょうがないよね……」
「うちの家族は特殊だから……」
と嘆くだけで終わらせてしまってよいのでしょうか。

世の中には、夫婦円満、家庭円満、子育ても大満足、という家庭もたくさんあります。
そういった家庭の話を読んだり見たり聞いたりすると、「そんなわけあるか」と信じられなかったり、うらやましすぎてめまいがしたり、自分の家族でも取り入れてみようと試みて散々な結果になったりなど、反応は様々だと思います。

ですが、組織の専門家から見ると、うまくいっている家族は、たまたまの偶然とか、その家族特有の風土になっているということではありません。
組織づくりには、組織をよくする「原則」と「型」があります。家族がうまくいっている人は、その「原則」と「型」を上手に家庭に落とし込んでいるのです。

今回の記事のなかでも、「役割分担」とか、「意思決定」とか、ビジネスではよく使うもの、家庭ではあまり使われない言葉をあえて使いました。なぜならば、家庭のなかで、確実に「役割分担」や「意思決定」は行われているのですが、そういった組織論で使われる事柄が「言語化されていない」からです。

繰り返しになりますが、家族も組織です。組織のなかで行われる「役割分担」や「意思決定」が見直され、家族で掲げる「目標」が最適化される。家族間での「信頼関係」が醸成される。家族のなかでの「ルール」や「ルーティン」が整備される。

家族の問題を、組織論で考えようとしても、ビジネスライクにしていこうということではありません。自分たちの家族らしさ、自分たちらしさを大切にしながら、理想の家族を作っていくために言語化から始めることが重要なのです。

組織づくりはダイエットに似ている

ダイエットにも「原則」と「型」があります。たとえば以下のように。

①カロリーの摂取量を抑える原則
②カロリーの消費量を上げる原則

摂取量よりも消費量が高まればやせる。これは、誰もが知っていることです。この原則は、すべてやらなければならないわけではありません。食事制限だけでやせる人もいますし、運動だけで痩せる人もいます。

家族の問題も同じです。家族の組織がよくなる原則もたくさんありますが、それらすべてを実行しなければいけないわけではないのです。
「できそう」なものから取り組んでいく。自分たちに「合いそう」なものから取り入れていく。原則と型を「試着」し、合わなかったら脱げばいいのです。
「リバウンドしない」家族という組織づくりにチャレンジしてみましょう。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
2020年よりYouTubeチャンネル『タカ社長のチームD大学』を開設。2023年6月現在、チャンネル登録者約3万5000人、総再生回数380万回。
2021年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」をスタート。改題・改稿を経て、このたび出版化。
著書に『その仕事、部下に任せなさい。』(アルファポリス)がある。

著書

チームづくりの教科書

チームづくりの教科書

高野俊一 /
成績が振るわない。メンバーが互いに無関心で、いっさい協力し合わない。仕事を...
その仕事、部下に任せなさい。

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高野俊一 /
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