また「人事業務を行う際に戦略人事の考え方や視点を持って取り組んでいるか」という質問では、「取り組んでいない」は6.7%とごくわずかでしたが、「取り組みたいができていない」が51.6%。「取り組んでいる」は38.5%でした。
つまり半数以上の企業は、戦略人事の重要性はわかっているし、取り組みたいとも考えてはいるものの、実際には「できていない」のが実情のようです。
なぜ多くの会社は、戦略人事ができないのでしょうか。「戦略人事に取り組んでいない理由」として最も多かったのは「何をすればいいのかわからない」(37.0%)。これは困りますね。
そして「経営が戦略人事を求めていない」(35.2%)でした。経営が求めてないことはないだろうと思いますが、人事担当者はそう思っているのかもしれません。
また「戦略人事への取り組みができていない理由」として、「戦略人事を実践するための知識や経験が不足している」(33.4%)、「業務に追われていて戦略人事に取り組む余裕がない」(26.9%)、「人事部門の体制が整っていない」(19.1%)という声が約8割を占めていました。
では、もうひとつの「人的資本経営」の方はどうでしょうか。こちらも「日本の人事部 人事白書2022」の結果から読み解いていきましょう。
「人事部門が経営戦略の意思決定に関与している」に「当てはまる」と回答したのは、わずか10.9%。「どちらかといえば当てはまる」は32.8%でしたが、「どちらかといえば当てはまらない」(29.0%)「当てはまらない」(25.0%)が全体の半数以上を占めていました。